自然木の止まり木がインコの足の健康を守る理由

インコの止まり木に自然木を選ぶ最大の理由は、足裏への適度な刺激と圧力分散です。均一な太さの加工木とは異なり、自然木は一本の中で太さが変化し、表面に凹凸があるため、インコが握る位置を変えるたびに足の異なる筋肉を使います。この多様性が血行促進と筋力維持につながり、バンブルフット(趾瘤症)の予防に効果的です。
餌箱の縁などにずっととまっていると趾瘤症になることがあります。この場合は餌箱の変更と共に止まり木も工夫をすると足の改善に役立ちます。ニームパーチは趾瘤症治療や予防の他、齧ることによるエンリッチメントにも繋がります。また既存の止まり木に保護テープを巻くのも趾瘤症改善に有効です。 pic.twitter.com/blJAMciKsF
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) February 13, 2021
均一な止まり木が足に負担をかける

ペットショップで販売されているケージに付属している止まり木の多くは、直径が均一な加工木です。見た目はきれいで設置も簡単ですが、インコの足の健康という観点では問題があります。
均一な太さの止まり木を使い続けると、インコの足裏の同じ部分に常に体重がかかり続けます。これは人間が毎日同じ靴で同じ姿勢を保ち続けるようなもので、特定の筋肉や関節に負担が集中してしまいます。
均一な止まり木のデメリット
- 足裏の特定部分への圧力集中
- 血行不良による足の冷え
- 足の筋肉の偏った発達
- バンブルフット(趾瘤症)のリスク増加
一方、自然木の止まり木は太さが不均一で、表面に自然な凹凸があります。インコが枝を移動したり握り直したりするたびに、足裏に触れる部分が変わります。この変化が足の様々な筋肉を刺激し、血流を促進します。野生のインコが様々な太さ・形状の枝を渡り歩くのと同じ環境を、飼育下でも再現できるのが自然木の最大の魅力です。
さらに、自然木は爪の自然な摩耗も促します。粗い人工素材の爪とぎ専用止まり木を使わなくても、ニームやジャワウッドのような硬質の自然木を組み合わせることで、足裏への負担なく安全に爪のケアができます。
かじる楽しみとストレス解消

自然木の止まり木は、インコの足の健康だけでなく、精神的な健康にも大きく貢献します。インコは本能的に木をかじる習性があり、これは野生下での採餌行動や巣作り行動の名残です。
自然木の止まり木を設置すると、インコは樹皮をむいたり、木の繊維を削ったりして遊びます。この行動には複数のメリットがあります。
かじる行動のメリット
- くちばしの自然な摩耗を促進
- 探索欲求の充足
- ストレス発散
- 退屈の解消
特に、樹皮付きの自然木は「とまる場所」と「かじって遊ぶおもちゃ」の両方の役割を果たします。インコがボロボロにかじって消耗した止まり木を見て「すぐダメになった」と思う飼い主さんもいますが、これは実は大成功です。インコが十分に楽しみ、ストレスを発散できた証拠だからです。
自然木をかじる行動は、毛引き症などの問題行動の予防にもつながります。インコに適切な「破壊対象」を与えることで、自分の羽根や飼い主の指をかじる行動を減らせる可能性があります。
自然木以外にも、ストレス発散用おもちゃを組み合わせることで、インコの退屈を防ぎ、問題行動の予防効果がさらに高まります。
止まり木全般の選び方や設置方法については、止まり木完全ガイドで詳しく解説していますので、基本知識を確認したい方はそちらもご覧ください。
インコにおすすめの自然木止まり木7選

自然木の止まり木は種類が豊富で、素材や形状によって特徴が異なります。ここでは、Amazon・楽天で購入できる人気商品7つを厳選し、それぞれの特徴と適したインコのサイズを詳しく解説します。初めて自然木を導入する方から、複数本揃えたい方まで参考になる情報をまとめました。
KAWAI ニームパーチ【抗菌・消臭効果No.1】

ニームパーチは、インド原産のニームの木(インドセンダン)を使用した止まり木です。ニームには天然の抗菌・抗虫成分が含まれており、止まり木自体に防虫・消臭効果が期待できます。
ニームパーチの特徴
- 天然の抗菌・防虫成分
- 消臭効果でケージ内が清潔
- 適度な硬さで長持ち
- サイズ展開が豊富
ニームは古くから虫除けや薬用として使われてきた樹木で、鳥用止まり木としても人気があります。表面はやや粗めで、インコの足裏をしっかり刺激します。硬すぎず柔らかすぎない適度な硬さのため、かじって遊ぶこともでき、それでいて耐久性もあります。
サイズはS・M・Lの3展開があり、セキセイインコからオカメインコまで幅広く対応できます。抗菌効果を考えるとコストパフォーマンスに優れています。
こんなインコにおすすめ:セキセイインコ、オカメインコ、コザクラインコ、清潔志向の飼い主さん
Y字型天然木止まり木【見た目が可愛い・かじり木】

Y字型の自然木止まり木は、枝分かれした形状が特徴です。見た目が可愛いだけでなく、インコにとって遊び要素も加わる実用的な止まり木です。
Y字型止まり木の特徴
- 枝分かれでレイアウトの幅が広がる
- 小枝部分がかじり木になる
- 自然な雰囲気でケージが華やかに
- リンゴやキウイなど安全な果樹の木を使用
Y字部分を活かして、複数のインコが同時にとまれる配置にしたり、おもちゃを吊るす場所として活用したりできます。枝分かれした細い部分は、インコが夢中でかじって遊ぶ格好のターゲットになります。
天然木のため形状や太さは個体差がありますが、それが自然な環境を再現する上ではプラスに働きます。リンゴやキウイの木は柔らかめで、インコがかじりやすい特徴があります。
こんなインコにおすすめ:かじるのが好きな子、ケージレイアウトにこだわりたい飼い主さん、セキセイ・マメルリハ

SANKO おやすみステップフラット

おやすみステップフラットは、平らな面を持つフラットパーチです。足裏を休ませたいインコや、握力が弱い老鳥に最適です。
おやすみステップフラットの特徴
- フラット面で足裏の圧力を分散
- 老鳥や足の弱いインコに配慮
- 餌場・水場の前に設置すると便利
通常の丸い止まり木だと、インコは常に足で握りしめる必要がありますが、フラット面があると足裏全体で体重を支えられます。これにより、足の疲労を軽減できます。老鳥の飼育環境については、老鳥用ケージで総合的に解説しています。
こんなインコにおすすめ:老鳥、足に問題がある子、オカメインコ、長時間とまる場所に設置したい方

ジャワツリーステップパーチ【超硬質・長持ち】

ジャワウッド(ジャワツリー)は、東南アジア原産の非常に硬い木材を使用した止まり木です。耐久性に優れ、かじり癖が強いインコでも長持ちします。
ジャワツリーステップパーチの特徴
- 超硬質で耐久性抜群
- 複雑な枝ぶりでアスレチック要素
- 足裏への刺激が強い
- 価格は高めだが長期使用でコスパ良
ジャワウッドは密度が高く、水に沈むほど重い木材です。そのため表面が非常に硬く、爪の自然な摩耗にも効果的です。粗い人工素材の爪とぎ専用止まり木を使わなくても、ジャワウッドなら足裏を傷めずに爪を適度に削れます。複雑に曲がりくねった形状が多く、インコがよじ登ったり移動したりするアスレチック的な楽しみもあります。
他の止まり木の2~3倍長持ちするため、長期的に見ればコストパフォーマンスは良好です。硬すぎると感じる場合は、他の柔らかい止まり木と併用すると良いでしょう。
こんなインコにおすすめ:中型~大型インコ、かじり癖が強い子、長持ちする止まり木を求める方
SANKO シェイプパーチ【脚弱対策・握力強化】

シェイプパーチは、波状に加工された形状が特徴の止まり木です。握力が弱いインコや、足のリハビリが必要な子に適しています。
シェイプパーチの特徴
- 波状形状で握りやすい
- 足の筋力トレーニングに最適
- 滑りにくい表面加工
- 脚弱対策・リハビリ用
波状の形状により、インコが握る際に足の指を大きく開いたり閉じたりする動作が促されます。これが足の筋力トレーニングになり、握力の向上につながります。
表面には滑り止め加工が施されており、足が滑って転倒するリスクを軽減します。老鳥や病後のリハビリ、もともと足が弱い個体に特におすすめです。
こんなインコにおすすめ:老鳥、握力が弱い子、病後のリハビリ、足に不安がある子
SANKO スパイラルパーチ【ねじれ形状・遊び要素】

スパイラルパーチは、らせん状にねじれた形状が特徴の止まり木です。遊び心のあるデザインで、インコの好奇心を刺激します。
スパイラルパーチの特徴
- らせん状で足裏への刺激が変化
- 移動が楽しい遊び要素
- 見た目がユニークでケージが華やか
- かじって遊べる
らせん状の形状により、インコが移動する際に足の角度が常に変化します。これが足裏への多様な刺激となり、単調な動作の繰り返しを防ぎます。
表面の溝に沿って移動すると、ちょっとしたアスレチック気分が味わえます。遊び好きなインコや、ケージレイアウトに変化をつけたい方におすすめです。
こんなインコにおすすめ:遊び好きな子、ケージに変化を加えたい方、セキセイ・マメルリハ・コザクラ
マヌーミネラルパーチ【カクタスパーチ風・ミネラル補給】
マヌーミネラルパーチは、軽石のような多孔質の素材で作られた止まり木です。サボテンの木(カクタスパーチ)に似た質感で、ミネラル補給と爪の自然な摩耗を同時に実現します。
マヌーミネラルパーチの特徴
- ミネラル成分を含む素材
- 適度な硬さで爪とぎ効果
- 表面の凹凸が足裏を刺激
- カビが生えにくく清潔
マヌーミネラルパーチは天然木ではありませんが、自然素材を使用しており、インコがかじることでミネラルを補給できます。表面はザラザラしており、爪が伸びすぎるのを防ぐ効果があります。危険性が指摘されている粗い爪とぎ専用止まり木と違い、インコの足に負担をかけずに爪を整えられます。
木製の止まり木と違い、水洗いが簡単でカビが生えにくいため、メンテナンスが楽です。ただし、表面が硬いため、ケージ内のすべての止まり木をこれにするのではなく、1~2本を他の柔らかい止まり木と組み合わせることをおすすめします。
こんなインコにおすすめ:爪が伸びやすい子、ミネラル補給が必要な子、清潔さを重視する飼い主さん
7商品比較表【一覧でチェック】
この比較表を参考に、愛鳥のサイズや性格、飼育環境に合わせて選んでください。複数の種類を組み合わせることで、より効果的に足の健康を守ることができます。
止まり木の選び方【サイズと設置のコツ】

自然木の止まり木を選ぶ際、最も重要なのは「太さ」です。インコが足で握った時に、前後の爪の先端が軽く触れ合うか、わずかな隙間ができる程度が理想的です。太すぎると握れず、細すぎると足裏の一部に体重が集中してしまいます。さらに、1本だけでなく複数の太さを組み合わせることで、足の様々な筋肉を使い分けることができ、健康維持につながります。
インコのサイズ別・推奨太さ目安
止まり木の太さは、インコの種類とサイズによって適切な範囲が異なります。以下の目安を参考に、愛鳥に合った太さを選びましょう。
推奨太さの目安
- セキセイインコ・マメルリハ(小型):直径10~15mm
- サザナミインコ・ウロコインコ(小型~中型):直径12~18mm
- オカメインコ・コザクラインコ・ボタンインコ(中型):直径15~25mm
- オキナインコ(やや大型):直径20~30mm
- ヨウム・ボウシインコ(大型):直径30~40mm以上
これらはあくまで目安です。同じ種類でも個体差があるため、実際に愛鳥が握った時の様子を観察して調整しましょう。前後の爪がちょうど触れ合う程度が、足裏全体で体重を支えられる理想的な太さです。
自然木の止まり木は、一本の中で太さが変化するのが大きな特徴です。そのため、「平均的な太さ」が適切な範囲に入っていれば問題ありません。細い部分と太い部分の両方があることで、インコが自分で快適な位置を選べます。
購入前に、愛鳥の足のサイズを確認する簡単な方法があります。インコが普段使っている止まり木に止まっている時、爪の位置を観察してください。前後の爪が大きく離れすぎている場合は太すぎ、完全に重なっている場合は細すぎです。
複数の太さを組み合わせる理由

止まり木を選ぶ際、多くの飼い主さんが「最適な太さを1本」見つけようとしますが、実はこれは間違いです。インコの足の健康を守るには、複数の異なる太さの止まり木を組み合わせることが重要です。
野生のインコは、太い枝、細い枝、平らな岩場など、様々な足場を使い分けています。この多様性が、足の様々な筋肉をバランス良く発達させ、特定の部位への負担集中を防いでいます。
太さ別の役割
- 細めの枝:移動用・握力トレーニング(推奨太さの下限)
- 中太の枝:メインの休息・睡眠場所(推奨太さの中間)
- 太めの枝:リラックス用(推奨太さの上限)
- フラットパーチ:足裏を完全に休ませる場所
たとえばオカメインコの場合、15mm(細め)、20mm(標準)、25mm(太め)の3種類を組み合わせるのが理想的です。細い枝では足の指をしっかり握りしめる必要があり、握力が鍛えられます。太い枝では足を大きく開いて握るため、異なる筋肉が使われます。
この多様性がバンブルフット(趾瘤症)の予防に直結します。均一な太さの止まり木だけを使っていると、足裏の同じ部分に常に圧力がかかり、血行不良や炎症のリスクが高まります。
設置する際のコツは、ケージ内に「ゾーン」を作ることです。たとえば、餌場の近くには安定した中太の枝、高い位置の睡眠場所には太めの枝、ケージ中央の遊び場には細めの枝を配置します。こうすることで、インコが自然と様々な太さの止まり木を使い分けるようになります。鳥種別の具体的なレイアウト例は、オカメインコのケージレイアウトやセキセイインコのケージレイアウトで詳しく解説しています。
ケージ全体のレイアウト設計や鳥種別の最適な配置方法については、止まり木完全ガイドで体系的に解説していますので、併せてご覧ください。
購入時の注意点

自然木の止まり木を購入する際は、安全性と品質を見極めることが大切です。市販品は煮沸消毒や検品が済んでいるため安心ですが、中には粗悪品も存在します。また、天然木特有の個体差を理解していないと「思っていたのと違う」とがっかりすることもあります。ここでは、失敗しない商品選びのポイントと、天然木の特性について解説します。
安全な商品の見分け方
自然木の止まり木を選ぶ際、最も重要なのは安全性です。インコは止まり木をかじる習性があるため、有害な成分が含まれていないか、適切な処理がされているかを確認しましょう。
安全な商品の条件
- 信頼できるメーカーの商品を選ぶ(SANKO、KAWAI、HOEIなど)
- 煮沸消毒・洗浄済みと明記されている
- 樹種が明記されている(不明な木材は避ける)
- 国内検品済みの商品
- 金具はステンレス製が理想的
市販品の多くは、出荷前に煮沸消毒や洗浄が行われています。これにより、虫や虫の卵、カビの胞子、細菌などが除去され、安全性が確保されています。商品説明に「煮沸消毒済み」「洗浄済み」と記載があるか確認しましょう。
樹種については、ニーム、リンゴ、キウイ、ジャワウッドなど、具体的な名前が記載されている商品が安心です。「天然木」とだけ書かれていて樹種不明の場合、安全性を確認できないため避けたほうが無難です。
金具部分も重要なチェックポイントです。亜鉛メッキの金具は、インコがかじることで亜鉛中毒を起こす可能性があります。商品説明で「ステンレス製金具使用」と明記されているものを選びましょう。
避けるべき商品の特徴
- 樹種が不明
- 処理方法の記載がない
- 異常に安価(100円ショップ等)
- 強い薬品臭がする
- 塗料やニスが塗られている
異常に安価な商品や、出所不明の輸入品は注意が必要です。適切な処理がされていない可能性があり、農薬や化学物質が残留しているリスクがあります。また、見た目を良くするために塗料やニスが塗られている商品は、インコがかじると有害です。
天然木の個体差を理解する
自然木の止まり木を購入する際、必ず理解しておきたいのが「個体差」です。天然の木を使用しているため、同じ商品名でも形や色、太さが一つひとつ異なります。
天然木の個体差
- 太さ・長さに多少のバラつきがある
- 色合いが写真と異なる場合がある
- 樹皮の量や模様が個体差
- 枝ぶりや曲がり方は一つとして同じものがない
商品写真はあくまで「イメージ」であり、実際に届く商品とは形状が異なります。たとえば、Y字型の止まり木を購入した場合、枝分かれの角度や長さは写真と異なることがほとんどです。これは不良品ではなく、天然木の特性です。
むしろ、この個体差こそが自然木の魅力であり、インコにとっては足への刺激のバリエーションが増えるというメリットになります。「写真と違う」と考えるのではなく、「この子だけのオリジナルの止まり木」と前向きに捉えましょう。
ただし、明らかに商品説明と異なるサイズ(例:Mサイズを注文したのにSサイズが届いた)や、カビや虫食いの跡がある場合は、不良品として交換を依頼できます。
購入時のレビューを確認する際も、「形が写真と違う」という低評価は天然木の特性を理解していない可能性があるため、参考程度にとどめましょう。それよりも、「樹皮がすぐに剥がれた」「金具が錆びた」「虫が出た」といった品質に関するレビューを重視してください。
オカメインコのケージ環境完全ガイドでは、止まり木を含めたケージ全体の選び方を解説していますので、環境全体を見直したい方はそちらも参考にしてください。
お手入れと交換時期

自然木の止まり木は、適切なお手入れをすることで長く衛生的に使用できます。天然木は加工木よりもフンや水分を吸収しやすいため、放置するとカビや細菌の温床になります。日常的な清掃と定期的な消毒を行い、交換が必要なサインを見逃さないようにしましょう。清潔な止まり木を保つことが、インコの健康維持につながります。
ケージ全体の清掃方法については、ケージ掃除の方法で詳しく解説していますので、併せて参考にしてください。
日常のお手入れ方法
自然木の止まり木を清潔に保つためには、日常的なお手入れが欠かせません。フンが付着したまま放置すると、木材に染み込んでカビの原因になります。
日常のお手入れ手順
- 毎日:フンを見つけたらすぐに除去(乾いたブラシやヘラで)
- 週1回:固く絞った布で拭き取り
- 月1~2回:熱湯消毒または煮沸消毒
- 完全乾燥:消毒後は数日かけて天日干し
日常的なお手入れで最も重要なのは、フンの早期除去です。乾燥したフンは、ブラシや竹串などで軽くこすると簡単に取れます。水拭きする場合は、固く絞った布を使い、水分をできるだけ残さないようにしましょう。
月に1~2回は、より徹底的な消毒を行います。止まり木をケージから外し、熱湯をまんべんなくかけるか、大きめの鍋で10分程度煮沸します。煮沸後は、風通しの良い場所で完全に乾燥させます。内部まで乾燥させるには、数日かかることもあります。
カビ防止のコツ
- ケージの換気を良くする
- 水入れの真上には設置しない
- 予備の止まり木を用意してローテーション
- 定期的に天日干し
特に効果的なのが、止まり木のローテーションです。予備を2~3セット用意し、1セットを使用している間に別のセットを洗浄・乾燥させます。こうすることで、常に清潔な止まり木を使用でき、カビの発生を大幅に抑制できます。
洗剤を使用する場合は、インコが舐めても安全なもの(クエン酸、重曹、または鳥用洗浄剤)を選び、使用後は十分にすすいでください。
交換が必要なサイン
自然木の止まり木は消耗品です。以下のサインが見られたら、新しいものと交換しましょう。
交換が必要なサイン
- カビが発生している(黒や緑の斑点)
- かじられて極端に細くなった(安定性が失われている)
- 表面がひどく汚れて、洗浄しても落ちない
- 異臭がする
- ひび割れや折れそうな箇所がある
特にカビが発生した場合は、すぐに交換が必要です。カビの胞子はインコの呼吸器に悪影響を与える可能性があります。表面だけでなく、内部までカビが侵食している可能性もあるため、漂白や消毒で対処せず、新品に交換するのが安全です。
かじられて細くなった止まり木も要注意です。インコが楽しんでかじった証拠ですが、強度が落ちて折れやすくなっています。インコの体重を支えられなくなったら交換時期です。
交換の頻度は使用状況によりますが、一般的には3~6ヶ月程度が目安です。ニームパーチやジャワウッドなど硬い素材は1年以上持つこともありますが、柔らかい果樹の枝は数週間でボロボロになることもあります。
備長炭止まり木との併用も、自然木の寿命を延ばす工夫の一つです。
止まり木についてのよくある質問

自然木の止まり木について、飼い主さんからよく寄せられる疑問に答えます。購入前の不安や、使用中のトラブルへの対処法を確認して、安心して自然木を導入しましょう。
これらの質問以外にも疑問がある場合は、止まり木完全ガイドも参考にしてください。また、購入前に不安な点がある場合は、販売店や獣医師に相談することをおすすめします。
インコの自然木止まり木で足の健康を守る【総括】

自然木の止まり木は、インコの足の健康を守るために最も効果的な選択肢です。均一な太さの加工木とは異なり、一本の中で太さが変化し表面に自然な凹凸があるため、足裏への適度な刺激と圧力分散を実現します。この多様性が血行を促進し、足の様々な筋肉をバランス良く使うことで、バンブルフット(趾瘤症)の予防につながります。
商品選びでは、ニームパーチの抗菌効果、ジャワウッドの耐久性、Y字型の遊び要素など、それぞれの特徴を理解して愛鳥に合ったものを選びましょう。複数の太さを組み合わせることで、より効果的に足の健康を維持できます。購入時は、煮沸消毒済みで樹種が明記された信頼できる商品を選び、天然木特有の個体差も楽しみましょう。
日常的なお手入れと定期的な交換を習慣化することで、清潔で安全な止まり木環境を保てます。自然木の止まり木は消耗品ですが、インコが楽しんでかじってボロボロになるのは、ストレスを発散できた証拠です。愛鳥の足の健康と快適な生活のために、自然木の止まり木を積極的に取り入れてください。
参考文献・出典
本記事は、以下の信頼できる情報源を参考に作成しました。正確性と信頼性を確保するため、公式情報、実体験、および専門家の知見を組み合わせています。
販売サイト・購入者レビュー
- Amazon.co.jp:購入者レビュー(2023年~2025年)
- 楽天市場:購入者レビューおよび価格情報
- Yahoo!ショッピング:購入者レビューおよび価格情報
SNS・実体験情報
- Twitter(X):実際の飼い主による使用感レポート
- 各種鳥飼育コミュニティ:長期使用者の意見
獣医学的知見
- 鳥類の足の健康と止まり木に関する獣医学文献
- バンブルフット(趾瘤症)予防に関する研究
- 鳥類専門獣医師による飼育環境アドバイス
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※本記事の情報は2025年11月時点のものです。製品仕様や価格は変更される可能性がありますので、購入前に各販売店の最新情報をご確認ください。
記事監修者情報
名前: 山木
経歴: フィンチ・インコ・オウム・家禽の飼育経験を持つ、飼い鳥歴30年以上の愛鳥家。オカメインコブリーダー。愛玩動物飼養管理士。現在はセキセイインコとオカメインコを中心とした小型〜中型インコ専門サイト「ハッピーインコライフ」を運営。科学的根拠と愛情に基づいた実体験を発信し、一羽でも多くのインコとその飼い主が幸せな毎日を送れるようサポートします。






















