オカメインコのメスの発情期サインは？健康リスクを回避する飼育方法

オカメインコのメスの発情期は、多くの飼い主さんが直面する重要な問題です。「最近うちの子の鳴き声が変わった気がする」「お尻を上げるポーズを取るようになった」「もしかして発情してる？」そんな疑問を抱いている方も多いのではないでしょうか。

メスの発情期には「キュキュ」から「キョキョキョ」への鳴き声の変化、交尾姿勢、巣作り行動など、オスとは異なる特徴的なサインが現れます。しかし、これらの兆候を見逃したり、適切な対策を講じないと、卵詰まりや過剰産卵といった生命に関わる深刻な健康問題を引き起こす可能性があります。

特にオカメインコは「不確定産卵」という習性があり、卵を取り上げると必要な数まで産み続けてしまう危険があります。また、卵管蓄卵材症などの生殖器疾患も、持続的な発情が原因で発症することが知られています。

この記事では、オカメインコのメスの発情期について、行動サインの見分け方から健康リスク、そして効果的な抑制方法まで、専門的な知識をわかりやすく解説していきます。

生後6〜9ヶ月で始まるメスの発情期を正しく理解し、適切な環境調整と食事管理を行うことで、愛鳥の健康を守り、長く幸せな共生関係を築くことができます。特に初めて発情期を迎える愛鳥を飼っている方にとって、実践的で具体的な対策を見つけることができるでしょう。大切な愛鳥の健康と生命を守るために、ぜひ最後まで読み進めてください。

オカメインコのメスの発情期サインと基本知識

オカメインコのメスは生後6〜9ヶ月で性成熟を迎え、発情期には鳴き声や行動に特徴的な変化が現れます。

オカメインコのメスが性成熟を迎える時期

オカメインコのメスが発情期を迎える時期について、正確な知識を持つことは飼い主にとって非常に重要です。

生後6〜9ヶ月で性成熟を迎える
人間でいうと約18歳に相当する時期
野生では春と秋の年2回発情
飼育下では季節に関係なく発情する可能性

オカメインコの性成熟は人間でいう第二次性徴期にあたり、この時期から繁殖が可能となります。

鳥種によって異なりますが、オカメインコまでの大きさの鳥では、ヒナ換羽が終わった後から気をつけた方が良いです。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 21, 2021

鳥種や個体によって年齢は異なりますが、寿命と言われる年齢から１割引いた位の年齢までは気をつけた方がいいです。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 21, 2021

野生下では植物が育ち食料が豊富になる雨期に合わせて発情しますが、飼育環境では常に十分な餌と水が提供され、日照時間や温度が一定に保たれるため、季節に関係なく発情が起こりやすくなります。この環境の違いが、後述する過剰な発情の大きな要因となるのです。

発情期に見られる代表的な行動変化

メスのオカメインコが発情期に入ると、日常の行動パターンに明確な変化が現れます。これらの行動変化を早期に認識することで、適切な対策を講じることができます。

姿勢を低くして尾羽を上げる交尾姿勢
巣作り行動（巣材集め・狭い場所への潜り込み）
性格が攻撃的になりイライラしやすくなる
普段よりも縄張り意識が強くなる
オスがいなくても無精卵を産む行動

発情期のメスは、普段はおっとりとした性格であっても、イライラして攻撃的になることが多いです。これは縄張り意識の強まりや生殖本能によるストレスが原因と考えられます。

また、巣作り行動として、ケージに敷いた紙などを集めたり、衣服の間や給餌器の下など狭く暗い場所に潜り込もうとしたりします。これらの行動は自然な本能ですが、飼育下では過剰な発情を引き起こす要因ともなるため注意が必要です。

エストロゲンは卵巣だけでなく脳でも作られています。発情が止まるのは卵巣からのエストロゲン分泌が減少・停止した状態ですが、脳でエストロゲンが産生されていると卵巣の活動が止まっていても発情行動が見られることがあります。発情が止まっていても雌が交尾姿勢を取ることがあるのはそのためです。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) March 7, 2021

脳内でエストロゲンが出ているだけであれば血液データに変化はありません。血液データに変化が出るのは、卵巣からの多量のエストロゲンが必要です。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) March 8, 2021

発情が止まれば血液の性状は元に戻りますが、慢性発情によって肝機能に異常をきたすと元に戻らなくなることがあります。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) March 8, 2021

鳴き声の変化で分かる発情のサイン

オカメインコのメスは発情期に入ると、鳴き声に特徴的な変化が現れます。この鳴き声の変化は、発情の初期サインとして非常に重要な指標となります。

普段は小さい声で「キュキュ」と鳴く
発情すると「キョキョキョ」と鳴き方が変化
鳴き声の頻度が増加する傾向
夜間でも鳴くことがある
オスの求愛鳴きに反応しやすくなる

メスの鳴き声の変化は、発情の程度を判断する上で重要な指標となります。普段は控えめな鳴き声のメスが、突然「キョキョキョ」という鳴き方に変わった場合は、発情期に入った可能性が高いと考えられます。

また、この時期は飼い主に対してより積極的にコミュニケーションを求めるような鳴き方をすることもあります。鳴き声の変化に気づいたら、他の発情サインも合わせて観察し、必要に応じて発情抑制策を検討することが重要です。

発情期の健康リスクと危険な症状

発情期には卵詰まりや過剰産卵など、メスの生命に関わる重篤な健康リスクが発生する可能性があります。

卵詰まり（卵秘）の症状と緊急性

卵詰まりは、卵が産道に詰まってしまう状態で、オカメインコのメスにとって最も危険な疾患のひとつです。迅速な対応が愛鳥の生命を救う鍵となります。

息んでいるが卵が出てこない状態
食欲がなくなり元気がない
お尻から何かが出ている
出血が見られる
ぐったりして動かない

卵詰まりは命に関わる緊急性の高い病気で、卵ができてから24時間以内に産卵しない場合は、すぐに動物病院を受診する必要があります。急激な温度変化も原因となることがあるため、発情期には環境管理により一層の注意を払うことが重要です。

症状が見られた場合は、自己判断せずに直ちに獣医師の診察を受けることが愛鳥の生命を守る最善の方法です。

卵詰まりの時にオリーブ油を浣腸すると産卵するという情報がありますが効果はありません。産卵できないのは産道が緩んでいないからなので、油を浣腸しても卵管内に入って潤滑されることはありません。卵詰まりの時にお家でできることは保温です。病院に行くまでは足が温かくなるまで保温しましょう。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 16, 2020

多重卵塞症のオカメインコの手術を行ないました。卵詰まりは、気づかないと卵墜したり、2つ目の卵ができることがあります。卵の確認方法は、お腹を軽く押すように触って、硬く丸い物があれば卵の可能性があります。殻が薄いと割れることがあるので注意しましょう。https://t.co/7wz2h02uzn

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 9, 2020

こちらは卵詰まりで手術を行ったコザクラインコの卵と卵管です。卵は穴を開けて中身を吸引した後殻を割って取り出します。発情期の卵管はとても長く卵管間膜を凝固切断して摘出します。卵管間膜には太い血管がいくつか走っており、この血管を切断する時にいかに出血させないかが重要になります。 pic.twitter.com/uDKPn0pUlN

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 20, 2021

【不確定産卵鳥】過剰産卵がもたらす身体への負担

オカメインコは不確定産卵（卵を除去すると産卵数が増える） という習性を持つため、過剰な産卵は身体に深刻な負担をかけ、様々な健康問題を引き起こします。

年に3回以上の発情は体に大きな負担
卵を取り上げると必要数まで産み続ける危険
卵管脱や卵巣腫瘍のリスクが高まる
栄養不足による体力の著しい低下
カルシウム不足で骨が脆くなる可能性

過剰産卵は単なる繁殖行動ではなく、鳥の生命に関わる深刻な問題です。産卵には大量のエネルギーとカルシウムが必要で、頻繁な産卵は栄養不足や体力の著しい低下を招きます。

また、オカメインコは卵を取り上げると必要な数が揃うまで産み続けてしまう危険があるため、産卵後の対応も慎重に行う必要があります。

無精卵を産んだ時はすぐに取り上げるべきですか？

卵管蓄卵材症などの生殖器疾患

こちらは本日急に便が出なくなって緊急オペしたオカメインコさんから摘出された卵材です。

卵管畜卵材症で、腸が圧迫されていました。正常な卵ができずに卵管内に卵黄と卵白が蓄積して起こる病気です。

発情しても卵を産まないからと安心せず、しかっりと発情抑制をしましょう。 pic.twitter.com/rQVccAR4E4

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 2, 2020

慢性発情が原因です。発情抑制には、食べ放題をやめて、必要な分のみ与えることが大切です。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 2, 2020

持続的な発情は、卵管蓄卵材症をはじめとする深刻な生殖器疾患を引き起こす可能性があります。これらの疾患は早期発見・早期治療が重要です。

卵管に卵白・卵黄・卵殻膜が蓄積する疾患
腹部の膨大による呼吸困難
持続的な発情が主な原因
セキセイインコに多いがオカメインコも発症
重篤な場合は手術による卵管摘出が必要

卵管蓄卵材症は、卵管内に卵の材料が大量に蓄積されることで腹部が膨大し、呼吸器の圧迫による呼吸困難を引き起こす深刻な疾患です。持続的な発情が主な原因とされており、環境管理による発情抑制が最も重要な予防策となります。

症状が進行した場合は、内科的治療では改善が見込めず、手術による卵管摘出が根治的な治療法として検討されることもあります。

こちらはオカメインコの卵管に溜まっていた卵材です。茶色くなっているのは、血液が混じり時間が経っているためです。硬さはピータンのような感じです。… pic.twitter.com/lcovFisLqF

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) May 4, 2024

鳥は左側の卵管のみ発達して機能しており、右側の卵管は発達せず痕跡のみが残っています。しかし慢性的に発情していると右卵管内で卵白成分が分泌されて液体が溜まったり、硬い卵材ができることがあります。右卵管内の卵材は手術をしなければ取ることができませんので、発情抑制を心がけましょう。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 18, 2021

体重変化と全身状態への影響

発情期には体重変化をはじめとする全身状態の変化が見られ、これらは鳥の健康状態を把握する重要な指標となります。

発情期に一時的な体重増加が見られる
過剰産卵により体重が減少することもある
フンが大きくなる傾向がある
多飲多尿が見られることもある
体重は発情のバロメーターとして重要

体重は発情期の鳥の健康状態を把握する上で最も重要な指標のひとつです。発情期には一時的に体重が増加する傾向が見られますが、過剰な産卵やそれに伴う体調不良により体重が減少することもあります。飼い主は日頃から愛鳥の体重を測定し、変化に気づくことが求められます。

また、多飲多尿が見られ体重が減ってしまう場合は、発情以外の病的な原因も考えられるため、速やかに獣医師に相談することが重要です。

発情を誘発する環境要因と見直しポイント

飼い主が良かれと思って提供している環境が、実は発情を誘発している可能性があります。適切な環境調整により発情をコントロールできます。

日照時間（光周期）の管理方法

光周期の管理は、発情抑制における最も効果的な対策のひとつです。自然な環境に近い光の管理により、過剰な発情を抑制できます。

1日の明るい時間を8〜10時間以内に制限
夕方5時か6時には完全に暗くする
市販のケージ用おやすみカバーで完全遮光
光周期を短くする場合は1日1時間ずつ調整
夜中に覗くことも避ける

野生下では春分の日を境に明期が長くなることで繁殖期と認識するため、室内でも自然なリズムを意識することが重要です。光周期を短くする場合は、急激な変化は鳥にストレスを与えるため、1日に1時間ずつ徐々に短くすることで、愛鳥への負担を軽減できます。

温度管理と季節感の重要性

適切な温度管理により季節感を与えることで、自然なリズムに近い環境を作り、過剰な発情を抑制できます。

季節に応じて温度を下げる
冬は過保護になりすぎないよう注意
気温が高いと繁殖しやすい環境となる
暖房が効きすぎた部屋は発情を助長
鳥が体調を崩さない程度の適切な温度維持

セキセイインコやオカメインコは、気温が高くなる雨期に繁殖を行うため、過度な保温は発情を促すことにつながります。特に冬でも暖房が効いた部屋に置いていると季節感がなくなり、発情を助長してしまいます。

季節に応じて温度を調整し、鳥が体調を崩さない程度の適切な温度を維持することが、自然なリズムを保つ上で重要です。ただし、急激な温度変化は体調不良の原因となるため、段階的な調整を心がけることが大切です。

巣になるものの除去と環境整備

ケージ内外の環境を見直し、発情を誘発する可能性のあるものを除去することで、効果的な発情抑制が期待できます。

巣箱やハンモックは設置しない
大きな餌入れは巣と認識される可能性
ケージに敷く紙をちぎりにくい素材に変更
鏡や鳥の模型が付いたおもちゃは除去
暗がりや狭い場所への立ち入りを制限

巣箱やハンモック、大きな餌入れ、洋服のポケット、空き箱、引き出しなど、鳥が巣の代わりとして認識する可能性のあるものは、存在しているだけで発情の要因となります。また、ケージに敷いている紙などを細かく裂いたり、下に潜ったりしている場合は、敷くのをやめるか、ちぎりにくい素材に変えることを検討しましょう。

鏡など自分の姿が映るものや鳥の模型が付いたおもちゃは、発情の対象となる可能性があるため、ケージから完全に取り除くことが重要です。

飼い主との接し方で注意すべき点

飼い主の愛情表現が、意図せず鳥の発情を促してしまうことがあります。適切な距離感を保つことで、無駄な発情刺激を減らせます。

撫でる行為は避ける
頻繁に話しかけることを控える
過度なスキンシップは発情刺激となる
ある程度距離をとって接する
飼い主をパートナーと認識させない

飼い主とのコミュニケーションは鳥にとって重要ですが、発情期には特に注意が必要です。背中や頭、首の後ろなどを撫でる行為は、交尾の刺激となるため極力避けるべきです。また、頻繁に話しかけたり、過度なスキンシップを控え、ある程度距離をとって接するように心がけることで、飼い主をパートナーと認識してしまうことを防げます。

愛情を示すことと発情を刺激することは別物だと理解し、発情期には特に慎重な接し方を心がけることが大切です。

よくある質問と回答

オカメインコのメスの発情期に関して、飼い主から寄せられる代表的な疑問にお答えします。

オカメインコのメスは何歳から発情期になりますか？

オカメインコのメスは、一般的に生後6〜9ヶ月で性成熟を迎え、発情期が始まります。これは人間でいうと約18歳に相当する時期で、繁殖が可能となる年齢です。この時期は鳥にとって「第二次性徴期」にあたります。

個体差もありますが、早い子では生後5ヶ月頃から発情の兆候が見られることもあります。野生のオカメインコは通常、春と秋の年2回発情期を迎えますが、飼育環境下では季節に関係なく一年中いつでも発情が起こる可能性があるため、性成熟を迎えた時点から常に注意深く観察することが重要です。

発情期の鳴き声はどのように変わりますか？

オカメインコのメスは、発情期になると鳴き声に明確な変化が現れます。普段は小さい声で「キュキュ」と鳴くことが多いのですが、発情すると「キョキョキョ」という鳴き方に変化します。また、鳴く頻度も増加し、今まで静かだった時間帯でも鳴くようになることがあります。

この鳴き声の変化は、発情の初期サインとして非常に重要な指標となります。特に夜間にも鳴くようになったり、飼い主に対してより積極的にコミュニケーションを求めるような鳴き方をする場合は、発情期に入った可能性が高いと考えられます。

鳴き声の変化に気づいたら、他の発情サインも合わせて観察し、必要に応じて発情抑制策を検討することが大切です。

無精卵を産んだ時はすぐに取り上げるべきですか？

無精卵を産んだ場合でも、すぐには取り上げないでください。オカメインコは「不確定産卵」という習性を持つため、卵を取り上げると必要な数の卵が揃うまで産み続ける危険があります。これは過剰産卵につながり、メスの身体に大きな負担をかけてしまいます。

正しい対応は、卵が孵らないと親が察するまで温めさせ、飽きて温めなくなったら全ての卵をまとめて取り除くことです。一般的には産卵し終わって1～2週間くらい抱卵させてから、まとめて取り上げるのが効果的とされています。

偽卵を抱卵するセキセイインコが診察に来ました。診察してキャリーに戻すとすぐに抱卵します。偽卵は抱卵期を利用した発情抑制の方法となります。1クラッチ分の卵を抱卵するとプロラクチンが分泌され、これがエストロゲンの分泌を抑制します。抱卵させる期間はメスが諦めるまでですが、通常の抱卵期間… pic.twitter.com/GfYrRAIhOs

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 25, 2023

市販のプラスチック製の擬卵（偽卵）と置き換えることで、鳥に「もう十分に卵を産んでいる」と思わせ、産卵を抑制する効果も期待できます。

発情抑制に効果的な食事管理の方法は？

食事管理は発情抑制の最も強力な手段のひとつです。まず、ご飯の量を1日に必要な量だけに減らして与えることが基本となります。

1週間毎日食べているフードの量を測り、平均採食量を把握してから、翌週からその量を与えるようにしましょう。夜間はご飯入れをケージから取り出すことも効果的です。

肥満や十分すぎるフードの給与は発情の刺激となるため、明らかな肥満の場合はフードの量をさらに減らし、ダイエットさせる必要があります。適正な体格よりも少し痩せている状態にすることで発情を抑制できるとされています。

また、低脂肪・低カロリーの餌を与え、高カロリーな食事は避けるべきです。野生での発情刺激因子である「緑の植物」を避けるため、発情がある場合は緑の野菜を与えるのを控える対応も、効果がある場合があります。

またオーストラリアの乾燥地域に住むセキセイインコやオカメインコ、キンカチョウなどは、雨季になって気温が上がり、植物が育って環境が枯草の茶色から緑色に変わると発情しやすくなると言われています。青菜が発情を促進するかは定かではないですが、発情が止まらなければ、疑ってみてください。

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 3, 2020

獣医師に相談すべき症状の目安は？

以下のような症状が見られた場合は、緊急性が高いため直ちに獣医師の診察を受けてください。

卵詰まりの兆候として、息んでいる、食欲や元気がない、お尻から何か出ている、出血がある、ぐったりしている、フンが出せないなど。特に卵ができてから24時間以内に産卵しない場合は、卵詰まりの可能性を考慮し、すぐに病院を受診すべきです。

腹部が膨らむ症状は卵管蓄卵材症などの可能性があり、速やかな受診が必要

多飲多尿が見られ体重が減ってしまう場合は、発情以外の病的な原因も考えられるため、すぐに診察を受けることをお勧めします

環境調整や食事管理などの対策を講じても発情や産卵が継続する場合も、獣医師に相談し専門的なアドバイスを求めることが重要

早期発見・早期治療が愛鳥の命を救う鍵となるため、少しでも異変を感じたら迷わず専門家に相談しましょう。

鳥の病院で生殖器腫瘍のため打つてがないと診断されても諦めずに、当院へサードオピニオンでオカメインコが来院しました。

当院では腫瘍ではなく卵材停滞で、手術で治せる可能性が高いと診断しました。飼い主さんは、すぐに手術を決断しました。… pic.twitter.com/gqlZKgnaqP

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 26, 2025

4つ卵墜していたオカメインコの手術を行いました。手術のリスクの見立ては病院によって異なります。特に鳥の外科は病院によって差が顕著に現れます。セカンドオピニオンでも成功率50%と言われれば、手術を躊躇するのは当然のことと思います。当院での見立ては成功率90%でした。リスクの見立てが低いこ… pic.twitter.com/fbjXwLiD32

— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 16, 2023

オカメインコのメスの発情期対策【総括】

メスは生後6〜9ヶ月で性成熟を迎え発情期が始まる
鳴き声が「キュキュ」から「キョキョキョ」に変化する

卵詰まりは命に関わる緊急性の高い疾患
過剰産卵は身体に深刻な負担をかける
卵管蓄卵材症は持続的発情が主因

日照時間を8〜10時間以内に制限することが重要
季節感のある温度管理で自然なリズムを保つ
巣材となるものの除去は発情抑制に効果的
背中を撫でる行為は交尾刺激となるため避ける

無精卵はすぐに取り上げず1～2週間程度抱卵させる
食事管理は発情抑制の最も強力な手段

複数の対策を組み合わせた継続的な管理が必要
個体差を理解し愛鳥に合った方法を見つける

発情は自然な生理現象ですが、飼育環境下での過剰な発情は深刻な健康リスクを招く可能性があります。日々の観察を通じて発情のサインを早期に発見し、環境調整と食事管理を組み合わせた包括的なアプローチで、愛鳥の健康と幸福を守ってください。

何よりも、異変を感じた際は速やかに獣医師に相談することが、愛鳥の生命を守る最も確実な方法です。