セキセイインコの鳴き声がおかしい、いつもと違う鳴き方をすると感じた時、飼い主として「すぐに病院へ行くべき?」「このまま様子を見てもいいの?」と不安になりますよね。
愛鳥は言葉で体調不良を訴えられないため、鳴き声の変化は健康状態を知らせる重要なサインです。中には、開口呼吸や呼吸時の異音など、生命に関わる緊急性の高い症状もありますが、一方で発情期などによる正常な変化の場合もあります。
この記事では、危険な症状の具体的な見分け方から、病気の可能性、そして飼い主として取るべき適切な対処法まで、愛鳥の健康を守るための情報を網羅的に解説します。
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セキセイインコの鳴き声がおかしい?緊急性の高い症状と判断基準
愛鳥の鳴き声に異変を感じた時、飼い主がまず知るべきは「今すぐ病院へ行くべきか」「少し様子を見ても大丈夫か」という緊急度の判断基準です。セキセイインコは本能的に病気を隠すため、鳴き声の変化は貴重な健康のバロメーターとなります。
今すぐ動物病院へ!様子見が危険な鳴き声のサイン
🏥 病院へ連れて行く時の準備と注意点
緊急時でも慌てず、愛鳥に負担をかけずに病院へ連れて行くための準備です。
- 移動ケース:普段から慣れている小さめのキャリーケースや、なければプラスチック製の虫かごなどで代用します。中で鳥が暴れない程度の大きさが安全です。
- 保温:ケースの外側からカイロを貼ったり、フリースなどの布で覆ったりして、28℃~30℃程度に保温しましょう。カイロがケース内に直接触れないよう注意してください。
- 情報提供:いつから、どんな症状があるか、フンや尿の状態、食欲などをメモしておくと診察がスムーズです。「鳴き声の録音・動画」は非常に役立ちます。
事前に鳥を診察できる動物病院を調べておくと、いざという時に落ち着いて行動できます。
生命に関わる緊急事態のサイン
以下の症状が一つでも見られた場合は、様子見はせず、直ちに獣医師の診察を受ける必要があります。
重要な心構え:
野生のセキセイインコは捕食者から身を守るため、弱っている姿をギリギリまで見せません。そのため、飼い主が「明らかにおかしい」と感じる時点で、実際の病状はかなり進行している可能性が高いと心構えておきましょう。
🚨 即座に受診が必要な症状
- 開口呼吸(口を開けてハァハァと息をする)
- 尾羽の上下運動(呼吸に合わせて尾が大きく揺れる)
- 呼吸時の異音(ヒューヒュー、プツプツ、クリック音)
- 膨羽(体を膨らませたまま動かない)で床にうずくまる
- 全く声が出ない、または声に元気がない
⚠️ 24時間以内に受診すべき症状
- 声のかすれが続いている
- 鳴く回数が普段より極端に少ない
- 小さく弱々しい声で「キュー」と鳴き続ける
- フンの色や形、尿酸の色がおかしい状態が続く
- 体重が徐々に、または急に減少している
セキセイインコの肺炎初期の呼吸状態です。胸の動き速くなっています。進行するとテールボビング→肩呼吸→開口呼吸が見られるようになります。肺炎の原因は、細菌、真菌、クラミジア、マイコプラズマなどで、ウイルス性は稀です。肺炎や気嚢炎を早期発見するには、安静時の呼吸状態を観察しましょう。 pic.twitter.com/yFaAZSNHFp
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 8, 2020
尾羽の上下運動(テイルボビング)は呼吸困難のサインですが、激しい運動後や興奮時など、生理的な(正常な)反応として見られることもあります。症状が続く時間や他の症状と合わせて総合的に判断することが大切です。
経過観察でも良い可能性のある軽微な変化
一時的な環境変化やストレスによる症状
以下の症状は比較的心配の少ない変化ですが、24時間以上続いたり、複数の症状が見られたりする場合は、念のため獣医師に相談することをお勧めします。
✅ 軽微な変化の例
- 一度だけフンの状態がおかしかった
- やや元気がないが食事や飲水はしている
- ケージの移動など新しい環境での一時的な鳴き声の変化
- 発情期に伴う一時的な声の変化や行動
⏰ 観察のポイント
- 環境の変化(室温、騒音など)がなかったか
- 食欲や活動性に大きな変化はないか
- 時間の経過とともに自然に回復するか
- ストレスの原因に心当たりがあるか
病気のサインとして考えられる鳴き声の異常と原因
いつもと違う鳴き声には、鳴管炎・甲状腺腫・呼吸器感染症といった病気が隠れている可能性があります。それぞれの病気で出やすい声の特徴を知り、早期発見・早期治療に繋げましょう。
原因① 声がかすれる・出ない:鳴管炎の可能性
鳴管炎(めいかんえん)とは
声がかすれたり出にくくなるのは、鳥の発声器官である「鳴管」の炎症が原因かもしれません。これは人間の声帯炎によく似た病気です。
オスの特徴:
おしゃべり好きなオスのセキセイインコは、特に発情期に鳴き続けることで鳴管を酷使し、炎症を起こすことがあります。飼い主への愛情表現が裏目に出ることもあるため、適度なコミュニケーションが大切です。
🔬 主な原因
- 細菌・真菌・ウイルスなどの感染症
- 発情期の過度なおしゃべりによる物理的な炎症
- ビタミンA不足や栄養の偏り
- カルシウム沈着による鳴管の硬化
💊 治療方法
- 原因に応じた投薬(抗菌剤・抗真菌剤など)
- 消炎剤による炎症の緩和
- ネブライザー治療(霧状の薬を吸入させる治療)
- 栄養指導や生活環境の改善
これを多骨性過骨症と言います。鳴管には骨環があり、ここも石灰化が起こることがあり、骨環が変形すると慢性的な咳や呼吸音の原因となります。骨環の石灰化は一度起こると元に戻らないことが多いです。咳や呼吸音がある場合は、お薬から様子を見るのではなく、早めにレントゲン検査を受けましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) October 2, 2020
原因② 呼吸音に異常がある:甲状腺腫などの可能性
甲状腺腫(こうじょうせんしゅ)による気道圧迫
鳴き声だけでなく、呼吸するたびに「ヒューヒュー」「キューキュー」といった異常な音が聞こえる場合、気道が圧迫されている危険なサインです。セキセイインコでは甲状腺腫がその主な原因として知られています。
- 甲状腺の腫れによる気管の圧迫
- 特徴的な喘鳴音(ぜんめいおん)
- クリック音や「プツプツ」という湿った音
- 興奮したり運動したりすると症状が悪化しやすい
ブロッコリーに関しては、世界的に賛否両論です。ブロッコリーにはゴイトロゲンが含まれており、セキセイインコにおける集団発生例が報告されています。そのため与えない方が良いと言われています。食べ過ぎずヨードを与えていれば甲状腺腫の発生は低いと思いますが、種差と個体差があると思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 18, 2020
これらの食物を与えてもヨードを与えていれば甲状腺腫になる可能性は低いと考えられます。私はヨードを与えていて甲状腺腫になった症例の経験はないです。ヨードはペレットには含まれています。シードの場合はネクトンSを与えていれば、ヨードのみ与える必要はありません。https://t.co/aaq4Ku6uBC
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 29, 2020
甲状腺腫の主な原因は、食事からのヨード不足です。特にシード(種子)を主食にしている場合は不足しがち になります。予防には、ボレー粉(カキの殻を砕いたカルシウム源)や、ヨードが含まれたサプリメント(ネクトンsなど)総合栄養食であるペレットの活用が効果的です。ただし、ヨードの与えすぎは別の病気を引き起こす可能性もあるため、獣医師に相談の上で適量を守ることが重要です。
原因③ 鳴き声が小さい・弱々しい:全身性の病気のサイン
体力の低下が声に現れる
元気な時と比べて明らかに力のない弱々しい声で鳴く場合、それは声だけの問題ではなく、体全体の不調を示唆している可能性があります。
肺炎や気嚢炎(きのうえん)など、呼吸器全体に感染が広がっている可能性。
特定の病気に限らず、体のどこかの不調で体力が落ちているサイン。
鳴く力さえないほど弱っている状態は、「助けて」という最後のSOSかもしれません。
病気じゃない?正常な鳴き声との見分け方と対処法
「鳴き声がおかしい」と感じても、実は病気ではなく、鳥の感情表現や生理現象であるケースも多々あります。ここでは、病気のサインと正常な鳴き声の変化を正確に区別するためのポイントを解説します。
発情期や興奮時に見られる特殊な鳴き声
自然な生理現象としての鳴き声
発情期には、普段とは違う特別な鳴き方や行動が見られますが、これは多くの場合、健康な証拠です。
発情期のコントロールについて:
発情期の特殊な鳴き声は健康の証ですが、過度な発情は体力を消耗させ、メスの場合は卵詰まりなどのリスクを高めます。照明時間を調整(1日12時間以下に)したり、発情を誘発するおもちゃを撤去したり、背中を撫でるなどの過剰なスキンシップを控えたりして、適切にコントロールすることが大切です。
より詳しい発情抑制の方法については「セキセイインコの発情期対策」の記事もご参照ください。
♂ オスの発情行動
- 複雑で長いメロディアスなさえずり
- 求愛ダンス(頭を上下に振る)との組み合わせ
- 普段より声量が大きく、鳴く頻度が増える
- 飼い主や鏡、おもちゃへの執着的な鳴き声
♀ メスの発情行動
- 巣作りに関連した「プップッ」「クチュクチュ」という声
- 紙などを噛みちぎりながら鳴く
- お気に入りの暗くて狭い場所で特殊な鳴き方をする
- 交尾を促す姿勢をとる
発情期のオスは、求愛のために美しく複雑なさえずりを長時間続けます。これは野生での習性の名残であり、頭を上下に振るダンスと組み合わせることが多いです。飼い主や鏡、お気に入りのおもちゃに向かって歌うのは、それらを「パートナー」と認識しているサインです。
ストレスや環境変化による一時的な鳴き声の変化
環境変化への自然な反応
セキセイインコは環境の変化に敏感な鳥です。引っ越しやケージの置き場所の変更、騒音など、軽度のストレスによって一時的に鳴き声が変わることがあります。
🔄 一時的な変化の例
- ケージ移動後の警戒した鳴き声
- 新しい家族やペットに対する反応
- 季節の変わり目や気温変化に伴う鳴き声の変化
- 一時的な食欲不振と鳴き声の減少
⏰ 回復期間の目安
- ケージ移動:数日~1週間
- 新しい環境への順応:1~2週間
- 一時的な騒音への反応:即座~数時間
- 原因が明確な場合:原因除去後、徐々に回復
年齢による自然な鳴き声の変化(老化)
👴 シニア期の変化
- 7歳以上のシニア期での声量低下
- 若い頃より落ち着いた鳴き方になる
- 長時間のさえずりが減る
- 飼い主への甘え声が増えることもある
🔍 日頃の観察で健康管理
- 毎日決まった時間の健康チェック
(朝起きた時や放鳥前がおすすめです) - 鳴き声の録音・動画撮影
(スマホで撮る習慣をつけましょう) - 体重測定の習慣化
(0.1g単位で測れるキッチンスケールが便利) - 食事量・飲水量の記録
(「いつもより減っていないか」を確認)
高齢のセキセイインコの鳴き声の変化は、人間と同じく自然な老化現象の一部です。「若い頃のように元気におしゃべりしない」と心配になるかもしれませんが、年齢相応の変化はごく自然なこと。ただし、急激な声の変化や、食欲不振、活動性の低下といった他の症状を伴う場合は、病気の可能性も考えて注意深く観察しましょう。
最も重要なのは、愛鳥の「平常時の状態」を飼い主が正確に把握することです。健康な時の鳴き声を録音しておけば、いざという時に比較がしやすく、獣医師にも的確に症状を伝えられます。また、体重は健康状態を示す最も正直なバロメーターです。毎日の測定を強くお勧めします。
セキセイインコのおかしい鳴き声によくある質問(FAQ)
セキセイインコの鳴き声が急に変わったのですが、病気でしょうか?
鳴き声の急激な変化は、病気の可能性を考慮すべきサインです。特に「声がかすれる・出ない」「弱々しい声で鳴く」といった症状は、鳴管炎や甲状腺腫、呼吸器感染症などが疑われます。
🩺 判断のポイント:
まずは鳴き声以外の変化に注目してください。食欲不振、フンの異常、膨らんで元気がないなど、他の症状も併発している場合は病気の可能性が高まります。こうした場合は、速やかに動物病院を受診してください。
🏠 環境要因の可能性:
もし、引っ越しやケージの移動といった明確な環境変化があった直後であれば、一時的なストレス反応の可能性もあります。その場合でも、2~3日経っても改善しない、または悪化するようであれば受診を検討しましょう。
声がかすれているけど元気はあります。様子見で大丈夫ですか?
「元気に見える」場合でも、声のかすれは注意が必要なサインです。鳥は天敵から身を守るために、病気を隠すのが非常に上手です。飼い主の前では元気なふりをしていても、実際には鳴管炎などの初期症状である可能性があります。
🔬 考えられる原因:
鳴管炎の主な原因は、細菌や真菌などの感染です。初期段階では声の変化だけで、食欲や元気さは変わらないことも少なくありません。
⏰ 受診のタイミング:
声のかすれが2日以上続くようであれば、たとえ症状が軽くても一度動物病院で相談することをお勧めします。早期に治療を開始できれば、重篤化を防ぐことができます。
呼吸するたびに「ヒューヒュー」と音がするのは危険ですか?
呼吸時の「ヒューヒュー」「プツプツ」といった異音は、命に関わる可能性のある非常に危険なサインです。これは、気道が何らかの原因で狭くなっていることを示唆しており、特に甲状腺腫が疑われます。
🫁 甲状腺腫の危険性:
甲状腺が腫れて気道を圧迫すると、特徴的な呼吸音が聞こえます。主な原因はヨード不足とされ、早期であれば投薬による改善も期待できますが、診断と治療は獣医師でなければ行えません。
🚨 緊急の対応:
この症状は緊急性が極めて高いため、夜間や休日であっても、すぐに診てもらえる動物病院に連絡してください。病院へ向かう間は、ケージ内を暖かくし、鳥が興奮しないよう静かな環境を保ちましょう。
夜中に苦しそうな声で鳴くのですが、対処法はありますか?
夜中に苦しそうな声で鳴く場合、まずその状況が「パニック」か「呼吸困難」かを見極めることが重要です。これは静かな夜間に飼い主が気づきやすい症状の一つです。
😵 パニック(夜驚症)の場合:
物音や光に驚き、「ギャッ!」と鋭く叫んでケージ内で暴れるようならパニックの可能性が高いです。この場合はケージに布をかけて暗くし、静かに落ち着くのを待ちます。
🫁 呼吸困難の場合:
暴れるのではなく、継続的に弱々しく「キュー、キュー」と鳴いている場合は、呼吸が苦しいサインです。これは緊急性が高いため、すぐに医療対応が必要です。ケージを保温しながら、ためらわずに緊急診療に連絡してください。
オスとメスで鳴き声の異常に違いはありますか?
病気のサインとして現れる鳴き声の異常には、オスとメスで傾向の違いがあります。これは体の構造や行動様式の違いが影響しています。
♂ オスの傾向:
おしゃべりなオスは発声器官を酷使しやすく、「鳴管炎」による声がすれが比較的多く見られます。また、縄張り意識からくるストレス性の鳴き声の変化もオスに多い特徴です。
♀ メスの傾向:
メスは比較的おとなしいですが、発情期に巣作りに関連した特殊な鳴き方をすることがあります。また、卵詰まりなど生殖器系のトラブルを抱えた際に、苦しそうな声で鳴くことがあるため注意が必要です。
以前より鳴く回数が減ったのは問題ありませんか?
鳴く回数が減る原因は、心配ないものと、注意すべきものの両方があります。
👴 心配の少ないケース:
7歳以上のシニア期に入ると、活動量の低下と共に鳴く回数が自然に減ることがあります。また、発情期が終わった後や、日照時間が短くなる冬場も静かになりがちです。これらは自然な変化と考えてよいでしょう。
🚨 注意すべきケース:
急に鳴かなくなった場合や、食欲不振、膨羽、元気の消失といった他の症状を伴う場合は、病気のサインである可能性が高まります。体力を温存するために、鳴くのをやめている状態かもしれません。
鳴き声がおかしい時、どんな時に病院へ連れて行くべきですか?
受診のタイミングは、症状の緊急度によって判断します。以下に目安を示します。
🚨 即座に受診が必要:
開口呼吸、尾羽の大きな上下運動、全く声が出ない、ケージの底で動かない、けいれん。これらは生命に直結するサインです。
⏰ 24時間以内に受診を推奨:
声のかすれ、弱々しい鳴き声、呼吸時の異音、膨らんでいる時間が長い、食欲不振。これらは病状が進行するリスクがあります。
💡 重要な心構え:
飼い主として一番大切なのは「迷ったら受診する」という姿勢です。鳥は病気の進行が早いため、早期発見・早期治療が何よりも重要です。普段から緊急時に備えて、夜間や休日に対応してくれる動物病院を調べておきましょう。
鳴き声を録音・撮影して病院に持参すべきでしょうか?
鳴き声の録音や動画の撮影は診断において非常に有効です。動物病院という慣れない環境では、インコが緊張して普段の症状を見せないことがよくあります。
🎥 撮影のポイント:
スマートフォンなどを使い、異常な鳴き声だけでなく、その時の呼吸の様子(お腹や尾の動き)や体全体の動きも一緒に撮影すると、獣医師にとってさらに多くの情報となります。
🩺 診察時の活用法:
診察の際にその記録を見せることで、短い診察時間でも的確に症状を伝えられます。いつから、どんな状況でその症状が出るのかをメモしておくと、よりスムーズな診断につながります。
薬を飲ませた後に鳴き声が変わったのですが、副作用ですか?
薬剤投与後の鳴き声の変化は、副作用の可能性も、治療による反応の可能性もあります。自己判断で投薬を中止せず、まずは処方された獣医師に速やかに連絡し、指示を仰いでください。
⚠️ 副作用が疑われる症状:
投与後、数時間以内に急激な変化(ぐったりする、逆に興奮するなど)が見られたり、嘔吐や下痢を併発したりした場合は、副作用の可能性があります。
🔬 治療による正常な反応:
一方で、治療が効いてきて炎症が和らいだ結果、鳴き声が改善することもあります。飼い主による投薬前後の詳細な観察と報告が、的確な治療には不可欠です。
複数飼いで他の鳥の鳴き声に影響されることはありますか?
複数飼育の環境では、他の鳥の鳴き声や健康状態がお互いに影響しあうことがあります。これは群れで暮らす鳥の習性として自然なことです。
✅ ポジティブな影響:
元気な鳥の鳴き声につられて他の鳥も活発になったり、互いに鳴き方を真似したり(模倣学習)することがあります。
⚠️ 注意すべき影響:
一羽が病気で静かになると、他の鳥もつられて静かになることがあります。逆に、病鳥を心配して呼び鳴きが増えることもあります。また、言うまでもなく感染症の場合は他の鳥に伝播するリスク管理が重要です。個体ごとの細かな観察を心がけましょう。
セキセイインコの鳴き声がおかしい時のまとめ
- 呼吸の異常(開口呼吸、尾羽の上下運動、異音)は生命に関わる緊急サイン、すぐに病院へ。
- 声のかすれや弱々しい鳴き声は、元気に見えても病気の初期症状の可能性がある。
- 考えられる主な病気は「鳴管炎」「甲状腺腫」「呼吸器感染症」。
- 発情期や環境の変化による正常な鳴き声との区別が重要。
- 日頃の健康観察(体重測定など)と記録が、愛鳥の命を救う早期発見につながる。
- 鳴き声の録音・動画は、獣医師への非常に有効な情報提供となる。
- セキセイインコは病気を隠す習性があるため、軽微な変化も見逃さないことが大切。
- 「迷ったら病院へ行く」という姿勢が、愛鳥の命を守る最善策。
セキセイインコの鳴き声がおかしいと感じた時の判断は、愛鳥の生命に直結する飼い主の重要な決断です。
最後に、飼い主さんへ大切なメッセージ
愛鳥は言葉で「痛い」や「苦しい」を訴えることができません。その代わり、鳴き声という「声」を通じて、私たちに体調の変化を伝えようとしています。
- 最も大切なのは、日頃から愛鳥の「いつもの元気な声」を正確に把握し、わずかな声質の変化にも敏感に反応できる観察力を養うことです。
- そして、異常を感じた時は「様子見」ではなく、迷わず専門医に相談する勇気を持つことが、愛鳥の健康と命を守る最良の方法となります。
- あなたの深い愛情とこのページの適切な知識が、愛鳥との幸せな時間をより長く、より豊かなものにしてくれることを願っています。
あなたの愛鳥の小さな「声」に込められた大きなメッセージを、私たちが正しく受け取り、適切に応えることができれば、飼い主と鳥の絆はさらに深まるはずです。
参考文献・出典
📝 記事監修者情報
飼い鳥歴30年以上、現在30羽以上の鳥と暮らし、ブリーディング経験もある愛鳥家が監修する、セキセイインコとオカメインコを中心とした小型〜中型インコ専門サイトです。
実体験に基づくインコ飼育のコツや豆知識、愛鳥家の体験談をお届けしています。