オカメインコ多頭飼いケージ選びへの完全ナビゲーション
オカメインコの多頭飼いケージで最も多い悩みは「今のケージで2羽飼えるのか」という判断です。この記事では、30秒でできる診断フローチャート、具体的なサイズ計算方法、失敗しないケージ選びの絶対条件まで、ブリーダー経験から完全ガイドします。
オカメインコの多頭飼いケージ選びは、愛鳥の幸せを左右する重要な決断です。2羽目をお迎えしたいと思ったとき、誰もが最初に悩むのが「今のケージで大丈夫なのか」という問題ではないでしょうか。
実は、ケージサイズが不適切だと、鳥たちにストレスがかかるだけでなく、喧嘩や怪我、さらには病気のリスクまで高まってしまいます。逆に、適切なケージを選べば、2羽が仲良く過ごし、飼い主も安心して見守れる環境を作ることができます。
この記事では、今のケージが多頭飼いに使えるかを30秒で判断できる診断フローチャート、2羽飼いに必要なケージサイズの計算方法、さらに失敗しないケージ選びの絶対条件まで、飼い鳥歴30年以上のオカメインコブリーダーが実体験を基に徹底解説します。
オカメインコの多頭飼いケージ、今のままで大丈夫?30秒買い替え診断

2羽目のお迎えを考えた時、誰もが最初に悩むのがケージの問題です。まずは、今お使いのケージが多頭飼いに対応できるか、簡単な質問に答えてチェックしてみましょう。
【30秒診断フローチャート】3つの質問に答えるだけ!今のケージは多頭飼いに使える?
(35手乗りなど)
スペース不足で
2羽飼育は危険
(465オカメなど)
推奨
利用可能
(大型ケージ)
利用可能
利用可能
オスメスペアの場合は上記判定に加えて
繁殖対策も考慮が必要です
メス同士
オスメスペア
不明
診断結果:「そのまま使う」場合の注意点と限界

「そのまま使える」と診断されても、油断は禁物です。1羽で使うのと2羽で使うのでは、環境が大きく異なります。おもちゃの数を減らし運動スペースを確保し、餌入れや水入れは必ず2つ以上、離れた場所に設置してください。一方が餌場を独占してしまうことを防ぐためです。
しかし、これはあくまで一時的な対応かもしれません。2羽がのびのびと暮らし、ストレスを最小限にするためには、やはり初めから多頭飼育を想定したケージに買い替えることが最善の選択肢です。餌入れと水入れの適切な配置については、オカメインコのケージレイアウト完全ガイドで詳しく解説しています。
診断結果:「買い替え」になった方へ【この記事がすべての悩みを解決します】

「買い替え」と診断された方、ご安心ください。これは2羽にとって、より安全で快適な環境を用意する絶好のチャンスです。どのケージを選べば愛鳥が幸せになれるのか、後悔しないケージ選びの知識はこの記事にすべて詰め込みました。最後まで読めば、あなたの悩みはきっと解決します。
オカメインコ多頭飼いケージ【2羽に必要なサイズ】の計算方法

ホーエイ465オカメステンレス
オカメインコの多頭飼いに必要なケージサイズは、単純に「1羽用ケージ×2」ではありません。2羽が同時に飛び回り、止まり木を移動し、ストレスなく過ごせるスペースを確保する必要があります。ここでは、具体的な数値を使って、あなたのケージが適切かどうかを判断する方法を解説します。
オカメインコ1羽あたりに必要な最低スペース
オカメインコの成鳥は、体長約30~33cm、翼を広げると45cm程度になります。鳥類の飼育基準として国際的に推奨されているのは、「翼を広げた状態の1.5倍以上の幅」と「体長の2倍以上の高さ」です。
これを計算すると、1羽あたりに必要な最低スペースは次のようになります。
- 横幅:45cm × 1.5 = 67.5cm(最低60cm推奨)
- 高さ:33cm × 2 = 66cm(最低55cm推奨)
- 奥行き:35cm以上(止まり木の設置に必要)
ただし、これは「最低限」の数値です。オカメインコは活発に動き回る鳥なので、できる限り広いスペースを確保してあげることが理想です。
2羽飼いの場合、どのくらいのサイズが必要?
2羽を同じケージで飼う場合、単純に「1羽用スペース×2」ではなく、「1羽用スペース×2.5~3」が必要です。なぜなら、2羽が同時に飛び回ったり、喧嘩を避けて距離を取ったりするための余裕が必要だからです。
具体的には、次のサイズが推奨されます。
ケージサイズの選び方については、オカメインコのケージの大きさ完全ガイドでさらに詳しく解説しています。
【実例で見る】HOEI 465オカメは2羽飼いに使える?
オカメインコ飼育で最も人気のあるHOEI 465オカメは、サイズが46.5×46.5×58cmです。1羽での飼育には理想的なサイズですが、2羽飼いとなると話は別です。
計算してみよう
HOEI 465オカメ(46.5×46.5×58cm)で2羽飼いをする場合の計算
- 1羽あたりの横幅スペース:46.5cm ÷ 2 = 23.25cm(翼を広げられない)
- 結論:2羽飼いには狭すぎる
HOEI 465オカメで2羽飼いをする場合、おもちゃを極力減らし、餌入れと水入れを最小限にし、放鳥時間を長く取る必要があります。しかし、それでも窮屈であることに変わりはありません。2羽飼いを検討しているなら、最初から幅60cm以上のケージを選ぶことを強くおすすめします。
縦網と横網、どちらが多頭飼いに向いている?
ケージの網の向きは、多頭飼いにおいて意外と重要なポイントです。オカメインコは横方向に移動することが多いため、横網のケージの方が圧倒的に向いています。
横網のメリット
- 鳥が横方向に移動しやすい
- 止まり木の設置位置が自由
- 2羽が同時に移動しても邪魔にならない
縦網のデメリット
- 鳥が縦方向にしか移動できない
- 止まり木の設置が限られる
- 2羽が喧嘩した時に逃げ場が少ない
多頭飼いを検討している場合は、必ず横網のケージを選ぶようにしましょう。
ケージ選びで絶対に避けるべき3つの失敗パターン

ケージ選びの失敗は、金銭的な損失だけでなく、愛鳥を危険にさらすことに直結します。実際にあったリアルな失敗事例から、絶対に避けるべきケージの特徴を学びましょう。
失敗談1位:狭すぎるケージで翼を骨折【治療費8万円+後遺症】
最も多い失敗が、狭すぎるケージでの飼育です。ある飼い主さんは、35手乗りケージ(35×35×43cm)で2羽を飼育していました。2羽が同時にパニックを起こした際、逃げ場がなく、1羽が壁に激突して翼を骨折してしまったのです。
このケースの問題点
- ケージサイズが1羽用で、2羽飼育には完全に不適切
- パニック時の逃げ場がない
- おもちゃや止まり木が多すぎて運動スペースがない
かかった費用:治療費約8万円+ケージ買い替え費用2万円 = 合計10万円
失敗談2位:相性が悪いペアを同居させて毛引き症発症【完治困難】
2羽目をお迎えしてすぐに同じケージに入れてしまい、相性が合わずに一方が毛引き症を発症してしまったケースです。特にオス同士やメス同士の組み合わせは、縄張り意識が強く出やすく、喧嘩になりやすい傾向があります。
このケースの問題点
- 検疫期間(クアランティン)なしで即同居させた
- 相性を確認せずに同じケージに入れた
- ストレスサインを見逃していた
結果:毛引き症は完治が難しく、一生付き合う可能性が高い
失敗談3位:安価なメッキケージで金属中毒【生死の境を彷徨う】
価格を優先して粗悪なメッキケージを購入し、金属中毒を引き起こしてしまったケースです。オカメインコは好奇心が強く、ケージの網をかじる習性があります。メッキが剥がれた部分から亜鉛や鉛を摂取してしまい、命に関わる事態になりました。
このケースの問題点
- 価格だけで選び、材質を確認しなかった
- メッキの剥がれに気づかなかった
- ステンレス製の安全性を知らなかった
かかった費用:入院費約15万円+ステンレスケージへの買い替え3万円 = 合計18万円
安全性を最優先したケージ選びについては、オカメインコケージのステンレス製完全ガイドで詳しく解説しています。
ウチのミカヅキインコも、
金属中毒で両脚麻痺になりました。
温熱療法などで脚の回復も
視野に入れましたが難しいと診断され
断念しました。やはり腹這い生活なので初めは
褥瘡などもお腹に出来てましたので心配も。。クチバシを上手に使って移動したり出来るようになってからはこんな感じです pic.twitter.com/tUM5dC9ydK
— life915@みなっち🌙ミカヅキ (@life9155) December 21, 2021
オカメインコ2羽飼いに本当におすすめできるケージ3選【徹底比較】

2羽飼いに適したケージを選ぶ際、価格、サイズ、安全性のバランスが重要です。ここでは、実際に多くの飼い主さんから支持されている3つのケージを、それぞれの特徴とともにご紹介します。
【比較表】2羽飼いケージ3選の特徴を一覧で確認
予算3.5万円~5万円|安全性最優先なら『HOEI 465オカメ ステンレス』

2羽飼いでは噛む機会が増えるため、金属中毒リスクゼロのステンレス製が特におすすめです。10年以上使える耐久性で、長期的にはコスパも良好。ステンレスケージの詳細はオカメ465ステンレスガイドで解説しています。
予算1.5万円~2万円|コスパと実績の定番『HOEI 465オカメ(銀メッキ)』

長年にわたり多くの飼い主に愛用されてきた、オカメインコ用ケージの定番モデルです。詳しくはHOEI465オカメガイドで解説しています。
予算1.5万円~|2羽飼育と掃除しやすさなら『SANKO イージーホーム バード60』

寸法が62×50.5×54cmと、横幅が広いのが特徴です。2羽がゆったりと水平方向に移動できるスペースを確保できます。
さらに詳しいケージ比較については、オカメインコケージおすすめ8選で解説しています。
購入後にやるべきこと|2羽の幸せな同居生活をスタートさせる手順

新しいケージが届けば完了ではありません。2羽がスムーズに同居を始め、幸せな生活を送るための最終ステップです。
レイアウトの鉄則:おもちゃは最低限、餌場と水場は複数・分散
ケージ内におもちゃを詰め込みすぎると、パニック時の逃げ場がなくなり、怪我の原因になります。レイアウトはできるだけシンプルにし、運動スペースを広く確保しましょう。そして、餌入れと水入れは鳥の数より多く(2羽なら各3つが理想)用意し、ケージ内の異なる高さや場所に分散して配置します。これにより、一方が餌場を独占するのを防ぎます。
新入りさんとの対面方法と、同居開始のタイミング

新しい鳥をお迎えしたら、まずは検疫(クアランティン)が必須です。最低でも1ヶ月間は別の部屋のケージで過ごさせ、可能であれば45日間の検疫が理想です。感染症がないか確認します。検疫が終わった後も、いきなり同じケージに入れるのは厳禁です。最初はケージ越しにお互いを見せ、次に同じ部屋で放鳥して距離を縮めさせるなど、慎重に段階を踏んで慣れさせていきましょう。
初心者向け・実践のヒント
検疫(クアランティン)とは?
新しい鳥が病気を持っていないか確認するため、先住鳥と完全に隔離して一定期間様子を見ることです。これを怠ると、先住鳥に病気がうつってしまう最悪の事態も考えられます。
【焦らないで!対面のステップ】
- ステップ1(検疫期間):別の部屋で飼育。お互いの姿も見せず、声も聞こえないようにするのが理想。
- ステップ2(検疫後):同じ部屋にそれぞれのケージを置き、まずはお互いの姿を見せることに慣れさせる(数日間)。
- ステップ3:先住鳥を先に放鳥し、その後に新しい鳥を放鳥する。喧嘩しないか、飼い主が必ず監督する。
- ステップ4:放鳥時に問題がなければ、新しいケージに2羽を同時に入れてみる。ここでも必ず様子を観察しましょう。
多頭飼いの掃除頻度について

2羽飼いは糞の量が倍増するため、掃除頻度を増やす必要があります。効率的な掃除方法はケージ掃除の時短術で詳しく解説しています。
オカメインコ2羽飼いケージのよくある質問|サイズ・配置・組み合わせ

オカメインコの多頭飼いケージについて、飼い主さんから寄せられる代表的な質問にお答えします。
【総括】オカメインコ多頭飼いケージで幸せな共生を実現する

オカメインコの多頭飼いケージ選びは、愛鳥の幸せと健康を左右する重要な決断です。30秒診断で今のケージが使えるかを確認し、必要に応じて買い替えを検討しましょう。2羽飼いには最低でも横幅60cm以上、理想は62cm以上のケージが推奨されます。HOEI 465オカメで2羽飼いをする場合は、放鳥時間を十分に確保し、ストレスサインを見逃さないことが重要です。
ケージを購入したら、レイアウトにも気を配りましょう。おもちゃは最小限にして運動スペースを確保し、餌入れと水入れは3個以上用意して分散配置します。新入りさんとの対面は、必ず検疫期間を設けて段階的に進めてください。相性が悪い場合や、ストレスサインが見られる場合は、無理に同居させず、別々のケージに分けることも愛鳥のためには必要な選択です。
最も大切なのは、2羽の個性と相性を尊重し、それぞれが快適に過ごせる環境を整えることです。適切なケージと丁寧なケアで、オカメインコたちの幸せな多頭飼いライフを実現しましょう。
参考文献・出典
📝 記事監修者情報
名前: 山木
経歴: フィンチ・インコ・オウム・家禽の飼育経験を持つ、飼い鳥歴30年以上の愛鳥家。オカメインコブリーダー。愛玩動物飼養管理士。現在はセキセイインコとオカメインコを中心とした小型〜中型インコ専門サイト「ハッピーインコライフ」を運営。科学的根拠と愛情に基づいた実体験を発信し、一羽でも多くのインコとその飼い主が幸せな毎日を送れるようサポートします。











