鳥類の半球睡眠に関して
半球睡眠とは鳥類独特の睡眠パターンで、脳の一方の半球を休息させつつ、他方で周辺環境への警戒を維持する機能です。この仕組みにより、インコは完全に無防備な状態に陥ることなく、必要な休息を確保できるのです。
半球睡眠とは鳥類独特の睡眠パターンで、脳の一方の半球を休息させつつ、他方で周辺環境への警戒を維持する機能です。この仕組みにより、インコは完全に無防備な状態に陥ることなく、必要な休息を確保できるのです。
PLOS Biologyに掲載された研究（2020年11月17日発表）では、セキセイインコが哺乳類に近い複雑な睡眠パターンを示すことが明らかになりました。夜間の安全が確保された環境においては、両目を閉じた深い眠りに就き、レム睡眠と徐波睡眠を交互に繰り返すことが分かっています。
「半球睡眠をする鳥類は睡眠不足にならないのでは」と考える方もいらっしゃいますが、半球睡眠は「睡眠不足を完全に解決する手段」ではなく、「生存に不可欠な最小限の睡眠を確保するための進化的適応」と解釈されています。また、哺乳類に似た睡眠構造を持つということは、睡眠時間の長さよりも夜間の質の高い睡眠が重要なのかもしれません（これは私の個人的な見解ですが）
飼育下では、この半球睡眠の性質を理解した上で、インコが安心して深い眠りに入れる条件を整えることが肝要と言えるでしょう。本記事は、そうした前提に基づいて作成されています。
当然ながら世界には様々な学説や研究文献が存在するため、これが唯一の正解というわけではありません。今後新しい研究論文が発表されることがあれば、内容は随時更新します。
