コザクラインコ飼育は難しいと感じている飼い主さんは少なくありません。特に手乗り崩れや噛み癖などの問題行動に直面すると、「もしかして私には向いていないのかも」と不安になることがあります。
このような悩みを抱えている方に朗報です。実は、コザクラインコの多くの問題は、適切な対処法を知ることで改善可能なのです。実際に手乗り崩れから完全回復した飼い主の実体験から、その具体的な方法を学ぶことができます。
コザクラインコが突然噛むようになったり、手に乗らなくなったりする理由には、飼い主の知識不足や環境要因など、明確な原因があります。この記事では、そんな問題の原因と解決策について、実際の体験談を交えながら詳しく解説していきます。
手乗り崩れになった実体験と3か月で改善した具体的方法
コザクラインコ飼育が難しい理由と初心者が陥りやすい問題
年齢別の手乗り崩れ対策と効果的な改善ステップ
一人暮らしでも実践可能な飼育のコツと工夫方法
特に重要なのは、問題行動の背景にある鳥の心理を理解することです。コザクラインコは高い知能と豊かな感情を持つ鳥であり、適切な対応で信頼関係を築き直すことができます。
この記事を読めば、コザクラインコの飼育に対する不安が解消され、愛鳥との関係改善に向けた具体的な行動を起こせるようになるでしょう。


コザクラインコの噛み癖と手乗り崩れを直した私の方法【体験談】
コザクラインコの飼い主の寄稿
これは一人暮らしの私が なんの知識もなく「コロナ渦で寂しかっただけ」の理由で ペットショップで見かけたコザクラインコを飼い始めることになった時のエピソードです。
コザクラインコの呼び鳴きはストレスの始まり?
私のコザクラインコはメス、名前はぐーちゃん。ぐーちゃんは肩に乗ったり、手から餌を食べたり、名前を呼んだら飛んできたりと、とても懐いてくれていました。
しかし私はコザクラインコの性格や飼育の仕方を十分に理解していませんでした。さらに一人暮らしで仕事も忙しかったため毎日夜遅くにしか帰ってくることができず、あまりぐーちゃんをかまってあげられない日々が多くありました。
いつもひとりぼっちで家で留守番しているぐーちゃんは寂しかったのか、次第に問題行動を起こすようになりました。
私が帰宅するとわざとバンバン!と餌箱をたたいて鳴らしたり、呼び鳴きもどんどんひどくなっていきました。それにも関わらず、帰宅した私は家事などが忙しく、あまり放鳥もしてあげていませんでした。
放鳥しても、そもそもインコとどうやって遊んであげたらいいのかわからないので、とりあえずケージから出してあげるだけ。一人遊びをさせていたというか、私はコザクラインコをほとんど放置していたのです。そんな生活が長く続いたので、コザクラインコは寂しくてかなりストレスを抱えたのかもしれません。
飼い始めてから半年くらいが経過した頃から、ぐーちゃんは突然私を敵認識して、餌も与えることができないくらい噛みついてくるようになりました。
雛の時にはあんなにべったり懐いていたのに、これほど噛み癖がひどくなってしまってはケージに手を入れることも、放鳥することもままならなくなっていました。
最初は楽観的に考えてほったらかしにしていましたが、数日どころかひと月・ふた月経ってもグーちゃんは元のべた慣れインコに戻ってはくれませんでした。
手乗りくずれを治すため一念発起!インコ育てと子育ては共通点が多いと気づいた
3か月経っても相変わらずイライラが止まらないコザクラインコに威嚇される日々が続き、
そう考えた私は、書店でインコの飼い方の本を買ってきて、コザクラインコの性格やインコに対してどのように接したらいいのかを勉強し始めました。
「コザクラインコは「ラブバード」と呼ばれるほど パートナーと認識した飼い主にとてもなつく」と書いてありましたが、昼間は飼い主が仕事で不在で一人で留守番、夜もなかなか構ってあげられなかった私のようなケースではこう書いてありました。
がっかりしつつ、何か対策はないものかと先を読み進めていくと「荒鳥になってしまった場合には無理やり手に乗せようとはせずに、インコのペースに合わせて根気強く対応しなくてはいけない。」
これを読んで「まだやれることがある!」と思って一念発起。コザクラインコを飼育している人のブログを片っ端から読んだり、YouTubeを見たりして、コザクラインコの飼い主さんのやり方のまねをしてみることにしました。
YouTubeでコザクラインコを飼っている人を見ていると「インコのことをペットとしてではなく自分の子供のように考え、優しく話しかけたり、嫌がることは絶対にしない」「毎日インコの目を見て「かわいいね」と声かけをする」などをしていたので、私も毎日ぐーちゃんに「かわいいね」と声かけをすることから始めました。
血が出るまで噛まれても、絶対に怒ったり騒いだりしないと決め、いつも冷静に「痛いから、こういうことをしてはダメだよ」と根気強く教え続けました。
コザクラインコのイライラが収まらないときには、部屋を暗くして手にインコを乗せて一緒に空を見ながら「なんでそんなにイライラしているの?」と話しかけてみたり、家事をするときにはぐーちゃんが寂しくないように肩に乗せたままやるようにしていました。
望ましくない行動を取った時は反応しないようにします。噛まれても痛がって声をあげたり、怯んだ様子ではなく嫌だという態度で噛まれたことに反応しないようにします。特にイタッと言って反応すると、その反応が見たくて噛むことがあります。噛むことに効果はないという再学習をさせて様子を見ましょう
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 3, 2021
仕事が休みの日にはできるだけ外に連れ出したり、ひなたぼっこをさせたり。手を見ると必要以上に追いかけてきて噛みついてきたので、手袋をしたりして、手を隠して接するようにしました。
コザクラインコの手乗りくずれが直るまで3か月かかった
そのような対応を続けた結果、3か月くらいでぐーちゃんは再び手乗りインコに戻り、手を見ても血が出るまで嚙みついたり攻撃することがなくなりました。
それまでの3か月間は毎日手が傷だらけで、手指のどこかに絆創膏を貼って仕事に行ったりしていましたが、今はその状態から完全に解放されています。
コザクラインコは人間の2歳児くらいの知能がある賢い鳥だということがわかってからは、事あるごとに「すごいね!」「かわいいね!」「偉いね」「それはだめだよ」などと、言葉で伝えるように心がけました。
突然攻撃をされたり噛み癖がついてしまうとインコに対して恐怖を感じたり、避けてあまり接しないようにしてしまいがちですが、それでは逆効果なのだと自分の体験からわかりました。
噛んだ時の人の反応の期待など様々な理由があります。どんな時に噛むのかをよく観察・分析をして理由を見つけ出しましょう。鳥を変えるのではなく、まずは自らの対応を変えるようにしましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 27, 2021
インコが何か問題を起こす時には必ず理由があります。それは意外と単純なものだったり、寂しかったり、単にかまってほしいだけの場合もあります。私のケースはまさしくそれでした。
私はできるだけそれに応えてあげたり、毎日声をかけたり、嚙まなかったら「いい子だね」と褒めるようにしただけです。それだけでも少しずつ噛み癖が改善していったところをみると、「人と鳥の間では言葉は通じなくても意思の疎通はきちんとできているのだ」…としみじみ感じました。
今年は2羽目のザクラインコをお迎えしています。新入りの子はどうやらオスだったようで、性格がおっとりのんびりしていて、呼び鳴きや噛み癖もなく、忙しい時に少し距離を置いても荒鳥になるような気配がしません。
呼んで飛んで来させたり輪投げなどをさせてできたら褒めてご褒美を与えます。人を噛むのは人との相互関係で学習した可能性があるものですが、生まれ持った個性も関与します。噛まない鳥はどんな対応をしても噛みません。そのため噛む事の行動変容はゴールがあるものではなく続けていくことが必要です。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) July 4, 2021
この2つの視点は鳥にもあるように見えます。主観的な個体は噛んでも相手が痛いことに気づきませんが、客観的な個体は噛んだら痛いことが判断できるので本当に嫌な時しか噛まないようにしているように見えます。この視点の違いが個性に影響しているのではないかと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) April 9, 2021
コザクラインコのメスは性格がきつい子が多いらしいですが、ぐーちゃんとのやりとりを通して「それもその子の性格や個性なんだ。」…と認識し、ありのままを受け入れられるようになりました。
コザクラインコ飼育が難しい理由と初心者が陥りやすい問題
コザクラインコ飼育の難しさは、その特有の性格と高い知能、そして深い愛情表現に起因します。初心者飼い主が抱える問題の多くは、事前の知識不足と環境整備の不十分さから発生することがわかっています。
コザクラインコの性格的特徴
コザクラインコは「ラブバード」と呼ばれるほど、パートナーへの愛情が深い鳥です。この特性が飼育の難しさの要因となります。
極めて社交的でパートナーへの依存度が高い
嫉妬深く独占欲が強い性格
知能が高く(人間の2歳児程度)感情表現が豊か
オスとメスで性格に大きな違いがある
性別 | 一般的な性格 | 飼育の注意点 |
---|---|---|
オス | おっとりのんびり | 比較的飼いやすい |
メス | 気が強く、嫉妬深い | しつけに根気が必要 |
個体差があり、例外も多い |
コザクラインコは他のインコ種と比べて感情が繊細で、環境の変化やストレスに敏感に反応します。特に飼い主との関係において、少しの変化でも大きく態度を変えることがあります。
初心者が陥りやすい飼育の問題
多くの初心者飼い主が直面する問題は、コザクラインコの心理的ニーズを理解していないことから発生します。
構ってほしいときの呼び鳴きへの対処不足
放鳥時間の不足と交流の質の低さ
噛み癖への不適切な対応(叱る、避ける)
環境の急激な変化(引っ越し、新しい家族)
換羽期や発情期の問題行動への理解不足
- STEP1雛から手乗りで飼い始める初めは懐いていてかわいい存在
- STEP2生後6か月~1歳頃問題行動が目立ち始める(呼び鳴き、噛み癖)
- STEP3飼い主の対応が不適切怒る、避ける、構わなくなる
- STEP4信頼関係の悪化手乗り崩れ、荒鳥化が進行
- STEP5問題の深刻化ケージに手を入れることも困難に
- STEP6改善の模索適切な対処法を学び実践することで回復可能
飼育環境の問題と改善点
コザクラインコの飼育では、物理的な環境だけでなく、心理的な環境も重要です。特に一人暮らしの飼い主や共働き家庭では、以下の点に注意が必要です。
長時間の留守番による孤独
放鳥時間の質の低さ(ただ出すだけ)
コミュニケーション不足
飼い主の感情の変化への敏感な反応
環境条件 | 問題点 | 改善策 |
---|---|---|
一人暮らし | 長時間の孤独 | 音楽やラジオをつける、録画動画の活用 |
共働き家庭 | 夜遅い帰宅 | 朝のコミュニケーション時間確保 |
子供がいる家庭 | 環境の変化 | 段階的な慣らしと安全な距離の確保 |
個々の状況に合わせた対応が必要 |
手乗り崩れになる原因と年齢別の対策方法
手乗り崩れは多くのコザクラインコ飼い主が経験する問題で、原因を理解し年齢に応じた適切な対策を取ることで改善可能です。早期発見と正しい対処法が重要となります。
手乗り崩れが起こる主な原因
手乗り崩れは様々な要因が複合的に作用して発生します。根本的な原因を理解することが、問題解決の第一歩となります。
飼い主との信頼関係の欠如
不適切な反応(叱る、避ける)による悪循環
環境のストレス(騒音、他のペット)
健康問題(換羽期、発情期、病気)
過去のトラウマ(怖い経験)
年齢 | 手乗り崩れの特徴 | 主な原因 |
---|---|---|
生後6か月~1歳 | 突然噛むようになる | 反抗期、縄張り意識の芽生え |
1歳~2歳 | 特定の人にのみ攻撃的 | パートナー意識、嫉妬 |
3歳以上 | 持続的な敵意 | 長期的な不信感、トラウマ |
個体差により症状は変化する |
年齢別の対策方法
年齢に応じた適切な対処法を選択することが、手乗り崩れの改善には不可欠です。無理な訓練は逆効果となるため、根気強い対応が必要です。
雛から1歳未満の場合
毎日の定期的な声かけと優しい言葉
好みのおやつを使った正の強化
無理強いせず、鳥のペースに合わせる
放鳥時は必ず一緒に過ごす
この時期は性格形成の重要な期間です。恐怖やストレスを与えないよう、常に優しく接することが大切です。
1歳~3歳の青年期
噛まれても絶対に怒らない
手袋を使用し、段階的に慣らす
問題行動の理由を推察し対処
環境の安定と規則正しい生活
この時期は自我が強くなり、飼い主への試し行動が増えます。一貫した愛情深い対応が信頼回復の鍵となります。
3歳以上の成鳥の場合
長期的な視点での関係修復
専門家への相談も検討
環境改善と生活リズムの見直し
他の鳥との関係も考慮
長期間の手乗り崩れの場合、改善には数か月から1年以上かかることもあります。あきらめずに続けることが重要です。
効果的な改善方法のポイント
成功事例から学ぶ具体的な改善方法をまとめました。これらを組み合わせることで、より効果的な結果が期待できます。
- STEP1現状把握と原因分析いつから、どんな状況で変化したかを記録
- STEP2環境の見直しケージの位置、騒音、温度などを確認
- STEP3毎日の声かけ開始距離を保ちながら優しく話しかける
- STEP4おやつを使った慣らし好物を使って少しずつ距離を縮める
- STEP5段階的な接触手袋から素手へ、指一本から手全体へ
- STEP6信頼関係の構築褒める、遊ぶなどポジティブな経験を積む
重要なのは、飼い主の忍耐と一貫した愛情です。途中で諦めたり、感情的になったりすると、逆効果となってしまいます。
よくある質問と回答
コザクラインコの飼育で最もよく寄せられる質問とその回答をまとめました。実際の飼い主の経験に基づく実用的なアドバイスを提供します。
コザクラインコの手乗り崩れは治りますか?
はい、適切な対処をすれば改善する可能性が高いです。ただし、期間は個体差があり、数週間で改善する場合もあれば、数か月から1年かかることもあります。重要なのは一貫した愛情深い対応と忍耐強く続けることです。無理に触ろうとせず、鳥のペースに合わせて段階的に信頼関係を築き直すことが成功の鍵となります。
噛み癖がひどくて手が傷だらけです。どうすればいいですか?
まず、噛まれても絶対に怒ったり大きな声を出したりしないことが重要です。厚手の手袋を使用して、段階的に慣らしていきましょう。噛む前に「ダメ」と優しく声をかけ、噛まなかったら「いい子」と褒めます。また、手ではなく棒やスプーンなどの道具を使って餌をあげたり、手のひらに止まり木を握って接触することから始めると効果的です。
一人暮らしでコザクラインコを飼うのは難しいですか?
一人暮らしでも工夫次第で飼育は可能ですが、長時間の留守番対策が必要です。朝食時や帰宅後の短時間でも必ず声をかけ、週末は長めの放鳥時間を確保しましょう。留守中はラジオや音楽を流して寂しさを軽減したり、ケージ内におもちゃを設置したりすることも効果的です。ただし、コザクラインコは非常に社交的な鳥なので、長期の出張や残業が多い方は飼育を慎重に検討すべきです。
オスとメスどちらが飼いやすいですか?
一般的にオスの方が性格が穏やかで飼いやすいとされています。オスはおっとりしており、呼び鳴きや噛み癖も比較的少ない傾向にあります。一方、メスは気が強く、発情期には特に攻撃的になることがあります。ただし、これらは一般的な傾向であり、個体差が大きいことを理解しておくことが重要です。性別よりも、その鳥の個性に合わせた対応をすることが大切です。
コザクラインコの問題行動はいつ頃から始まりますか?
多くの場合、生後6か月から1歳頃に問題行動が目立ち始めます。この時期は人間でいう反抗期にあたり、自我が芽生えて縄張り意識が強くなります。また、1歳を過ぎると性成熟に伴う発情期の問題行動も見られるようになります。重要なのは、この時期の対応が将来の性格形成に大きく影響することです。問題行動が見られたら、早めに適切な対処法を実践することが推奨されます。
コザクラインコの飼育は難しいが適切な対処で問題解決可能【総括】
コザクラインコ飼育が難しい主因は高い社交性と愛情深さ
手乗り崩れは初心者飼い主の7割が経験する一般的な問題
生後6か月~1歳頃に問題行動が顕著になる傾向
長時間の孤独と放鳥時間の質の低さが主要な原因
性別による性格の違いを理解した対応が重要
噛まれても絶対に怒らず根気強く教える姿勢が必要
毎日の声かけと「褒める」ことの重要性
問題行動には必ず理由があり単純な解決策が効果的
手乗り崩れの改善には3か月~1年の期間が必要
一人暮らしでも工夫次第で良好な関係構築が可能
環境の安定と規則正しい生活が信頼関係の基盤
コザクラインコの知能を理解したコミュニケーションが効果的
個体差の理解と個性の受け入れが飼育成功の鍵
適切な対処法の実践により手乗り崩れは改善可能
愛情と忍耐が飼い主に求められる最重要資質
コザクラインコの飼育は確かに難しい一面がありますが、適切な知識と対処法があれば、多くの問題は解決できます。特に手乗り崩れや噛み癖は、飼い主の根気強い愛情深い対応により改善可能です。
重要なのは、問題行動の背景にある鳥の心理を理解し、無理強いせずに信頼関係を築き直すことです。一人暮らしや忙しい生活の中でも、毎日の少しの努力の積み重ねが、愛鳥との素晴らしい関係を築く基盤となります。