【免責事項】
本記事は、飼育経験や一般的な情報に基づき作成されています。インコの体調不良や病気が疑われる場合は、本記事の情報のみに頼らず、必ずかかりつけの動物病院(獣医師)にご相談ください。
オーツ麦(燕麦)とは?インコに嬉しい3つの栄養メリット

オーツ麦は、和名で「燕麦(えんばく)」、野生種では「カラス麦」とも呼ばれるイネ科の穀物です。インコ用の餌として販売されているものは、人間用のオートミール(加工品)とは異なり、種子そのものです。
「高カロリーで太りやすい」というイメージを持たれがちですが、実はインコの健康を支える素晴らしい栄養素が詰まっています。
- 高タンパク&パントテン酸: 羽毛の材料となるタンパク質が豊富。さらに羽毛の発育を助けるパントテン酸も含み、換羽期の強い味方です。
- 消化吸収が良い: 胃腸に優しく消化されやすいため、病中病後や老鳥の栄養補給に適しています。獣医師が推奨することも。
- 抜群の嗜好性: 多くのインコが目の色を変えて喜ぶほど大好き。食欲がない時の「きっかけ作り」に役立ちます。
他のシードとの栄養比較
主食となるアワやヒエ、高カロリーなカナリーシードと栄養価を比較してみましょう。オーツ麦は「エネルギー源」としても「タンパク質源」としても優秀であることがわかります。
こうして見ると、オーツ麦はカナリーシードと同様に「高栄養・高カロリー」な部類に入ります。主食のベース(アワ・ヒエ)にするのではなく、あくまで「おかず」や「サプリメント」として活用するのが正解です。
【種類】殻付き・殻むきどっちがいい?選び方の基準

オーツ麦には「殻付き」と「殻むき(ムキオーツ)」の2種類があります。どちらを選べばいいのか迷う飼い主さんも多いですが、インコの年齢や体調に合わせて使い分けるのがベストです。
タイプ別の特徴とメリット・デメリット
💡 選び方のポイント
- 元気な成鳥なら「殻付き」: 殻をパリッと割る感触はインコにとって最高のストレス解消になります。
- 消化優先なら「殻むき」: 病中病後や、まだ硬いシードに慣れていない雛には、負担の少ない殻むきを選びましょう。
- 保存に注意: 殻むきタイプは空気に触れる部分が多く、酸化しやすいです。密閉容器に入れて冷蔵庫で保管し、早めに使い切りましょう。
コラム:余ったオーツ麦は「猫草」になる!
もし殻付きオーツ麦が余ってしまったら、土に撒いて育ててみませんか?実は、猫やウサギが食べる「猫草」の正体は、このオーツ麦(燕麦)の若葉なのです。
プランターに撒いて水をあげれば数日で発芽し、新鮮な無農薬サラダの出来上がり。愛鳥も喜んで食べてくれますよ(※殻むきタイプは発芽しないので注意)。
【適量】太らせないための「1日数粒」ルール

「オーツ麦=太る」というイメージがありますが、これは「美味しいから食べ過ぎてしまう」ことが原因です。適量を守れば、肥満を恐れる必要はありません。
種類別・1日の適量の目安
主食の邪魔をしない、おやつとしての適量は以下の通りです。
「たったこれだけ?」と思うかもしれませんが、体重40gのセキセイインコにとっての3粒は、人間にとってのおにぎり1個分くらいの満足感があります。餌入れに入れっぱなしにするのではなく、「放鳥時のご褒美」や「トレーニングの報酬」として手渡しで与えるのが、太らせない最大のコツです。
食べ過ぎのもう一つのリスク:発情
オーツ麦は栄養価が高いため、与えすぎると「食料が豊富=子育てに最適な時期だ!」と勘違いし、発情スイッチが入ってしまうことがあります。
特にメスの無駄な産卵や、オスの吐き戻し行動が見られる場合は、オーツ麦を控えて低カロリーな食事に見直す必要があります。
雛(ひな)にはいつから?デビューのタイミングと与え方
まだ体の小さな雛にとって、オーツ麦はいつから与えて良いのでしょうか?消化器官が未発達な雛には、成鳥とは違う配慮が必要です。
- 開始時期: 生後4〜6週齢頃、挿し餌から一人餌へ移行する時期が目安です。
- 選び方: 必ず「殻むきオーツ麦」を選んでください。雛のくちばしには殻付きは硬すぎます。
- 与え方の工夫: そのままだと硬くて食べない場合は、ぬるま湯で少しふやかしてあげると食べやすくなります(※ふやかした餌は傷みやすいので、すぐに片付けてください)。
最初は1〜2粒からスタートし、糞の状態(下痢をしていないか)や体重の変化を観察しながら、徐々に慣らしていきましょう。
換羽期・病中・病後の「サプリメント」としての活用術

オーツ麦が真価を発揮するのは、インコの体力が落ちている時です。普段はおやつ程度の扱いでも、この時期だけは「食べるサプリメント」として積極的に活用しましょう。
換羽期(とや)の栄養サポート
新しい羽を作るためには、大量のタンパク質とエネルギーが必要です。換羽期にイライラしたり、元気がなくなったりするインコには、いつものご飯にオーツ麦をプラスしてあげましょう。
- 量を少し増やす: 換羽期限定で、普段の倍量程度(セキセイなら5~6粒)まで増やしてもOKです。
- サプリとの併用: オーツ麦だけでは不足するビタミン類を補うため、主食がシードのインコには「ネクトンBIO」などの換羽期用サプリメントと併用すると最強のサポートになります。
病中・病後・食欲不振時の命綱
病気で食欲がない時、消化の良いオーツ麦(特に殻むき)は貴重なエネルギー源になります。
「ペレットもシードも食べないけど、オーツ麦なら食べた!」という経験を持つ飼い主さんは多いはずです。獣医師も、体重が落ちて危険な状態の時には「まずは食べてくれるものを」としてオーツ麦を推奨することがあります。
この場合は「太る」などの心配は後回しです。食べて体力を回復させることを最優先にしてください。ふやかして与えるのも効果的です。
注意:消化不良のサインを見逃さないで
オーツ麦は消化が良いですが、万能ではありません。もしインコが「頻繁なあくび」「嘔吐」「下痢」「黒い便」などの症状を見せている場合は、オーツ麦で様子を見るのではなく、すぐに動物病院を受診してください。そのう炎などの病気が隠れている可能性があります。
💊 もっと強力な栄養補給が必要なら…
「オーツ麦でも体重が戻らない」「もっと栄養価の高いものが必要」という場合は、鳥用療法食(高栄養シード)の活用も検討してみてください。動物病院でも扱われている信頼できる製品です。
よくある失敗「オーツ麦しか食べない」偏食対策

「オーツ麦が美味しすぎて、他のシードやペレットを食べてくれなくなった…」これはインコ飼い主あるあるです。オーツ麦は嗜好性が高いため、一度味を覚えると偏食になることがあります。
偏食を直すための3ステップ
オーツ麦だけでは栄養バランスが崩れてしまいます。心を鬼にして、バランスの良い食事へ戻していきましょう。
- STEP1 混ぜずに別にする: 餌入れに混ぜるとオーツ麦だけ器用に選んで食べます。オーツ麦は餌入れに入れず、「おやつ」として別枠にします。
- STEP2 「主食の後」のルールを作る: 「ペレット(または主食シード)を少し食べたら、ご褒美にオーツ麦をあげる」というルールを徹底します。空腹時にいきなりオーツ麦を与えないこと。
- STEP3 段階的に減らす: 完全に絶つとストレスになるので、1日10粒→8粒→5粒と、数週間かけて徐々に適量まで減らしていきます。
逆に「オーツ麦を全く食べない」という場合は、無理に与える必要はありません。ですが、換羽期のサポートとして食べてほしい場合は、飼い主さんが美味しそうに食べるフリを見せたり、他の好物(粟穂など)と一緒に置いて興味を引く方法を試してみてください。
よくある質問|インコとオーツ麦

最後に、オーツ麦に関するよくある疑問にお答えします。
まとめ:オーツ麦は「量」さえ守れば最強のサポート食

オーツ麦は、高カロリーで太りやすいというイメージがありますが、それは「与えすぎ」が原因です。適切な量を守れば、消化が良く、羽毛の健康を守るパントテン酸やタンパク質を豊富に含んだ、インコにとって最高のサポート食材になります。
普段は1日2~3粒をご褒美としてコミュニケーションに使い、換羽期や体調不良の時には量を増やして栄養補給として活用する。このようにメリハリをつけて与えるのが、オーツ麦を使いこなすコツです。
「殻付き」でくちばしの運動をさせるか、「殻むき」で消化を助けるか、愛鳥の年齢や体調に合わせて選んであげてください。美味しくて体に良いオーツ麦を上手に取り入れて、愛鳥の健康寿命を延ばしていきましょう。

