サザナミインコのフンについて心配されている飼い主さんも多いのではないでしょうか。特に、普段と違う形状のフンが出た時は「病気なのかも?」と不安になってしまいますよね。
サザナミインコのフンには個体特有の形状で出てくるものがあり、必ずしも異常を示すものではないようです。12歳のサザナミインコが見せたモンブラン状の溜めフンも、最終的には「サザナミあるある」の特徴のひとつだったことがわかりました。

画像はイメージです
この記事では、実際の飼い主さんの体験談を通じて、サザナミインコのフンの特徴と健康管理のポイントについて詳しく解説していきます。
サザナミインコの特異なフン形状の実例と原因
老齢鳥の健康管理で注意すべきポイント
フンから分かる病気のサインと対処法
日常的なフンチェックの効果的な方法
獣医師の診断を受ける際の準備と心構え
インコの健康管理において、フンの観察は最も重要な指標のひとつです。愛鳥の健康を守るために必要な知識を、ぜひこの記事で身につけてください。
サザナミインコのフン(モンブラン状溜めフン)はあるあるだった【体験談】
12歳のサザナミインコが見せた特異な溜めフンの形状とその原因解明までの2年間の体験談を詳しく紹介します。
サザナミインコの老化は白髪に現れる
サザナミインコの飼い主の寄稿
これはぴよちゃんが12歳の時に出現した溜めフンにびっくり仰天したエピソードです。異様な形状に度肝を抜かれた私は、小鳥の病院で検査してもらった結果、先生からはこう言われました。
12歳のぴよちゃんは、容姿にもだいぶ老化が目につくようになっていました。カーペットの上を走るときに、何もなくてもつまずくことが多くなり、くちばしの上の羽はまだらにグリーンから黄色に変色(白髪化?)していたのです。
サザナミインコのりぶちゃん、10歳8ヶ月齢です。このような品種かのような羽ですが、頭部の黄色い羽は、いわゆる白髪です。サザナミインコは、老齢性の白髪が出やすい傾向があります。人と同じく頭から白髪になるのが興味深いですね。 pic.twitter.com/PmB4PA1cjA
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 29, 2020
レオちゃん、12歳8ヶ月齢です。 pic.twitter.com/vONgxB17lo
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 30, 2020
サザナミインコで顕著ですね。ブンチョウも良く見られます。他の鳥でもなりますが、ここまで広範囲にはならないです。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) August 30, 2020
モンブランケーキみたいな溜めフン出現
そんなある日の朝のこと。ぴよちゃんが床の上にした溜めフンを片付けようとティッシュを持った手を近づけた私が、何気なく溜めフンを見た瞬間、思わず二度見して叫んでしまいました。
フンの形も大きさも色も健康そのものでしたが、異常だったのはフンの形状です。モンブランケーキの上に乗っている細い紐状の部分のような、今までに見たことがない溜めフンだったのです。
その溜め糞に絶句した私が真っ先に心配したのは「もしかして、寄生虫がいるのではないか!?」
すぐに白い浅い小皿にフンを入れ、少し水を注いでから慎重に楊枝の先でそれをほぐしてみました。すると驚いたことにフンはほぐしても紐状の形のままほぐれていく・・・しかも形状はアレですが、とても状態がいいフンなのです。
同じようなフンをしているサザナミインコがいないかとネットで情報を探したものの、そのときには何もわかりませんでした。数日経ってもぴよちゃんのモンブラン様の紐状のフンは続いたが、本人はいたって元気そのもの。
とはいえ、この異様な溜めフンの原因がわからないまま放置するのは心配で、思い切って小鳥の病院に連れて行くことにした。
寄生虫を疑って小鳥の病院へ
病院受診の当日、移動中の少ないフンではこの形状は再現されないと思い、その日の朝の溜めフンを小さい容器に入れて持参しました。その前日にはフンの写真も撮っておきました。
病院では持参した溜めフンと移動中の小さいフンを両方とも検査してもらいましたが、結果は異常なし。
こんな形状のフンをしたことがないから最初は寄生虫を疑ったことなど、これまでの経緯を先生に話しました。先生もぴよちゃんのフンを「特異な形状である」と認めながらも、このように話してくれました。
「う~ん」と先生と私は互いに顔を見合わせるばかり。
フンの検査と一緒に採血やレントゲン検査もしたものの、結果はすべて良好とのこと。結局このときには異様な溜めフンの原因は分からずじまいでしたが、フンの内容に問題がないことと、健診の結果もよかったので、しばらく様子を見ることにしました。
その後もぴよちゃんはずっと細い紐状のフンをしていたが、元気に過ごしていました。
「あのモンブラン溜めフンだ!」2年後にようやく答えが見つかった
それから2年後。14歳でぴよちゃんが亡くなってから、たまたま あるサザナミインコのブログを見ていた時、「サザナミあるある」と掲載されていたブログの写真に目が釘付けになりました。それは以前に私が探し求めていたモンブランみたいな大きな溜めフンだったのです。
その飼い主さんにとって糞のその形状は日常的なもののようで、驚いた様子もなく、淡々とフンの大きさについて言及されているだけでした。
私はしばし呆然として溜めフンの画像を見つめていました。もしその時にぴよちゃんが生きていたら、長年かかえていた謎が解けたうれしさから、そのブログ主にコメントしていたかもしれません。
私はインコの体重を毎日計らないズボラな飼い主でしたが、フンの量・色・形にはいつも注意を払っていました。それは、14年の生涯で数回見舞われたぴよちゃんの大ピンチのサインには、必ずフンの異常があったからです。
インコは体調不良を他者に隠しますが、糞だけは嘘をつけません。インコのフンは体調を確認できる健康のバロメーター。フンの異常にひと目で気が付くくらい、日ごろからしっかり観察することを、インコの飼い主さんにはおすすめしたいと思います。
溜めフンの習性を利用すればトイレのしつけができる!?
不思議ちゃんインコといわれるサザナミインコ。ぴよちゃんは、そのトイレスタイルもやっぱり変わっていました。
ぴよちゃんは1日に2~3回の溜めフンを、ほとんどの場合、放鳥時にケージの外でしていました。そのため、ぴよちゃんのケージのトレーに敷いた紙が汚れていないことがほとんどで(よくかじるのと衛生面から一日一回は変えていましたが)なんてお利口さんなの!…と思っていました。
しかも、ぴよちゃんが糞を「する場所」も「するタイミング」のパターンもほぼ決まっていました。
ケージから出てすぐ、ケージの前の床で後退りしながら排泄する
放鳥が終わる前に、ケージ底のトレーを掃除する時に必ず一緒についてきて、水道の細長い蛇口に止まって、お尻を下げながら排泄する
後者のケースを逃すとその後にそのままケージに戻ってしまうことになるので、トイレ(ぷー)の機会を失ってしまいます。そんな時は、飼い主の私は蛇口に何度もぴよちゃんを乗せ直しながら「ぴよちゃん、ぷー」「ぴよちゃん、ぷー」と連呼して、ぷーを促したものでした。

画像はイメージです
反対に、ぴよちゃんが絶対にぷーをしなかった場所が2か所あります。ひとつはバードテント。もうひとつは、放鳥時のほとんどの時間を過ごしていた、私の足の上にかけたベビー毛布と、腿の隙間です。
「寝床と大好きな場所ではぷーはしない!」という理由だったとしたらうれしいのですが、それはぴよちゃんのみぞ知ることでした。
【体験談はここまで】
インコの正常なフンの特徴と健康管理のポイント
サザナミインコのフンの正常な状態と異常なサインを見分けるための知識と、日々の健康チェック方法について解説します。
正常なサザナミインコのフンの特徴
濃緑色から茶色がかった色合い
適度な硬さと形状を保持
白い尿酸の部分が混在
強い異臭がしない
サザナミインコの場合、個体によってフンの形状に特徴が現れることがあります。体験談にあったような紐状のフンも、健康に問題がなければ個体の特性として理解できます。重要なのは、普段の状態を把握し、急激な変化に注意することです。
フンから分かる病気のサインと対処法
フンの変化は、サザナミインコの体調不良を示す重要な指標となります。以下のような症状が見られた場合は、速やかに獣医師に相談することをおすすめします。
色の急激な変化(血便・白いフン・黒いフン)
水っぽい下痢状態が続く
極端に硬くて小さいフン
強い異臭を放つ
排泄回数の急激な変化
特に血便や黒いフンは内出血やメガバクテリア症の可能性があり、緊急性が高いです。また、食欲不振と併せてフンの量が減少した場合も、早急な対応が必要です。
日常的なフンチェックのコツ
サザナミインコの健康管理において、毎日のフンチェックは欠かせません。効果的な観察方法を身につけることで、早期発見・早期治療につながります。
- STEP1朝一番の溜めフンを確認朝の大きな溜めフンの色・形・量をチェック
- STEP2一日の排泄回数をカウントいつもと比べて多すぎる・少なすぎるかを把握
- STEP3色や形状の変化を記録変わったことがあれば、写真を撮って変化を記録しておく
- STEP4異常を発見したら即座に対応獣医師への相談や受診を検討
フンの観察は、ケージ掃除のタイミングで行うのが効率的です。毎日同じ時間帯にチェックすることで、変化に気づきやすくなります。
インコのフンによくある質問と回答
サザナミインコのフンが紐状になるのは病気でしょうか?
紐状のフンは必ずしも病気のサインではありません。この体験談のケースのように、検査で異常が見つからない場合は個体の特性として考えられることが多いです。
ただし、急に形状が変わった場合や、食欲不振などの症状を併発している場合は獣医師に相談することをおすすめします。継続的な観察と、必要に応じた検査で安心を得ることが大切です。
老齢のサザナミインコで注意すべきフンの変化はありますか?
老齢のサザナミインコでは、消化機能の低下によりフンの硬さや色に変化が現れることがあります。特に注意すべきは、極端に硬いフンや水っぽいフン、血便、黒いフンなどです。
また、排泄回数の急激な減少も要注意サインです。定期的な健康診断と併せて、日々のフン観察を継続することで、健康状態の把握に努めましょう。
サザナミインコの溜めフンが出ない時はどうすれば良いですか?
溜めフンが出ない場合は、ストレスや環境の変化が原因の可能性があります。まずは静かで安心できる環境を整え、普段のルーティンを維持してあげましょう。
半日以上出ない場合や、元気がない・食欲不振などの症状がある場合は、速やかに獣医師に相談してください。腸閉塞など重篤な状態につながる可能性があります。
フンの検査はどのくらいの頻度で受けるべきでしょうか?
健康な成鳥の場合、年1回の定期健診時にフン検査を受けることを推奨します。ただし、フンに異常が見られた場合はすぐに検査を受けましょう。
老齢鳥や過去に病歴がある鳥の場合は、年2回程度の検査が安心です。日常的な観察と定期的な検査を組み合わせることで、健康管理の精度が向上します。
サザナミインコのフンから学ぶ健康管理の重要性【総括】
インコのフンは健康状態を示す重要なバロメーター
サザナミインコでは、紐状のフンも個体の特性として現れることがある
サザナミインコの老齢鳥では白髪化などの外見的変化が顕著な傾向
急激なフンの変化は病気のサインの可能性がある
血便・黒いフン・白いフンは緊急性の高い症状
水っぽい下痢や極端に硬いフンも要注意
日常的なフン観察により早期発見が可能
毎朝の溜めフンチェックが効果的
写真記録による変化の把握が有用
異常を発見したら速やかに獣医師に相談
定期的な健康診断とフン検査の組み合わせが理想
個体差を理解した上での観察が大切
インコは体調不良を隠すがフンは嘘をつかない
愛鳥との長い時間を共に過ごすために健康管理は不可欠
インコとの暮らしでは、日々の小さな変化に気づくことが何より大切です。フンの観察は決して難しいことではありません。毎日意識的に観察するだけで、いつもと違いに気が付けるようになります。
あなたの愛情深い観察が、きっと愛鳥の健康と長寿につながることでしょう。