【STEP1】0円で効果あり!インコ防音の基本は「配置」

防音グッズを買う前に、まずはケージの置き場所を見直しましょう。実は「どこに置くか」だけで、隣の部屋へ伝わる音の大きさは劇的に変わります。
隣室の壁から1m以上離すだけで「聴感上の音」は半減する
音は距離が離れるほど小さくなります(距離減衰)。もし今、ケージを隣の部屋との境界壁にぴったりつけて置いているなら、それは「隣の人にインコの声を聞かせている」のと同じです。
✅ 配置のゴールデンルール
- 隣の部屋側の壁から、最低でも50cm〜1m離す
- 可能であれば、窓からも離れた部屋の中央寄りに置く
- ケージの下に防振マットを敷き、床への振動(足音など)を防ぐ
一般的に、音が10dB下がると人間の耳には「半分の大きさ」に聞こえると言われています。壁から距離をとることで、隣室に届く音量を確実に下げることができます。
配置を変えても「呼び鳴き」が止まらない場合は?
インコの防音が難しい理由:90dBの騒音と高周波

なぜインコの声はこれほど響くのでしょうか? それは、インコの声が「地下鉄の車内レベル」の大きさであり、かつ「隙間から漏れやすい高い音」だからです。
呼び鳴きは最大「90dB」の騒音レベル
スマホの騒音計アプリで実際に計測してみるとわかりますが、コザクラインコやオカメインコの本気鳴きは、一瞬で90dBを超えることもあります。
「可愛いから大丈夫」と思っているのは飼い主だけかもしれません。隣人にとって90dBは、「部屋の中でずっとピアノを弾かれている」のと同じくらいのストレスになり得ます。
高音(高周波)は「隙間」から漏れる
特にコザクラインコやセキセイインコの声は「キンキン」とした高い音(高周波)です。高い音は「直進性」が強く、ほんの少しの隙間(窓サッシの隙間など)からビームのように外へ漏れ出します。
そのため、隙間だらけのカーテンや、薄い布を掛けるだけでは、この「高音ビーム」を防ぐことはできません。
種類別の鳴き声の意味と対策はこちら
【比較】防音カーテンvsアクリルケース!効果を数値で検証

では、具体的に何を使えばいいのでしょうか? 結論から言うと、本格的な防音を目指すならアクリルケース一択です。防音カーテンとアクリルケースの効果を数値で比較してみましょう。
- 防音カーテン:効果は約 -5〜10dB
音が「少しこもって聞こえる」程度。カーテンレールの上部に隙間があるため、そこから高音が漏れてしまうのが弱点。 - アクリルケース:効果は約 -20〜30dB
「劇的に静かになる」レベル。90dBの叫び声が、普通の会話レベル(60〜70dB)まで下がるイメージ。隙間なく密閉できるのが勝因。
「-10dB」と「-30dB」では、世界が全く違います。防音カーテンはあくまで「補助」と考え、メインの防音対策は「密閉できるケース」で行うのが最短ルートです。
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【STEP2】アクリルケースで物理的に遮断する

インコの防音対策の結論。それは「厚みのあるアクリルケースでケージごと覆うこと」です。これ以上の対策はありません。
5mm厚のアクリル板が「防音の壁」になる
ホームセンターで売っている薄いプラスチック板では意味がありません。防音には「重さ」と「厚み」が必要です。鳥用に作られたアクリルケースは、通常5mmの厚みがあり(※2~8mm等、商品により異なる)これが音を跳ね返す強力な壁となります。
✅ アクリルケース導入のメリット
- 圧倒的な防音力:隣室への音漏れ不安が解消される
- 保温効果:冬場の電気代節約にもなる
- 脂粉・飛び散り防止:部屋の掃除が楽になる
夏の使用について
アクリルケースは保温性が高いため、夏場は内部の温度が上がりすぎることがあります。夏に使用する場合は、必ず24時間エアコン管理を行い、温度計をケース内部に設置して熱中症を防いでください。
アクリルケース単体でも効果はありますが、さらに吸音材(スポンジなど)を貼ることで、反響音を抑え、最大-30dB近い防音効果を目指すことができます。
自作はおすすめしない理由
「100均の材料で自作できないか?」と考える方も多いですが、おすすめしません。防音効果を第一に考えるなら、アクリルは5mm以上の厚さが必要ですから、思ったよりもコストがかかります。
また、隙間なく密閉するのは素人には難しく、結果的に「苦労して作ったのに音が漏れる」「見た目が悪い」となりがちです。さらに、木材やダンボールでの自作はヒーター使用時の火災リスクもあります。安全と効果を買うつもりで、既製品を選ぶのが賢明です。
自作で失敗したくない方はこちら
【STEP3】アパート・賃貸の最終兵器「窓対策」

「アクリルケースでもまだ不安…」「ペット可物件だけど隣が近い」という場合、次に塞ぐべきは「窓」です。壁よりも薄いガラス窓は、音の逃げ道そのものです。
音は窓の「サッシの隙間」から漏れる
窓を閉めていても、サッシのレール部分やクレセント錠(鍵)の合わせ目には必ず隙間があります。インコの高音はここから漏れます。賃貸でもできる対策として、以下の2つが有効です。
- 隙間テープ:サッシのレールや、窓が重なる部分の隙間に貼り、物理的に穴を埋める(100均でもあり)
- 窓用ワンタッチ防音ボード:窓枠にはめ込むだけで強力に防音。ピアリビング製品が特に効果的で、「賃貸の防音ならこれ」と言われるレベルのアイテムです。
賃貸での窓対策を極めたい方はこちら
よくある質問|インコの防音対策

夜中の「オカメパニック」や早朝鳴きにお困りの方へ
インコ防音の鉄則は「距離」と「密閉」【総括】

インコの防音対策は、精神論(しつけ)ではなく、物理的なアプローチが最短の解決策です。まずは「ケージを壁から離す」という0円の配置テクニックを実践してください。これだけでも隣室への音漏れリスクは軽減されます。
それでも解決しない場合や、アパートで深夜早朝の呼び鳴きに悩んでいる場合は、迷わずアクリルケースの導入を検討しましょう。-30dBの静寂は、あなたとインコの生活を劇的に穏やかにしてくれます。防音対策はマナーであり、愛鳥と長く幸せに暮らすための「お守り」です。早めの対策で、安心してインコライフを楽しんでください。

