ヒーター直結は危険!サーモスタットが必要な「命に関わる」理由

「ヒーターを買ったから安心」と思っていませんか?実は、ヒーター単体での使用は、インコを危険な目に合わせる可能性があります。サーモスタットは、設定した温度になったら自動でヒーターの電源をOFFにし、下がったらONにする「自動温度調節器」です。これがなければ、温度管理はできません。
「春先の釜茹で事故」はなぜ起こる?
最も恐ろしいのが、春先や秋口の暖かい日に起こる熱中症事故です。
ヒーターをコンセントに直接つないでいると、ヒーターは常に全力で温め続けます。朝方は寒くても、昼間に気温がグングン上がると、ケージの中は逃げ場のないサウナ状態になります。
ヒーター直結のリスク:
- 気温が上がっても加熱し続け、ケージ内が40度を超えることがある
- 就寝時、カバーをかけた状態で熱がこもり、酸欠や熱中症になる
- インコは暑さに弱く、逃げ場がないと短時間で命を落とす
サーモスタットがあれば、室温が上がった時点で自動的にヒーターを切ってくれます。サーモスタットは「快適にするため」の道具ではなく、「事故を防ぐための安全装置」なのです。
電気代の節約にもなる
安全面だけでなく、経済的なメリットもあります。サーモスタットがないとヒーターはずっと電気を消費し続けますが、サーモスタットがあれば必要な時だけ通電するため、無駄な電気代をカットできます。
ヒーターを買うなら、サーモスタットはセットで買うのが「義務」だと考えてください。
どっちがいい?「デジタル式」vs「ダイヤル式」の違いと比較

インコ用のサーモスタットには、大きく分けて「デジタル式」と「ダイヤル式」の2種類があります。結論から言うと、圧倒的に「デジタル式」がおすすめです。
ダイヤル式は安いですが、「目盛りを25度に合わせたのに、実際は22度にしかならない」といったズレが生じやすいです。そのため、必ず別売りの温度計を見ながら、つまみを微調整する技術が必要です。
一方、デジタル式は現在温度が数字で表示されるため、温度計代わりにもなります。「25度設定」にすれば、ピタリとそこで管理してくれるため、難しい調整が不要です。
失敗しないインコ用サーモスタットのおすすめ【厳選4選】

それでは、実際におすすめできるサーモスタットを紹介します。迷ったら「デジタル式」のマルカンCASAを選べば間違いありません。
推奨迷ったらこれ!設定が楽で見やすい「デジタル式」
現在の温度が表示され、ボタン一つで設定できるタイプです。夜でも数字が光って見えるので、カバーの隙間から温度確認ができて非常に便利です。
1. マルカン CASA デジタルサーモ300

最もバランスが良く、多くの愛鳥家に選ばれているモデルです。
- 現在温度と設定温度がひと目でわかる
- ボタン操作で設定が簡単(機械音痴でもOK)
- コードがかじり対策済みで安心
温度計を別途買う必要がない(これ自体が温度計になる)ことを考えると、コスパも非常に優秀です。
2. GEX タイマーサーモ RTT-1

予算が許すなら、さらに高機能なこちらもおすすめです。温度管理だけでなく、「照明のON/OFFタイマー」もついています。

- 日光浴ライト(紫外線ライト)も接続可能
- 「朝7時にライト点灯・ヒーター25度」「夜18時にライト消灯・ヒーター28度」のような自動管理が可能
- インコの生活リズムも一緒に管理したい方向け
安価予算を抑えたい人向け「ダイヤル式」
機能はシンプルですが、安価に導入できます。「別途、高精度の温度計を必ず用意して確認する」という手間を惜しまない人向けです。
3. アサヒ 電子サーモスタット

アサヒ保温電球と一緒に購入されることが多い、昔からのド定番商品です。
- 構造が単純で壊れにくい
- アサヒのペットヒーターと相性が良い
- ダイヤルの目盛りはあくまで目安(必ず温度計で実測して調整すること)
4. マルカン ミニマルサーモ

とにかく安く済ませたい場合の選択肢です。機能は最小限です。
- 非常にコンパクトで場所を取らない
- エントリーモデルとして導入しやすい価格
サーモスタットの接続方法と設置位置

サーモスタットは「つなぐ順番」と「センサーの位置」が命です。ここを間違えると正常に動作せず、事故の原因になります。
コンセントの接続
壁のコンセントにヒーターを直接挿してはいけません。
ヒーターを挿す
この「サーモスタットを経由させる」ことで、初めて電気のON/OFF制御が可能になります。
センサーはどこに設置する?
センサーは、「ヒーターから離れた場所」かつ「インコがよく居る場所の高さ」に設置するのが基本です。
- ヒーターの直近はNG(すぐに設定温度になって止まってしまうため)
- ヒーターの対角線上が理想的
- 重要コードをかじられないよう、センサーコードはケージの外側を這わせるか、市販のコードカバーで保護する
容量(ワット数)を守る
サーモスタットには「300Wまで」などの上限があります。インコ用のヒーター(20W〜100W)を1つ使う分には問題ありませんが、タコ足配線で複数のヒーターをつなぐと容量オーバーで故障・発火の原因になります。必ず定格容量を守ってください。
よくある質問|インコのサーモスタット
総括サーモスタットは「快適」のためではなく「安全」のために買う

ヒーターを導入する際、サーモスタットを「できればあったほうがいいオプション品」と考えるのは間違いです。サーモスタットは、アクセルしかないヒーターにブレーキをつけるための必須パーツです。
特に日本の春や秋は寒暖差が激しく、朝は寒くても昼間は急激に気温が上がることがあります。この時、サーモスタットがなければ、留守番中のインコは逃げ場のないケージの中で熱中症になり、最悪の場合は命を落とします。「数千円をケチったばかりに愛鳥を失う」という悲劇だけは絶対に避けてください。
これから購入するなら、設定ミスが起きにくく、温度計代わりにもなる「デジタル式」を強くおすすめします。コンセントに繋ぐだけで、難しいことを考えずに愛鳥に最適な25度〜28度を24時間キープしてくれます。
















