なぜインコは夜中や早朝にうるさいのか?

インコが早朝に鳴いたり、夜中に暴れたりするのには、明確な生物学的理由があります。単なる「わがまま」ではなく、本能や体調に基づいた行動であることを理解しましょう。
日の出=活動開始の合図(早朝呼び鳴き)
インコは光に非常に敏感です。野生下では日の出とともに活動を開始し、仲間と連絡を取り合うために大きな声で鳴き交わします。
人間にとっては「まだ朝の5時」でも、インコにとっては「もう朝!みんな起きて!」という活動時間なのです。特に夏場は日の出が早いため、睡眠不足の原因になりがちです。
暗闇への恐怖(オカメパニック)
一方、夜間の騒音の主原因である「オカメパニック」は、暗闇での恐怖心が引き金です。
オカメパニックのメカニズム
- 地震の揺れ、車のヘッドライト、小さな物音などがトリガー
- 暗闇で状況が把握できず、パニック状態で暴れまわる
- ケージに翼や体を打ち付ける「ドタバタ音」が発生
夜中の鳴き声は「SOS」の可能性も
もし、バタバタと暴れるのではなく、夜中に「ピッ…ピッ…」と弱々しく鳴いている場合は要注意です。
これは「寒い」「お腹が痛い」といったSOSのサインかもしれません。単にうるさいからと対策する前に、インコ自身の体調に問題がないかを確認することが大切です。
早朝の「ギャーギャー!」を止める光の管理術

早朝の呼び鳴き対策の鉄則は、「インコに朝が来たことを気づかせない」ことです。カーテンの隙間から漏れるわずかな光でも、インコは敏感に察知します。
「普通のカーテン」では防げない理由
「カーテンを閉めているのに鳴く」という場合、そのカーテンの遮光等級を確認してください。2級や3級の遮光カーテンでは、朝日を完全に遮断できず、インコにとっては「明るい=朝」と認識されてしまいます。
1級遮光カーテン+遮光カバーの二重対策
安眠を手に入れるためには、「1級遮光カーテン」への買い替えを強くおすすめします。
どうせ買うなら「防音専門店」のカーテンを
カーテンを新調するなら、防音専門店 ピアリビングの商品がおすすめです。一般的な遮光カーテンよりも生地が厚く重量があるため、光だけでなく「音」もある程度軽減してくれるからです。
アクリルケース(-30dB)ほどの劇的な効果はありませんが、窓からの冷気も防げるため、冬の保温対策としても優秀です。
注意:カーテンはあくまで「補助」です
高性能な防音カーテンでも、インコの甲高い「声」を完全にゼロにすることはできません(防音効果は約-3~8dB程度)。
早朝の呼び鳴きを「光のコントロール」で遅らせることはできますが、鳴いてしまった声そのものを消すには、後述するアクリルケースが必要です。
さらに、ケージ自体にも「遮光性のあるおやすみカバー」を掛けることで、カーテンの隙間から漏れる光もシャットアウトできます。この二重対策で、飼い主の起床時間までインコを「夜モード」にしておくことが可能です。
夜中の「ドタバタ音」対策!オカメパニックと常夜灯

オカメインコなど、パニックを起こしやすい種類の場合、「真っ暗」がかえって危険な場合があります。暗闇で何かに驚いた際、周りが見えない恐怖で暴れまわり、怪我や流血事故につながるからです。
常夜灯(ナイトライト)の導入
パニック対策として最も有効なのは、「うっすら周りが見える程度の明かり」をつけておくことです。
コンセント式の小さな常夜灯(ナイトライト)をケージの近く(カバーの外)に設置しましょう。これにより、地震などで目が覚めても「ここはケージの中だ」と認識でき、パニックを最小限に抑えられます。
💡 最新のパニック対策:SwitchBotで自動鎮静
飼い主が寝ている間に暴れ出したら?SwitchBotを使えば、インコが暴れた瞬間に自動で「明かり」をつけて鎮静化させるシステムが作れます。
👉 【オカメパニック対策】SwitchBotで夜の暴れを自動鎮静!怪我から守る最強システム
おもちゃは「夜だけ外す」が正解
パニック時に最も危険なのが、ケージ内のおもちゃに激突して怪我をすることです。特にブランコや大きな吊り下げおもちゃは、暴れた際に凶器となります。
面倒でも、就寝時には大きなおもちゃを外す習慣をつけるだけで、万が一パニックが起きても「音」と「怪我」のリスクを大幅に減らせます。
⚠️ ケージの「広さ」と「網の向き」も重要
狭いケージや縦網(たてあみ)のケージは、パニック時に翼が挟まって骨折するリスクが高いです。安全なケージの選び方はこちら。
👉 オカメパニック対策はケージが9割!流血を防ぐ「横網・広さ」の黄金ルール
パニック音はアクリルケースで封じ込める
常夜灯をつけても、地震などの物理的な揺れによるパニックは完全には防げません。
パニック時の「バタン!ドタン!」という暴れる音は、静かな夜には心臓に悪いほどの衝撃音です。この音を物理的に軽減し、飼い主の安眠を守るには、後述するアクリルケースが必須となります。
【最強の防音】アクリルケースで-20~30dBの静寂を

「光対策をしたけれど、それでも鳴き声が聞こえる」
「パニックの音が怖くて眠れない」
そんな悩みを根本解決するのが、アクリルケースによる防音です。カーテン(-3~8dB程度)とは異なり、アクリルケースは-20~30dBの高い防音効果を発揮します。
まずは0円でできる「配置」の見直しを
防音グッズを買う前に、ケージの場所を確認してください。隣の部屋(寝室)の壁からケージを1m離すだけで、聞こえてくる音の大きさは劇的に下がります。壁にぴったりつけていると、振動と音が直接伝わってしまうためです。
騒音レベル90dBを「会話レベル」まで下げる
セキセイインコやオカメインコの呼び鳴きは、計測すると最大90dB(地下鉄の車内・カラオケボックス)に達します。これが早朝の寝室に響き渡れば、寝ていられないのは当然です。
- 対策なし:約90dB(うるさくて起きてしまう)
- アクリルケース使用:約60〜70dB(普通の会話レベル)
約60dB程度まで下がれば、壁やドアを隔てた隣の部屋では「何か鳴いてるな」程度の音になり、睡眠を妨げられることは激減します。パニック時の「ドタン!」という衝撃音も、ケースの厚みが吸収してくれるため、心臓への負担が軽くなります。
意外な盲点!「窓」からの音漏れに注意
アクリルケースを導入しても「まだうるさい」と感じる場合、音が「窓」や「カーテンの隙間」から漏れて反響している可能性があります。
特にアパートやマンションでは、窓のサッシが防音の弱点です。窓は壁に比べて圧倒的に薄いため、ここからインコの高音が外に漏れ、近所迷惑の原因になります。
アクリルケースと併せて、窓に「防音ボード」を設置したり、隙間テープでサッシを塞ぐことで、鉄壁の防音環境が完成します。詳しい窓対策については、マンションのインコ騒音対策記事もご参照ください。
飼い主とインコの「睡眠リズム」を合わせるコツ

防音グッズも大切ですが、インコとの生活リズムを整えることも、お互いのストレスを減らす鍵です。
就寝・起床時間を固定する
毎日同じ時間にカバーを掛け(就寝)、同じ時間にカバーを開ける(起床)ことで、インコの体内時計が整います。
「休日は人間と一緒に遅くまで寝かせよう」とカバーを掛けっぱなしにするのは逆効果です。インコは気配で人が起きていることを察知し、呼び鳴きを始めます。休日は「カバーを開けて、朝ごはんを入れて、また寝る(二度寝)」というスタイルがおすすめです。
- 夜は20時頃までに寝かせる(10〜12時間の睡眠時間を確保)
- 朝は7時など決まった時間に起こす
- 「起きる=美味しいご飯」のルーティンを作る
寝相が気になる方はこちらもチェック
「うちの子、変な体勢で寝ているけど大丈夫?」
インコの寝る姿勢には、健康なサインと病気のサインがあります。正常な寝方を知っておくことも、安眠管理のひとつです。
よくある質問|夜・早朝の騒音対策
光と音をコントロールして安眠を手に入れよう【総括】

インコの早朝呼び鳴きや夜のパニック音は、飼い主の睡眠を妨げる大きな悩みです。しかし、これはインコの本能によるものなので、しつけで止めさせることは困難です。物理的な環境を整えることが、唯一かつ最大の解決策となります。
まずは「1級遮光カーテン」と「遮光カバー」で朝日を完全にシャットアウトし、朝を遅らせましょう。それでも聞こえる大音量の呼び鳴きや、夜中の「ドタン!」というパニック音には、「アクリルケース」による防音が効果的です。90dBの騒音を会話レベルまで下げることで、飼い主の平穏な睡眠と、ご近所へのマナーを守ることができます。
そして忘れてはならないのは、「飼い主の安眠は、インコの健康につながる」ということです。静かな環境で十分な睡眠をとることは、インコの免疫力を高め、長生きさせるための基本でもあります。
我慢して寝不足のまま接するよりも、しっかりと対策をして、笑顔で「おはよう」と言える関係を作りましょう。


