インコに保温が必要な理由と適温の基本

インコの保温は、健康で長生きしてもらうために欠かせない飼育管理です。インコの多くは南半球の温暖な地域が原産で、日本の冬の寒さには耐えられません。適切な温度管理をしないと、体調を崩したり命に関わる事態になることもあります。この記事では、初心者から本格派まで、状況に応じた最適な保温方法をご紹介します。
インコの適温は何度?年齢別の温度目安
インコが快適に過ごせる温度は、年齢や健康状態によって大きく異なります。以下が基本的な目安です。
- ヒナ(挿し餌の時期):28〜30℃
- 幼鳥(一人餌〜1歳まで):25〜28℃
- 成鳥(1〜7歳の健康な個体):20〜25℃
- 老鳥(7歳以上):25〜30℃
- 病気の時(年齢問わず):30℃前後
ただし、これはあくまで目安です。同じ種類でも個体差があり、暑がりな子もいれば寒がりな子もいます。インコの様子をよく観察して、その子に合った温度を見つけることが大切です。温度計をケージの近くに設置して、こまめにチェックしましょう。
成鳥の場合、あまり過保護にすると免疫力が低下したり、不要な発情を誘発して卵詰まりなどのリスクが高まります。健康な成鳥なら、人間が半袖で快適に過ごせる程度の室温(20〜25℃)で十分です。
保温が必要になる温度とサイン

室温が何度になったら保温を開始すべきでしょうか。一般的には、室温が15〜20℃を下回るようになったら保温の準備をしましょう。ただし、温度計の数字だけでなく、インコが出す「寒いサイン」を見逃さないことが重要です。
インコが寒がっている時に見せる主なサイン:
- 羽を膨らませている(ふくら雀状態)
- 片足を羽の中に隠して立っている
- 小刻みに震えている
- じっとして動かない、元気がない
- 食欲が落ちている
これらのサインが見られたら、すぐに保温を開始してください。特に「羽を膨らませる」のは、羽と羽の間に空気を含ませて断熱層を作り、体温を逃がさないようにする本能的な行動です。ダウンジャケットを着ているようなものですが、この状態が続くとエネルギーを大量に消費して体力が落ちてしまいます。
逆に、暑がっている時は口を開けてハァハァと呼吸したり、翼を広げて体から熱を逃がそうとします。このような様子が見られたら、温度を下げる必要があります。
寒さがインコに与える健康リスク
インコの体温は約42℃と、人間(約36〜37℃)よりもかなり高めです。この高い体温を維持するために、インコは常にエネルギーを消費しています。寒い環境では体温維持のために通常以上のエネルギーが必要となり、体力を大きく消耗します。
寒さによる主なリスクは以下の通りです。
- 低体温症:体温が下がると消化機能が低下し、栄養を吸収できなくなる
- 免疫力低下:細菌やウイルスに感染しやすくなり、呼吸器疾患などを発症
- 消化不良:そのう炎やメガバクテリア症などの消化器系疾患のリスク増加
- 急激な体力消耗:ヒナや老鳥、病鳥は特に危険。最悪の場合、落鳥することも
インコは体調不良を隠す習性があるため、寒さで弱っていても元気なフリをします。気づいた時には手遅れになることもあるので、予防的に保温することが大切です。
保温を始める時期といつまで必要か

保温の開始時期は、お住まいの地域や年によって変わりますが、一般的な目安は以下の通りです。
保温が必要な期間(目安):11月〜4月頃まで
ただし、これはあくまで目安です。10月でも急に冷え込む日があれば保温が必要ですし、5月でも朝晩の冷え込みが厳しければ継続すべきです。室温が20℃を下回る、または下回りそうな時期に保温を開始しましょう。
季節の変わり目は特に注意!秋から冬、冬から春への季節の変わり目は、昼夜の温度差が激しくなります。日中は暖かくても、夜間から早朝にかけて急激に冷え込むことがあるため、この時期の体調管理には特に気を配りましょう。
保温を終了する時も、急に止めるのではなく徐々に温度を下げていきます。インコの様子を見ながら、1週間〜2週間かけて少しずつ設定温度を下げていくと、体が順応しやすくなります。
インコの保温器具・ヒーターの選び方
インコの保温器具には主に「保温電球」と「マイカヒーター(パネルヒーター)」の2種類があります。お住まいの地域の寒さや、飼育環境に合わせて選ぶことが大切です。
パネルヒーター・止まり木タイプ|補助的に使える保温器具
マイカヒーター、保温電球以外にも、補助的に使える保温器具があります。
パネルヒーター(マイカ以外):ケージの側面や底に設置するタイプ。マイカヒーターと同様に部分的な保温ですが、エアコンや他のヒーターと併用することで効果を発揮します。
止まり木タイプのヒーター:止まり木の中にヒーターが内蔵されており、インコの足元から温めます。見た目は普通の止まり木なので、ヒーターを怖がる子にも使いやすいのが利点です。ただし保温力は弱いため、真冬は他の保温器具との併用が必要です。
本格的な防寒にはアクリルケースが最強
真冬の厳しい寒さや寒冷地でインコを飼育する場合、保温電球の熱を逃がさない「アクリルケース」の併用が最も効果的です。
アクリルケースのメリット
- 熱を逃さず、電気代の節約になる
- 防音効果があり、呼び鳴き対策にもなる
- 餌の飛び散りを防げる
ただし、密閉による酸欠や温度の上がりすぎには注意が必要です。正しい選び方と温度管理については、以下の詳細記事をご覧ください。
保温に必須の補助アイテム3つ

保温器具だけでなく、安全で効果的な保温を行うには、いくつかの補助アイテムが必要です。特にサーモスタットと温度計は、火事や熱中症を防ぐために欠かせません。ここでは、保温に必須の3つのアイテムをご紹介します。
サーモスタット|火事・熱中症を防ぐ必須装備
サーモスタットは、設定した温度になると自動的にヒーターのON/OFFを切り替える温度調節装置です。特に保温電球を使う場合は、必ず併用しましょう。
サーモスタットが必須な理由:
- 温度の上がりすぎを防ぎ、熱中症のリスクを回避
- 過熱による火災のリスクを大幅に減少
- 24時間安定した温度管理が可能
- 電気代の節約にもなる(常時ONでないため)
保温電球は単体では温度調節機能がなく、スイッチを入れたらずっと熱を発し続けます。カバーやアクリルケースと併用すると、30℃を超えて危険な温度まで上昇することがあります。サーモスタットを使えば、「28℃になったらOFF、25℃になったらON」といった自動調節が可能です。
サーモスタットの選び方:
ダイヤル式の簡易的なものもありますが、デジタル表示で細かく温度設定ができるタイプがおすすめです。爬虫類用のサーモスタットも使えますが、鳥用として販売されているものの方が安心です。
センサーの設置場所が重要で、インコがよくいる場所(止まり木の近く)に設置しましょう。ケージの上部と下部では温度差があるため、センサーの位置によって実際の温度が大きく変わります。
温度計の選び方と設置場所|正確な温度管理のために
温度計は、保温が適切に行われているかを確認するために必須です。エアコンの設定温度や、サーモスタットの表示温度は、必ずしも実際のケージ内温度と一致しません。
温度計選びのポイント:
- デジタル表示で見やすいもの
- 温度と湿度が同時に測れるもの
- 最高・最低温度を記録できる機能があると便利
- ケージ内または近くに設置できるサイズ
温度計の設置場所:
温度計は、インコがよくいる場所の近く、特に止まり木と同じくらいの高さに設置するのが理想です。ケージ内の上部と下部では、暖かい空気は上に溜まるため5℃以上の温度差が出ることもあります。
ケージの外に置く場合は、ケージのすぐ横(できればヒーターの反対側)に設置しましょう。ヒーターの直近に置くと、実際よりも高い温度を示してしまいます。
サーモスタットのセンサーと温度計を近い場所に置くと、温度設定の時に把握しやすくなります。
加湿器|乾燥による病気を防ぐ【湿度40-60%】
冬場の保温では、温度だけでなく湿度管理も重要です。暖房やヒーターを使うと室内が乾燥し、湿度が20〜30%まで下がることがあります。乾燥した環境は、インコの健康に悪影響を及ぼします。
乾燥による健康リスク:
- 呼吸器系の粘膜が乾燥し、ウイルスや細菌に感染しやすくなる
- 気管支炎や肺炎などの呼吸器疾患のリスク増加
- 羽毛の乾燥とパサつき、羽づくろいの増加
- 目や鼻の粘膜の乾燥
理想的な湿度:40〜60%
この範囲を維持することで、インコが快適に過ごせるだけでなく、ウイルスの活動も抑制されます。湿度が40%を下回るようなら、加湿が必要です。
加湿方法のアイデア:
- 加湿器を使う(超音波式や気化式がおすすめ)
- 濡れタオルをケージの近くに掛ける
- 観葉植物を置く
- やかんでお湯を沸かす
ただし、湿度が高すぎる(70%以上)とカビが発生しやすくなるため、温湿度計でこまめにチェックしましょう。また、加湿器の水は毎日交換し、雑菌の繁殖を防ぐことが大切です。
保温電球の近くに水を置くと、熱くなったガラス部分に水がかかって割れる危険があるため、離して設置しましょう。
予算・状況別|あなたに最適な保温プラン

保温方法は予算や飼育環境によって、最適な組み合わせが変わります。ここでは、予算別に具体的な保温プランをご提案します。初めての保温でも、これを参考にすれば迷わず選べます。
5つの保温プラン
予算と環境に合わせて、以下の5つのプランから選べます。それぞれの詳細は下の比較表を参考にしてください。
- 10,000円以下:保温電球+カバー(サーモなし)。最低限の保温ですが、温度管理に注意が必要です。比較的温暖な地域で、日中は人がいて様子を見られる環境向け。
- 15,000〜20,000円:マイカヒーター単体。初心者におすすめの安全性重視プラン。火傷のリスクが比較的低く、扱いやすいのが特徴です。比較的温暖な地域(最低気温5℃以上)に最適。
- 25,000〜35,000円:マイカヒーター+サーモ、または保温電球+サーモ+予備機器。バランスの良い組み合わせで、外出時も安心です。やや寒冷な地域(最低気温0〜5℃)に対応。
- 40,000〜50,000円:保温電球+サーモ+アクリルケース(小型)。寒冷地(最低気温0℃以下)でも安心の本格派プラン。小型ケージ(35〜40型)向け。防音効果も期待できます。
- 60,000円以上:保温電球+サーモ+アクリルケース(大型)+予備機器。最強の保温環境で、大型ケージ(465型以上)に対応。真冬は保温電球+アクリル、春秋はマイカヒーターと使い分けができます。
詳しい内訳と特徴は、以下の比較表をご確認ください。
どの予算プランでも、温湿度計は必ず用意しましょう。目に見える温度・湿度の数値がなければ、適切な保温ができているか判断できません。また、予算に余裕がある場合は、万が一の故障に備えて予備の保温器具を用意しておくと安心です。
マイカヒーターとサーモスタットの併用について
マイカヒーターを使用する際の注意点として、サーモスタットとの併用について正しく理解しておきましょう。
マイカヒーターの内蔵サーモスタットについて:
みずよし貿易の「遠赤外線マイカヒーターII」など、多くのマイカヒーターには本体を守るためのサーモスタット(ICサーモスタット)が内蔵されています。ただし、この内蔵サーモスタットの役割を正しく理解することが大切です。
- 内蔵サーモの役割:ヒーター表面温度を最大80℃(±5℃)程度に保つための安全装置
- できないこと:ケージ内の空気温度を感知して自動調節する機能はない
- 実際の動作:電源を入れている間は、常にヒーター表面を約80℃に保ち続ける
つまり、「25℃になったらOFF、20℃になったらON」といった室温管理の機能は持っていません。
外付けサーモスタットが必要なケース:
以下の状況では、別売りの外付けサーモスタット(爬虫類・小動物用)を併用することをおすすめします。
- ケージ内の温度を自動で一定に保ちたい時
- アクリルケースと併用し、温度が上がりすぎる心配がある時
- 長時間の外出や夜間など、こまめな温度チェックができない時
- ヒナや病鳥など、厳密な温度管理が必要な時
ただし、マイカヒーターは遠赤外線で「インコの体を直接温める」タイプのため、空気温度を感知する一般的なサーモスタットとの相性には注意が必要です。空気温度があまり上がっていなくても、ヒーターの前にいるインコはしっかり温まっていることが多いためです。
実用的な使い方:
マイカヒーター単体で使用する場合は、温度計でこまめにチェックしながら、部屋が暖かい日中は電源を切り、寒い夜間や早朝はつけっぱなしにするなど、手動での調節がおすすめです。より自動化したい場合は、外付けサーモスタットを追加しましょう。
ケージの設置場所と保温の工夫

保温器具をいくら揃えても、ケージの設置場所が悪いと効果は半減してしまいます。ここでは、保温効果を高めるためのケージの置き場所と、品種別の簡単なポイントをご紹介します。
避けるべき場所|窓際・玄関・エアコン直下はNG
ケージを置いてはいけない場所を知ることは、保温の第一歩です。以下の場所は、温度変化が激しかったり、インコの健康に悪影響を与えるため避けましょう。
NG場所その1:窓際
窓は外気の影響を最も受けやすい場所です。窓ガラス越しに冷気が伝わり、ケージ周辺の温度が下がります。また、隙間風が入ると急激な温度変化が起き、インコの体調を崩す原因になります。冬場は窓から最低でも1m以上離しましょう。
NG場所その2:玄関や廊下
玄関や廊下は、人の出入りで扉が開くたびに外気が入り込みます。暖房も効きにくく、冬場は特に冷え込みます。インコは温度の急激な変化に弱いため、このような場所は避けましょう。
NG場所その3:エアコンの風が直接当たる場所
エアコンの温風が直接当たると、温度が上がりすぎたり、乾燥が激しくなります。逆に夏場の冷房が直接当たると、体が冷えすぎて体調を崩します。エアコンの風向きを調節して、インコに直接風が当たらないようにしましょう。
NG場所その4:床に直置き
暖かい空気は上に上がるため、床近くは室内で最も温度が低い場所です。人間の腰の高さ(80〜120cm程度)に台を置いて、その上にケージを設置しましょう。
保温効果を高めるケージの置き方
理想的なケージの設置場所:
- 家族が集まるリビングなど、暖房が効いている部屋
- 床から80〜120cm程度の高さ(人間の目線くらい)
- 部屋の隅(ケージの背面と側面が壁に接する場所)
- 日中に日光が入る場所(ただし真夏の直射日光は避ける)
- テレビやスピーカーの近くは避ける(騒音ストレス)
部屋の隅に置くと、背面と側面の2面が壁になるため保温効果が高まります。カバーを掛ける時も、前面だけ開ければよいので管理が楽です。
また、インコは群れで暮らす動物なので、家族が集まる場所に置くことで安心感を得られます。誰もいない部屋に一羽だけ隔離すると、ストレスで体調を崩すこともあるので注意しましょう。
品種別の詳しい温度管理については、セキセイインコの温度管理と保温方法、オカメインコの温度管理と保温方法をご覧ください。
保温時の3大リスクと対策
保温対策はインコの命を守るために必須ですが、間違った方法は事故につながります。特に注意すべき3つのリスクについて概要を解説します。
1. ヒーターによる火事
コードのかじりや、可燃物とヒーターの接触による火災事故が報告されています。安全対策は必須です。
2. カバーによる酸欠
保温性を高めようとビニールカバーなどで密閉しすぎると、酸欠になる恐れがあります。必ず換気口を確保してください。
3. 温めすぎによる熱中症
温度が高すぎると熱中症や脱水症状を引き起こします。サーモスタットでの管理が不可欠です。
緊急時の対応と予備機器の重要性

保温器具の故障や停電は、真冬の深夜に突然起こることがあります。そんな緊急時に慌てないために、事前の準備と対処法を知っておきましょう。特にヒナ、老鳥、病気のインコを飼っている方は、万が一に備えた対策が必須です。
保温器具が故障した時の応急処置
深夜や休日に保温器具が突然故障すると、すぐに買い替えができません。そんな時のために、以下の応急処置を知っておきましょう。
緊急時に使える代用品:
- エアコンで部屋全体を暖める:最も安全で確実な方法。設定温度を25〜28℃に
- 湯たんぽ:お湯を入れた湯たんぽをタオルで2〜3重に包み、ケージの外側に置く
- 使い捨てカイロ:タオルで包んでケージの外側に。ただし酸欠に注意し、必ず換気を確保
- ペットボトル湯たんぽ:500mlペットボトルに40〜50℃のお湯を入れ、タオルで包む
緊急時の注意点:
- 人間用のヒーター(ファンヒーター、ハロゲンヒーター等)は、テフロン加工による有毒ガス発生の危険があるため使用厳禁
- こたつやホットカーペットも、温度が高すぎる・低温火傷のリスクがあるため非推奨
- 湯たんぽやカイロは2〜3時間で冷めるため、こまめに温度をチェック
- 応急処置中も温度計で必ず温度を確認すること
応急処置はあくまで一時的なものです。翌朝には必ずペットショップやネット通販で新しい保温器具を手配しましょう。
停電時の対策
台風や地震などの災害時には、長時間の停電が発生することがあります。冬場の停電は、インコにとって命に関わる緊急事態です。
停電時の対策:
- 人がいる部屋に移動:家族が集まるリビングなど、人の体温で暖かい部屋にケージを移動
- 体温で温める:布で包んでインコを手の中で温める(ただし握りすぎないよう注意)
- キャリーケースに移動:小さな空間の方が体温が逃げにくい。カイロと一緒に入れる
- 車の暖房を利用:駐車場がある場合、車内で暖房をつける(一酸化炭素中毒に注意)
- 避難場所へ:長時間の停電が予想される場合、暖房のある動物病院や知人宅へ避難
停電に備えて、懐中電灯、使い捨てカイロ、キャリーケース、タオルなどを防災グッズとしてまとめておくと安心です。
予備の保温器具を用意すべき理由
保温器具は電化製品なので、いつか必ず故障します。特に冬の真っ最中に故障すると、インコの命に関わる緊急事態です。予備の保温器具を用意しておけば、故障時にも慌てずに対応できます。
予備機器が特に必要なケース:
- ヒナを育てている(体温調節ができず、保温がないと数時間で危険な状態に)
- 老鳥(7歳以上)を飼っている
- 病気がちなインコ、体の弱い個体
- 寒冷地に住んでいる(外気温が氷点下になる地域)
- 複数羽飼育している
予備の保温器具は、普段使っているものと同じタイプでなくても構いません。たとえば、メインが保温電球なら予備はマイカヒーター、メインがマイカヒーターなら予備は保温電球という組み合わせでもOKです。むしろ異なるタイプを用意しておくと、状況に応じて使い分けができて便利です。
予備機器の保管方法:
予備の保温器具は、箱に入れたまま押し入れに仕舞い込むのではなく、冬が始まる前に一度動作確認をしておきましょう。何年も使っていない保温器具は、いざという時に動かないことがあります。シーズン前に電源を入れて正常に動くか確認し、問題があれば早めに買い替えましょう。
よくある質問【FAQ】

インコの保温について、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。初めて保温する方の不安や疑問を解消できれば幸いです。
インコ保温は基本を押さえて安全第一で【総括】

インコの保温は、正しい知識と方法で行えば決して難しいものではありません。この記事では、初心者から本格派まで、それぞれの状況に合わせた保温方法をご紹介しました。
最も重要なのは、インコの年齢や健康状態、お住まいの地域の気候に合わせて、適切な保温方法を選ぶことです。ヒナや老鳥、病気の時は28〜30℃の保温が必要ですが、健康な成鳥なら20〜25℃で十分です。
保温器具も、初めての方には安全性の高いマイカヒーターがおすすめですし、寒冷地や真冬の厳しい寒さには保温電球+アクリルケースの組み合わせが効果的です。予算や環境に合わせて、最適な組み合わせを選びましょう。
ただし、どの方法を選んでも、安全対策は絶対に欠かせません。火事を防ぐためのコード保護、酸欠を防ぐための換気、温めすぎを防ぐためのサーモスタット使用、これらは必須です。
また、温度計と湿度計で日々チェックし、インコの様子をよく観察することが何より大切です。羽を膨らませていないか、元気に動いているか、食欲はあるか、こうした日々の観察が、インコの健康を守る第一歩です。
保温方法に正解はありません。大切なのは、あなたのインコにとって何が最適かを考え、試行錯誤しながら最良の方法を見つけることです。この記事が、あなたとインコの快適な冬の暮らしの助けになれば幸いです。
参考文献・出典
本記事は、以下の信頼できる情報源を参考に作成しました。正確性と信頼性を確保するため、公式情報、実体験、および専門家の知見を組み合わせています。
メーカー公式情報
- 保温器具メーカー各社の公式サイト:使用方法ガイドライン
- マイカヒーター・保温電球製品仕様:公式カタログより
- サーモスタット機器の安全使用ガイドライン
獣医学的知見
- インコの適温と年齢別温度管理に関する研究
- 保温と健康管理に関する文献
- 鳥類専門獣医師による飼育環境アドバイス
飼育経験者の実体験
- インコ飼育者コミュニティ:保温方法の実践報告
- 当サイト運営者による30年以上の飼育経験
関連記事(当サイト内)
※本記事の情報は2025年11月時点のものです。製品仕様や保温方法は変更される可能性がありますので、購入前に公式サイトや販売店の最新情報をご確認ください。
記事監修者情報
名前: 山木
経歴: フィンチ・インコ・オウム・家禽の飼育経験を持つ、飼い鳥歴30年以上の愛鳥家。オカメインコブリーダー。愛玩動物飼養管理士。現在はセキセイインコとオカメインコを中心とした小型~中型インコ専門サイト「ハッピーインコライフ」を運営。科学的根拠と愛情に基づいた実体験を発信し、一羽でも多くのインコとその飼い主が幸せな毎日を送れるようサポートします。