セキセイインコのケージは「幅37cm」が正解!その理由とは

結論から言うと、セキセイインコ1羽飼いに最適なケージサイズは「幅37cm × 奥行41.5cm × 高さ54.5cm」です。これは、愛鳥家の間ではスタンダードとされる「HOEI 35手のり」シリーズのサイズです。
なぜ「小型」インコなのに、これほどの広さが必要なのでしょうか。
翼を広げてもぶつからない広さが必要
セキセイインコは全長約20cmですが、翼を広げると30cm近くになります。ケージの中で羽ばたいたり、止まり木から止まり木へ移動したりするには、十分な空間が必要です。
- 羽繕い(ストレッチ)で翼を伸ばしても網に当たらない
- 止まり木の間を「飛んで」移動できる(ちょっとした運動)
- 高さがあることで、長い尾羽が床や網に擦れてボロボロにならない
幅37cmあれば、これらすべての動作をストレスなく行えます。逆にこれより小さいと、インコは常に体を縮こまらせて生活することになります。
35サイズと21サイズ(小型)の比較
ペットショップでよく見かける「小型インコ用」として売られている幅20~30cm程度のケージ(例:HOEI 21手のりなど)と、推奨する35サイズを比較してみましょう。
21サイズなどは「キャリー」や「通院用」としては優秀ですが、1日の大半を過ごす「家」としては狭すぎます。人間で言えば、トイレやお風呂くらいの広さの部屋でずっと暮らすようなものです。
小さいケージをおすすめしない4つの理由
「うちは放鳥時間が長いから、寝るだけのケージは小さくていい」と考える方もいますが、それは危険な判断です。小さいケージを使い続けることには、明確なデメリットとリスクがあります。
1. 運動不足による肥満と病気リスク
セキセイインコは飛ぶ生き物です。ケージ内でのちょっとした移動やジャンプも大切な運動になります。
狭いケージでは動く意欲がなくなり、止まり木にじっと止まっている時間が増えます。これは深刻な運動不足と肥満を招き、肝臓疾患やヘルニアなど、命に関わる病気の原因となります。
2. ストレスによる毛引きや常同行動
退屈と窮屈さは最大のストレスです。
- 自分の羽をむしってしまう(毛引き症)
- 同じ場所を行ったり来たりし続ける(常同行動)
- 性格が攻撃的になる
十分な広さがあれば、おもちゃを入れて遊ばせたり、フォージング(餌探し)をさせたりして、退屈を紛らわせることができます。しかし、小さいケージにはそのスペースがありません。
3. 冬の保温器具が入らない(最重要)
これが意外と見落としがちな重要ポイントです。日本の冬にはペットヒーター(保温電球やパネルヒーター)が必須ですが、小さいケージにはヒーターを安全に設置するスペースがありません。
保温電球は表面温度が高くなるため、インコから一定の距離を離す必要があります。狭いケージだと、インコが逃げ場を失って火傷をしたり、逆にヒーターが入らずに冬場に寒い思いをさせることになります。
35サイズなら、100Wの保温電球を入れても、インコが安全に過ごせる距離を確保できます。
4. パニック等の事故リスク
地震や大きな物音でインコがパニックを起こして暴れることがあります(パニックはセキセイインコでも起こります)。
狭いケージで暴れると、翼や体を網に強打し、骨折や流血などの大怪我に繋がるリスクが高まります。ある程度の広さは、パニック時の衝撃を逃がすためにも必要なのです。
「HOEI 35手のり」シリーズが選ばれ続ける理由
セキセイインコ飼育のデファクトスタンダード(事実上の標準)となっているのが、HOEI(豊栄金属工業)の「35手のり」シリーズです。なぜこれほどまでに支持されているのでしょうか。
網目の間隔(ピッチ)がセキセイにジャストフィット
ケージ選びで「大きさ」と同じくらい重要なのが、「網目の間隔」です。
HOEI35シリーズの網目間隔は、モデルによって異なりますが11mm~14mm程度。これはセキセイインコの頭が通らない安全なサイズです。海外製の大きなケージや、中型インコ用のケージは網目が2cm以上あることも多く、セキセイインコが頭を挟んで窒息したり、脱走したりする事故が多発しています。
「広ければいい」ではなく、「セキセイインコにとって安全な広さ」であることが、HOEI35が選ばれる最大の理由です。
レイアウトの自由度が無限大
幅37cm×高さ54.5cmの空間は、インコが喜ぶ「アスレチック」を作るのに最適です。
- 止まり木を段違いに設置して上下運動を促せる
- ブランコやおもちゃを吊るしても邪魔にならない
- 別売りの「T字止まり木」や「ステージ」も付け放題
特に「高さ」があることで、上の方に寝床(おやすみスペース)、下の方にご飯スペースといった「生活のゾーニング」が可能になります。詳しいケージレイアウトの実例は別の記事で紹介しています。
掃除とメンテナンスが楽&安全
35手のりシリーズは、底のトレイが引き出し式になっており、毎日の敷き紙交換がスムーズです。
重要なのは、HOEIのケージは「トレイを抜いてもフンキリ網が本体に残る(またはトレイとは別に外す仕様)」である点です。これにより、掃除中にインコが下の隙間から脱走する事故を防げます。「掃除のしやすさ」と「脱走防止の安全性」を両立した設計です。掃除を時短する具体的なテクニックも参考にしてください。
交換パーツやアクセサリが豊富
HOEIは国内トップメーカーであり、35シリーズはその主力商品です。そのため、万が一トレイが割れたり、網が錆びたりしても、パーツ単位で取り寄せが可能です。
また、冬の防寒カバー(おやすみカバー)やアクリルケースも、この「35サイズ」を基準に作られている商品がほとんど。サイズ選びで困ることがありません。
あなたはどっち?35手のりホライズン vs 35ステンレスの選び方

左:35ホライズン 右:35ステンレス
HOEI 35シリーズにはいくつか種類があります。セキセイインコ用としておすすめなのは、以下の2択です。「予算」と「耐久性」どちらを重視するかで選びましょう。
コスパ最強&登りやすい「35手のりホライズン」

迷ったらこれを選べば間違いありません。最大の特徴は、網が「横網(ホライズン)」であることです。
ここがおすすめ!
- 横網なのでインコが金網を伝って移動しやすい(幼鳥や老鳥に優しい)
- クリップ型の止まり木やおもちゃを好きな位置に付けやすい
- 10,000円前後(2025年12月時点)と手が届きやすい価格
通常の縦網タイプよりも、インコがつかまりやすいため、ケージ内を自由自在に移動できます。初めてのケージに最適です。
一生モノの耐久性「35手のりステンレス」

初期投資は高いですが、長い目で見れば最もコスパが良いのがステンレス製です。
ここがすごい!
- 絶対に錆びない:水洗いしても、水浴びしても錆び知らず
- 金属中毒の心配なし:メッキ剥がれによる亜鉛中毒のリスクがゼロ
- 一生使える:10年以上使ってもピカピカのまま
ウチのミカヅキインコも、
金属中毒で両脚麻痺になりました。
温熱療法などで脚の回復も
視野に入れましたが難しいと診断され
断念しました。やはり腹這い生活なので初めは
褥瘡などもお腹に出来てましたので心配も。。クチバシを上手に使って移動したり出来るようになってからはこんな感じです pic.twitter.com/tUM5dC9ydK
— life915@みなっち🌙ミカヅキ (@life9155) December 21, 2021
通常のメッキケージは数年で錆びて買い替えが必要になりますが、ステンレスは本当に一生使えます。「安物買いの銭失い」になりたくない方、愛鳥の健康を第一に考える方は、最初からステンレスを選ぶのが賢い選択です。
選び方まとめ
「大は小を兼ねる」?大きすぎるケージの注意点
「37cmが必要なら、もっと大きい465オカメ(幅46.5cm)の方がいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、1羽飼いの場合、大きすぎるケージにはデメリットもあります。
- 保温効率が下がる:空間が広すぎてヒーターが効きにくい
- 落ち着かない:広すぎて隠れ場所がなく、ソワソワしてしまう子もいる
- 場所を取る:日本の住宅事情では、圧迫感を感じることがある
セキセイインコ1羽であれば、35サイズが「運動不足にならず、かつ管理もしやすい」ベストバランスです。
ただし、2羽以上の多頭飼育をする場合や、1日の大半をケージ内で過ごす場合は、465サイズ(幅46.5cm)を検討しても良いでしょう。
よくある質問|セキセイインコのケージサイズ
セキセイインコのケージサイズに関して、よくある疑問にお答えします。
37cmの広さは「愛鳥へのプレゼント」です【総括】

セキセイインコにとって、ケージの大きさは「生活の質」そのものです。小さいケージで我慢させることは、人間で言えば狭い部屋に閉じ込められているのと同じストレスを与えかねません。
幅37cmの「HOEI 35手のり」シリーズなら、翼を広げて伸び伸びと過ごせ、おもちゃで遊び、冬もしっかり保温できます。数千円の差で、愛鳥の健康と笑顔が守れるなら、決して高い買い物ではないはずです。
ぜひ、愛鳥のために「ちょっと贅沢な広さ」を用意してあげてください。その広さは、愛鳥への愛情の深さそのものです。








