サザナミインコのメガバクテリア症(マクロラブダス)の治療体験談を紹介します。
メガバクテリアは、多くのインコ飼い主が直面する可能性のある病気です。ある日突然、愛鳥が床にうずくまったり、鼻水状の液体を吐き出したりする姿を目にしたら、それはメガバクテリア症の兆候かもしれません。
「うちの子も同じような症状が出ているけど、これって何?」「治療法はあるの?」「完治する見込みはあるの?」と不安になっている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
メガバクテリア症は、インコの胃に棲みつく真菌による感染症で、早期発見・早期治療が何よりも重要です。治療法には投薬と注射があり、症状や飼い主の状況に合わせて選択できます。適切な治療を受ければ、約1ヶ月程度で完治する可能性が高い病気です。
この記事では、実際にサザナミインコの「ぴよちゃん」がメガバクテリア症を発症してから完治するまでの体験談を通して、症状の見分け方から治療法の選択、通院や入院について詳しく解説していきます。
メガバクテリア症の初期症状と見分け方
病院での診察と検査の流れ
投薬と注射、それぞれの治療法の特徴と選び方
入院と通院の選択について
治療期間と完治までの道のり
愛鳥の突然の体調不良に直面したとき、どう対応すればよいのか。また、メガバクテリア症と診断されたとき、どのような治療選択肢があるのか。この記事を読めば、サザナミインコを含む小鳥のメガバクテリア症への理解が深まり、もしもの時の心構えができるでしょう。
大切なペットの健康を守るために、この実体験に基づいた情報を参考にしてみてください。

サザナミインコがメガバクテリアを発症(ぴよちゃん1歳6カ月頃)
サザナミインコの飼い主の寄稿 ※15年位前のエピソードです
ぴよちゃんはマクロラブダス(メガバクテリア症)を発症したことがあります。これはその当時のぴよちゃんの様子や病院で実際にどんな治療を受けたかなど、病気が完治するまでのお話です。
ある日突然の体調不良
ぴよちゃんをお迎えしてから一年半ほど経ったある日の朝のこと。いつもバードテントからのそのそと出てくるぴよちゃんがケージの床にうずくまっていました。
ぴよちゃんはこちらに「はっ」と気付くと、ケージの中に設置してあるハシゴを登り、いつも止まっている鏡のついた止まり木へ移動しました。
動作は緩慢ではなかったですが、私は何か違和感を感じました。
その後いつものように朝の放鳥をしましたが、ぴよちゃんは変わった様子もなく遊んでいました。ところが午後。ふと気がつくと、また床にうずくまっていたのです。
小鳥の病院に行こうか悩みましたが、すぐにお気に入りの止まり木に戻ったり、食欲旺盛でフンにも異常がないことから、翌日に病院へ行くことに決めて、様子を観察していました。
急変は翌日に起こりました。放鳥中のぴよちゃんが突然頭を降りながら、鼻水状の液体を吐き出し始めたのです。
小鳥の病院で検査を受けたらメガバクテリアが見つかって
動物病院に行くためにプラケースに紙を敷いてぴよちゃんを入れました。
その日の糞をラップに包み、チャック付きのビニール袋に入れて持っていくことにしました。
緊張からなのか、溜めフンをいつもは朝と夜の2回のしかしないぴよちゃんが、移動中に小さい糞をしていたので、検査にはその新しい糞を使いました。
その糞を顕微鏡で見た先生は「ああ、やっぱり」と言い、モニターにその画像を映しながら詳しく説明してくれました。
メガバクテリアはインコの胃に棲みついて悪さをする真菌で、発症すると嘔吐、軟便、下痢、食欲不振などの症状を引き起こします。たくさんのセキセイインコがメガバクテリアの治療を受けに来ていると聞きました。
…と言われた時には、ぴよちゃんのうずくまる姿を思い出し、涙ぐんでしまいました。
そんな私に対して先生はあっさり
メガバクテリアの治療を投薬にするか?注射にするか?
その後先生は、メガバクテリアの治療の考え方と、治療方法に投薬と注射の2つの選択肢があることを説明してくれました。
飲み水に薬を入れる飲水投与、
保定して直接 口に投与する自宅での投薬
病院での皮下注射
…このどれかになると言われました。
さらに2つの治療方法の違いについて詳しい説明を受けました。そして私が選んだのは、今の症状がより早く改善する見込みがあり、治療全体の期間も短く済みそうな「注射」の治療です。
先生の説明はとても詳しく、薬剤の効能だけでなく、これまでご自身が扱ってきた症例に加え、獣医師会や学会から得たデータや情報から裏打ちされたものであることが分かる、とても納得のいくものでした。
連日の通院は無理…ぴよちゃんを1週間入院させることに決めた
当時仕事が忙しい時期だった私にとって、通院のために休みを取るのは難しい状況でした。そんな状況からどうすべきか悩んでいた私に、先生はこう提案しました。
入院すれば24時間 完璧な空調管理のもと、何かあればすぐ診察できる環境が整っています。治療中のぴよちゃんをひとりで留守番させることに不安だった私は、その場で入院を決めました。
そこから1週間、毎晩、ぴよちゃんの面会のため、私は動物病院に通いました。
…と先生から聞いていたのですが、その言葉通り、翌日にはぴよちゃんの動きや顔つきから快方に向かっていることが素人目にもわかってほっとしました。
1週間の入院を経た後、予定通りに通院することもできて、3週間後のフン検査ではメガバクテリアがなくなりました。そして翌週にもう一度検査をして真菌の消失を再確認し、治療が終了となりました。
サザナミインコのメガバクテリア症治療体験談【総括】
サザナミインコがメガバクテリアを発症する際は床にうずくまるなどの異変が見られる
メガバクテリアは嘔吐や食欲不振などの症状を引き起こす真菌感染症
病院では顕微鏡検査でフンの中の棒状の病原菌を確認できる
治療方法には投薬と注射の2つの選択肢がある
投薬は飲み水に薬を入れる方法と直接口に投与する方法がある
注射治療は効果が早く現れ、治療期間も短くなる可能性がある
注射の場合、最初は1日2回を数日間行い、徐々に間隔を開けていく
治療全体の期間は約1ヶ月程度で完治することが多い
入院治療なら24時間空調管理された環境で適切なケアが受けられる
小鳥がうずくまっている状態は人間でいう重篤な状態と同等
早期発見・早期治療で完治する可能性が高い
治療後はフン検査で真菌の消失を確認することが重要
大切なペットのサザナミインコがメガバクテリア症を発症した場合でも、適切な治療を行えば完治する可能性が高いです。異変に気づいたらすぐに小鳥専門の獣医師に相談し、適切な治療を受けさせましょう。
あなたのインコの健康と幸せな生活のために、早期発見・早期治療を心がけてください。