インコのフォージングトイ:スピン・ボール・シェイクを試してみた【体験談】

記事内に広告が含まれています。

インコのフォージングトイを使ってみたいけれど、「本当に効果があるの?」「うちの子は使ってくれるかな?」と迷っていませんか。

「最近愛鳥が退屈そうにしている」「毛引きが心配で予防策を探している」「知育おもちゃで頭を使わせてあげたい」そんな思いをお持ちなら、フォージングトイがその解決策になるかもしれません。

実は、野生のインコは1日4~6時間もの時間を餌探し(フォージング)に費やしており、この本能的な行動欲求が満たされないことで、飼育下では退屈やストレスから問題行動が起こりやすくなります。

しかし、適切なフォージングトイを使うことで、野生本来の採餌行動を再現し、愛鳥の知的好奇心を満たしながら健康的な生活をサポートできるのです。

マメルリハインコのフォージングトイ体験談

この記事では、実際にマメルリハインコでフォージングトイを試した飼い主さんの体験談をもとに、効果的な使い方や馴らし方について詳しくご紹介していきます。

フォージングボール、フォージングシェイク、フォージングスピンといった異なるタイプのフォージングトイにはそれぞれ特徴があり、インコの性格や好みに合わせて選ぶことが成功の鍵となります。

また、警戒心の強い子でも段階的に慣らしていけば使えるようになる具体的な方法もご紹介します。愛鳥がより充実した毎日を過ごせるよう、ぜひフォージングトイの活用法をマスターしてください。

この記事でわかること
フォージングトイの実際の効果と体験談
ボール型・シェイク・スピンの3タイプの特徴と使い方
警戒心の強いインコでも使えるようになる馴らし方
フォージングの基本知識と野生との違い
種類別の選び方と安全な使用方法
orange-hoppe

執筆・監修・運営は30羽以上の鳥と暮らす愛鳥家(オカメインコ愛好家)このブログではセキセイインコ・オカメインコを中心に、小型~中型インコ飼育のコツ・裏ワザ・体験談を紹介します。

【 もくじ 】

インコのフォージングトイ 3タイプでフォージング【体験談】

インコのフォージングトイ体験談

マメルリハインコの飼い主の寄稿

マメルリハインコのタオちゃんを飼い始めたころ、私はまだ実家住まいでした。日中仕事に行く時には一羽で寂しくないように、同居していたインコ好きな祖父母にタオちゃんを預けていました。

それからほどなくして、諸事情で引っ越しすることが決まり、状況が一変。これまで常に人がいる状態だったタオちゃんを、急に日中ひとりぼっちで過ごさなければいけない環境に置かざるを得なくなりました。

引っ越し後の鳥の変化が不安になり小鳥の病院に相談

マメルリハ

昼間タオちゃんをひとりぼっちにしてしまう。寂しくないだろうか。大丈夫だろうか。私がいない間に何かあったら…

そんな心配をしながら愛鳥の様子を伺いつつ、何とか毎日をやり過ごしてましたが、引っ越しからひと月目頃にちょっとした変化に気づきました。タオちゃんが羽繕いをしている場面を以前よりも頻繁に見るようになった…ような気がしたのです。

もしかして…これは羽繕いじゃなくて、毛引きの兆候なのでは!?

心配になってあわてて羽毛をチェックするも、特に齧られたり抜かれたりした羽毛は見当たりませんでした。

引っ越し先近くの小鳥の病院を受診した時、このことを相談したところ先生は

今は特に毛引きの症状は出ていないです。引っ越しによる環境の変化で多少のストレスがあるのかもしれませんね。

そう言われてホッとしている私に、先生はこのように続けました。

現在は毛引きの症状は見られませんが、もしそれが続いて癖になってしまうと、毛引きをやめさせることはなかなか難しいです。毛引きは 餌の心配も天敵から襲われるおそれもない、何もストレスのない環境にいるペットがなるものです。ストレスが全くない状態、あまりにも暇すぎるのも、逆にストレスです。何かに気を紛らわせたり、遊べるおもちゃを増やしてみることをおすすめします。

フォージングトイを使ったフォージング開始を決意

マメルリハ

獣医さんから毛引き予防のアドバイスを受けた私は、帰宅してからすぐにインコのおもちゃをネットで探してみました。元々タオちゃんのケージには吊り下げ系のおもちゃ2つと鈴のおもちゃ1つが入っていました。

最近は放鳥中に紙をかじって遊んでいることが多かったので

かじって遊べるおもちゃに変えようかな?

…と考えていた矢先でした。

ネットでインコのおもちゃをいろいろと閲覧しながらふと思ったのは

野鳥は一日中餌を探し回っているんだよね。ケージの中でも餌を探させたりするおもちゃってないんだろうか?

そう思いついたのは、少し前にインスタグラムで、大きなオウムの動画を見たからです。それは頭を使って工夫しないと食べられないように仕向けられた餌箱から、オウムが器用に嘴と足を使って餌を食べている様子でした。

さらに調べていくうちに、頭を使わないと餌が採れないように細工している知育おもちゃのことをフォージングトイ(フォレイジングトイ)と呼んでいることを知りました。

マメルリハインコに3タイプのフォージングトイを試してみた

マメルリハインコにフォージングトイを試してみた

私は、それぞれタイプが異なる3つのフォージングトイを選びました。

ボール型のフォージングトイ…転がして遊びながら餌を採る

ボール型のフォージングトイはカプセルボールに小さな穴が空いているもので、鳥さんがボールを転がすと、穴から餌が出てきます。

ペレット移行に成功したので、おやつとしてこのボールにシードを入れてあげています。数日は遊び方がわからないようでしたが、今では楽しそうにボールを転がしています。

シロボタンインコのために購入しました。 大きさの割に高いかなとも思いましたが、とてもいいです。 ボールにペレットを入れて、それをさらに小箱の中に入れて、ケージ内に入れておくと、 まず箱を開けて、そしてこのペレット入りのボールを箱から放り投げ、コロコロ転がしてペレットを出して食べています。 ペレットにたどり着くまでに、時間がかかってとても良いです。
引用元:知育フォージング ボール 30mm

フォージングシェイク…吊り下げ式のフォージングトイ

インコのフォージングトイ

これは吊り下げ式で、つついて揺らすと中身が出てくるフォージングトイです。ケースが連結でき、レベルに合わせてケースの数が変えられます。

吊り下げレインシード

フォージングスピン…フォージングトイ 回転式/フォージングホイール

フォージングスピン

これはクルクル回すと中身が出てくるフォージングトイです。

フォージングトイの馴らし方!使えるようになるまで時間と工夫が必要だった

マメルリハ

タオちゃんの性格は自他ともに認める超ビビりで、餌の種類も水浴び用の容器も、ちょっと変えただけでも近づかなくなります。そういう性格なので、新しいおもちゃを買う時はいつも「使ってくれないこともあるだろう」と悟った気持ちで試してみます。

フォージングトイに馴らす手順
  • STEP1
    トイを見せる
    放鳥している時に、飼い主がおもちゃを持ってみたり、オーバー気味に楽しそうに遊んでいるところを見せる→そうすることでおもちゃを危なくないもの、ちょっと楽しそうなものと認識しやすくなる。
  • STEP2
    トイをケージの近くに置く
    ケージの近くにしばらくおもちゃを置いておく→見慣れると徐々に警戒心が薄れるようで、2~3日で近づけても逃げなくなる。
  • STEP3
    餌を出して見せ、トイに投入する
    おもちゃを振ってわざとシャカシャカ音を鳴らしながら餌を掌に出す→餌の存在をアピールした後、再度おもちゃに投入する。
  • STEP4
    トイから出した餌を食べさせる
    おもちゃを振って少量の餌を手に出し「ここから餌が出てくるよ」と見せた後、その餌を食べさせる。
  • STEP5
    再びトイを見せる
    再びおもちゃをしっかりとインコに見せる。
  • STEP6
    繰り返す
    STEP4~5を繰り返す。その後自分からおもちゃに触れてくれたらほめつつ、完全になれるまで様子を見守る。

インコが自分から遊ぶようになったらその都度褒めながら、飼い主が1日家に居られるタイミングでフォージングトイをケージ内に設置して、再び様子を見ました。これを繰り返して、現在のタオちゃんはフォージングトイから餌を上手に食べるようになりました。

フォージングの効果もあり、その後もタオちゃんに毛引きらしい症状は現れず、元気に過ごしてくれています。

そもそもインコはとても賢いので、日々の生活の中にちょっとした「遊び」を入れてあげると、それを「楽しい刺激」と受け取ってくれるように感じます。

私たちを幸せにしてくれる大事なパートナーの本当の気持ちが「声」で分からないからこそ、想像でき得る限りの彼らの幸せを、私たち飼い主から積極的に与えてあげたいですね。
【体験談ここまで】

インコのフォージングとは?野生本来の採餌行動を再現する知育

インコのフォージングとは野生本来の採餌行動を再現する知育

フォージングとは、インコが餌を探し、獲得する一連の採餌行動のことです。野生のインコは1日の大部分をフォージングに費やしますが、飼育下では簡単に餌が手に入るため、この本能的な行動欲求が満たされず、ストレスや問題行動の原因となることがあります。

【フォージングギャップ】野生インコの採餌行動と飼育下の違い

マメルリハ

野生のインコは、1日の活動時間の4~6時間をフォージング(採餌行動)に費やします。これは全活動時間の約3分の1から2分の1に相当する時間です。餌を探し、隠された食べ物を見つけ出し、硬い殻を割り、複雑な構造物から取り出すといった知恵と工夫を要する活動を毎日繰り返しています。

一方、飼育下のインコの多くは、餌容器から直接簡単に餌を食べることができるため、フォージングに費やす時間は1日わずか30分から60分程度となっています。この大幅な時間差が「フォージング・ギャップ」と呼ばれる問題を生み出し、インコの精神的な健康に悪影響を与える可能性があります。

フォージングトイが与える身体的・精神的効果

インコのフォージング

フォージングトイを使った採餌活動は、インコに多方面での恩恵をもたらします。

退屈やストレスの軽減
知的好奇心の刺激と認知能力の向上
活動量の増加と肥満予防
毛引きや自咬症などの問題行動の予防・改善
自然な行動欲求の充足

フォージングの効果と具体的な改善点
効果の分野 具体的な改善内容 期待される結果
精神的健康 退屈感の解消、ストレス軽減 毛引き・自咬症の予防
認知機能 問題解決能力の向上 知的好奇心の維持
身体的健康 活動量増加、食事速度調整 肥満予防、消化機能改善
行動面 自然な採餌本能の充足 問題行動の減少

特に知能の高いインコにとって、フォージングは「考える」「問題を解決する」という認知的な課題を提供し、精神的な充足感をもたらします。餌容器から直接食べるのとは異なり、どうすれば餌にたどり着けるかを思考し、試行錯誤するプロセス自体が、彼らにとって知的な満足感につながるのです。

フォージングトイの種類と特徴

インコのフォージングトイの種類と特徴

フォージングトイには、破壊型、パズル型、回転型、吊り下げ型など多様な種類があります。それぞれ異なる操作方法や難易度を持ち、インコのサイズや能力、好みに合わせて選択する必要があります。初心者向けから上級者向けまで段階的に設定することで、継続的な刺激を提供できます。

破壊型フォージングトイ

破壊型トイは、紙や段ボール、バルサ材のような柔らかい木、籐(ラタン)などで作られており、鳥が噛んだり、引き裂いたり、破壊したりして中の餌を取り出すタイプです。これらは鳥の自然な噛む欲求や物を分解する行動を満たし、特に初心者や若い鳥にとって比較的簡単に達成感を得られるため、導入に適しています。

破壊するという行為自体が、野生のインコが種子のさやを割ったり、木の皮を剥いだりする行動を模倣しており、鳥にとって大きな満足感をもたらします。ただし、使い捨てタイプが多いため、定期的な補充が必要となります。

パズル型フォージングトイ

アクリル、硬質プラスチック、硬い木材など、より耐久性のある素材で作られ、引き出しを引く、スライダーを動かす、部品を回して外すといった特定の操作を必要とするタイプです。これらはより高度な認知能力や問題解決スキルを要求し、経験豊富な鳥や知能の高い鳥種に向いています。

多くのパズル型トイは、鳥の学習進度に合わせて難易度を調整できる設計になっており、継続的な挑戦を提供できます。一度解き方を覚えてしまうと飽きてしまうことを防ぐため、段階的に難易度を上げていくことが重要です。

回転・操作型フォージングトイ

ボール状の容器や、転がしたり特定の方向に動かしたりすることで餌が出てくる仕組みのトイです。物理的な操作を促し、物を動かすことを楽しむ鳥にとって魅力的な選択肢となります。

ボールを転がして穴から餌を出すタイプ
回転させることで餌が落ちてくるタイプ
スライドパズルのように動かすタイプ
振ったり揺らしたりして餌を出すタイプ

フォージングトイの種類別比較
トイタイプ 難易度 適用サイズ 価格帯 特徴
破壊型(紙・段ボール) 初級 全サイズ 300~800円 使い捨て、安全性高
パズル型(アクリル) 中~上級 中~大型鳥 1,500~5,000円 繰り返し使用可、高難易度
回転型(ボール) 初~中級 小~中型鳥 800~2,000円 運動促進、楽しい操作感
吊り下げ型 中級 全サイズ 1,000~3,000円 ケージ内設置、バランス感覚

一部のトイでは、ケースが透明になっており、中の餌が見えるようになっているものがあります。報酬が視覚的に確認できることは、鳥のモチベーションを高め、難しい課題にも粘り強く取り組むことを促します。

インコ用フォージングトイに関するよくある質問

インコ用フォージングトイによくある質問

フォージングトイはどのくらいの頻度で与えればよいですか?

理想的には、フォージングの機会を毎日提供することが推奨されます。野生のインコは1日の大部分をフォージングに費やしているため、飼育下でもできる限りこの自然な行動パターンを再現することが重要です。

初心者の場合は、1日1~2回、各セッション15~30分程度から始めて、徐々に時間を延ばしていくとよいでしょう。慣れてきたら、日常の食事の一部をフォージングトイで提供することで、より自然な採餌環境を作ることができます。

重要なのは、フォージングを「特別なおやつタイム」ではなく、日常生活の一部として定着させることです。複数のフォージングステーションを設けたり、トイをローテーションさせたりすることで、継続的な刺激を提供できます。

フォージングトイの中には何を入れればよいですか?

フォージングトイの中身は、インコの普段の食事(ペレット、適量のシード)、健康的なおやつ、乾燥野菜や果物などが適しています。報酬は鳥のモチベーションを高めるものであると同時に、全体的な栄養バランスを考慮したものである必要があります。

導入初期には、インコが特に好むおやつ(ハイバリュー・トリーツ)を使用することで、新しいトイへの興味を引き出しやすくなります。慣れてきたら、日常食の一部をフォージングトイに入れることで、毎日の食事を通じてフォージング行動を促進できます。

ただし、特に導入初期には主食を制限しないことが重要です。フォージングの目的はエンリッチメントであり、無理強いするための飢餓状態を作ることではありません。

インコがフォージングトイに興味を示さない場合はどうすれば?

インコのフォージングトイの導入ステップ

インコがフォージングトイに興味を示さない理由はいくつか考えられます。新しいものへの警戒心(ネオフォビア)、トイの難易度が不適切、使用しているおやつが好みでない、などが主な原因です。

対処法としては、段階的な導入が最も効果的です。まず、トイを見せるだけから始め、飼い主が楽しそうにトイで遊んでいる様子を見せることで警戒心を和らげます。次に、トイから餌を出して見せ、「ここから美味しいものが出てくる」ということを理解させます。

それでも興味を示さない場合は、より魅力的なおやつを使用したり、トイのタイプを変更したりして、その子の好みに合うものを探してみてください。忍耐強く、無理強いしないことが成功の鍵です。

複数飼いの場合、フォージングトイの管理はどうすればよいですか?

複数のインコを飼育している場合、フォージングトイを巡る競争や独占行動が発生することがあります。これを避けるためには、鳥の数に応じて十分な数のフォージングトイを用意することが重要です。

理想的には、各鳥が同時にフォージング活動を楽しめるよう、鳥の数よりも多くのトイを設置します。また、異なる難易度や種類のトイを複数用意することで、それぞれの鳥が自分に適したレベルのものを選択できるようになります。

トイの設置場所も重要で、ケージ内の離れた位置に配置したり、各鳥の個別ケージにそれぞれ設置したりすることで、競争を避けることができます。攻撃性が見られる場合は、フォージング時間を分けたり、監視下で行ったりする配慮も必要です。

インコ用フォージングトイで愛鳥の知能と健康を育む方法【総括】

インコのフォニオパディトイまとめ

フォージングとは野生インコの採餌行動を再現する知育活動
野生では1日4~6時間費やす重要な本能的行動

飼育下では30分程度に短縮され「フォージング・ギャップ」が発生
退屈やストレス軽減効果で毛引き・自咬症の予防に効果的

フォージングは知的好奇心の刺激と認知能力向上に寄与
活動量増加により肥満予防と健康維持をサポート

破壊型・パズル型・回転型・吊り下げ型など多様な種類が存在
インコのサイズや知能レベルに応じた適切な選択が重要

安全な素材選択と定期的な点検で事故を防止
段階的導入により警戒心の強い個体でも慣らすことが可能

市販品とDIYの組み合わせでコストパフォーマンス向上
毎日の継続的な提供で最大限の効果を発揮

複数飼いでは競争回避のため十分な数の確保が必要
難易度調整とローテーションで長期間の興味維持が可能

インコ用フォージングトイは、愛鳥の生活をより豊かで充実したものにする素晴らしいツールです。体験談にもあったように、環境の変化によるストレスや退屈から生じる問題行動を予防し、インコ本来の知的好奇心と活動欲求を満たすことができます。

安全性を最優先に、個々のインコの特性に合わせたカスタマイズを行うことで、より健康で幸せな鳥生活を実現してください。

目次
【 もくじ 】
タイトルとURLをコピーしました