鳥のアクリルケースで酸欠は起こる?正しい換気方法と選び方のポイント

インコのアクリルケースの危険性
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鳥のアクリルケースで酸欠は起こる?正しい換気方法を知っていますか?アクリルケースは防音性や保温性に優れ、鳥の飼育環境を大きく改善できる便利なアイテムです。しかし、その密閉性の高さから「酸欠になるのでは?」と心配される方も多いでしょう。

結論から言うと、適切な換気があれば安全に使用できることが実測データからも明らかになっています。ただし、換気が不十分だと酸素不足のリスクがあるため、正しい知識と対策が必要です。

鳥が酸欠状態になると、開口呼吸(口を開けた呼吸)やテールボビング(尾羽の上下運動)といった特徴的な症状が見られます。これらの兆候に気づいたら、すぐにケースの扉を開けて新鮮な空気を供給することが重要です。

アクリルケースの安全な使用には、適切な通気孔の配置や定期的な換気が欠かせません。特に重要なのは、通気孔を対角線上に設けて空気の流れを作ること、鳥の大きさや数に応じて換気量を調整すること、そして季節や温度に合わせた換気方法の工夫です。

この記事では、鳥のアクリルケースにおける酸欠リスクと安全な使用方法について詳しく解説していきます。

この記事でわかること
アクリルケースの密閉性と酸欠リスクの真実
鳥が酸欠になったときの症状と早期発見のポイント
適切な換気方法と通気孔の効果的な配置
季節や鳥のサイズに合わせた換気の調整方法
防音性と換気のバランスを取るコツ

アクリルケースの利点を最大限に活かしながら、愛鳥の健康を守るためのポイントを押さえていきましょう。この記事を読めば、安心してアクリルケースを使用するための知識が身につきます。

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執筆・監修・運営は30羽以上のオカメインコと暮らす愛鳥家。小鳥飼育・繁殖・野鳥の一時保護など、これまでたくさんの小鳥たちと関わってきました。このブログではインコ・オウム飼育を中心とした小鳥との付き合い方を、飼い主の実体験を元にした知識や情報を加味して発信します。

鳥のアクリルケースにおける酸欠リスクの真実

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

アクリルケースは鳥の飼育環境を改善するための便利なアイテムですが、密閉性が高いため酸欠のリスクも懸念されています。実際のところ、適切な換気があれば安全に使用できることがわかっています。

アクリルケースの密閉性と酸欠リスク

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

アクリルケースは保温性や防音性に優れていますが、換気が不十分だと酸素不足のリスクがあります。

アクリル素材は気密性が高く、空気の出入りを制限する
市販品の多くは適切な通気孔が設けられている
完全密閉型のケースは鳥の飼育には不向き

アクリルケースの種類と酸欠リスク
ケースタイプ 換気の状態 酸欠リスク
通気孔付き 空気の循環あり 低い(適切な数と配置の場合)
両開き扉タイプ 扉の隙間から換気 中程度(扉の密閉度による)
完全密閉型 換気なし 高い(鳥の飼育には不適切)

アクリルケースは保温性や防音性の高さから多くの鳥の飼い主に支持されていますが、その特性ゆえに換気には特に注意が必要です。完全に密閉されたスペースでは、鳥の呼吸によって酸素が消費され、二酸化炭素が蓄積していくため、適切な空気の入れ替えが不可欠です。

多くの市販アクリルケースには標準で通気孔が設けられていますが、その数や配置は製品によって異なります。特に防音効果を高めるために通気孔を最小限にしている製品もあるので、購入前に確認することが重要です。

実際の二酸化炭素濃度測定データから見る安全性

実際にアクリルケース内の二酸化炭素濃度を測定したデータによると、適切な換気があれば安全範囲内に維持できることがわかっています。

通常の室内空気の二酸化炭素濃度は約400〜1000ppm
小学校の教室基準は1500ppm以下
アクリルケース内では最大1700ppmまで上昇した例あり
通気孔の調整で1500ppm以下に抑えることが可能

アクリルケース内二酸化炭素濃度の実測例
状態 CO2濃度 評価
扉開放時 800〜900ppm 良好
扉閉鎖・通気孔少なめ 最大1700ppm やや高い(換気推奨)
扉閉鎖・通気孔調整後 最大1500ppm 許容範囲内

あるフクロウの飼い主さんが実際にアクリルケース内の二酸化炭素濃度を測定した記録によると、扉を閉めた状態では濃度が徐々に上昇し、最大で1700ppmに達したことがあったそうです。しかし、ケースの隙間を調整することで1500ppm以下に抑えることができました。

興味深いのは、鳥が活発に動いたり羽づくろいをしたりすると濃度が上昇する傾向も観察されていることです。これは活動による代謝量の増加が関係していると考えられます。

専門家の見解としては、2000ppm以下であれば健康への直接的な悪影響は少ないとされていますが、長時間の高濃度暴露は避けるべきでしょう。換気の方法と頻度を適切に調整することで、快適な環境を維持できます。

参考資料:ハッピーケース 鳥のアクリルケース 二酸化炭素の濃度 

アクリルケースのメリットと適切な使用バランス

アクリルケースには多くのメリットがありますが、それらを活かしながら酸欠リスクを抑えるバランスが重要です。

防音効果で近隣トラブル防止
保温効果で冬場の体調管理が容易に
餌やホコリの飛散防止で部屋を清潔に保てる
透明度が高く観察がしやすい

アクリルケースのメリットと換気のバランス
目的 換気との関係 推奨対策
防音効果を高める 換気孔が多いと効果減少 通気孔の位置を工夫(対角線上に配置など)
保温効果を上げる 換気が多いと熱が逃げる 適温維持できる最小限の換気を確保
飛散防止 換気との直接的な競合は少ない 下部より上部に通気孔を設置

アクリルケースの導入を検討する飼い主さんの多くは、防音や保温、餌の飛散防止などの目的を持っています。特に集合住宅では鳴き声による近隣トラブルを避けるために防音性が重視されがちです。

実際のユーザーレビューを見ると、「鳴き声が半減した」「餌の飛び散りが防げて部屋の掃除が楽になった」「寒い地域でも温度管理がしやすくなった」などの声が多く見られます。

一方で、これらのメリットを最大化しようとすると換気が不十分になるリスクがあります。 例えば、防音効果を高めるために通気孔を最小限にしてしまうと、酸素不足の危険性が高まります。

理想的な使用法は、鳥の健康を最優先に考え、必要十分な換気を確保した上で、他のメリットを追求することです。例えば、通気孔は対角線上に配置して空気の流れを作りつつ、孔の数よりも大きさや位置を工夫することで、防音性も維持できる場合があります。

酸欠状態の症状と早期発見のポイント

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

酸欠状態は鳥の健康に深刻な影響を与える可能性があります。早期発見と適切な対応が重要です。

開口呼吸や尾羽の動きなど酸欠のサイン

鳥が酸欠状態になると、いくつかの特徴的な症状を示します。

口を開けた呼吸(開口呼吸)
尾羽を上下に大きく動かす(テールボビング)
呼吸が速くなる
胸の動きが通常より激しくなる

酸欠症状の重症度
症状 重症度 対応
軽い開口呼吸 軽度 すぐに換気を改善
テールボビング 中度 換気改善と新鮮な空気がある場所への移動
重度の開口呼吸と衰弱 重度 獣医への緊急連絡と救急処置

鳥類は呼吸器系が非常に効率的に設計されている反面、酸素不足に対して敏感です。酸欠状態になると、より多くの酸素を取り込もうとして開口呼吸を始めます。これは口をわずかに開け、時に舌を動かしながら呼吸する状態で、通常の鼻呼吸とは明らかに異なります。

テールボビングは、呼吸に合わせて尾羽が上下に動く症状で、呼吸困難の明確なサインです。通常、鳥の呼吸は穏やかで目立ちませんが、酸素が不足すると体全体を使って呼吸しようとするため、この動きが顕著になります。

初期症状に気づいたら、すぐにケースの扉を開けるか鳥を取り出し、新鮮な空気がある環境に移すことが重要です。症状が改善しない場合は、獣医師の診察を受けるべきです。

普段との行動の違いに注目する

鳥は体調不良を隠す傾向があるため、わずかな行動変化も見逃さないようにしましょう。

元気がなく、動きが少ない
羽毛をふくらませている時間が長い
食欲の減退
普段と違う場所で休んでいる

行動変化から見る酸欠の可能性
行動の変化 考えられる原因 酸欠の可能性
活動性の低下 様々な体調不良 中〜高(他の症状と併せて判断)
羽毛を膨らませている 体温調節・体調不良 低〜中(寒さによる場合も)
食欲不振 ストレス・病気 中(継続する場合は要注意)

鳥類は野生では弱さを見せると捕食者に狙われるため、具合が悪くてもできるだけそれを隠そうとする本能があります。そのため、飼い主は普段の行動パターンをよく理解し、わずかな変化にも敏感になることが大切です。

例えば、いつもは活発に動き回るのに動きが鈍くなった、普段は好んで食べる食物に興味を示さない、いつもと違う場所で長時間じっとしているなどの変化は、体調不良のサインかもしれません。

特に注意すべきは、これらの行動変化がアクリルケースの導入や設置場所の変更など、飼育環境の変化と時期的に一致している場合です。環境の変化によるストレスの可能性もありますが、換気不足による酸欠の初期症状である可能性も考慮する必要があります。

定期的な観察を習慣化し、鳥の「普段の状態」をよく知っておくことが、早期発見の鍵となります。

酸欠症状を見つけたときの対処法

酸欠の兆候を発見したら、迅速に対応することが重要です。

すぐにケースの扉を開けて換気を確保
鳥を新鮮な空気のある場所に移動
直射日光や冷気は避ける
症状が改善しない場合は獣医に相談

酸欠時の対応ステップ
対応手順 注意点 効果
ケースの扉を開ける 急な温度変化を避ける すぐに新鮮な空気を供給
鳥をケースから出す 穏やかに扱い、ストレスを与えない 直接新鮮な空気を吸わせる
様子を観察 回復兆候を見極める 症状の進行状況を把握
獣医へ連絡 症状を具体的に伝える 専門的なアドバイスと治療

酸欠症状を見つけたら、まず最優先で新鮮な空気を供給することが重要です。アクリルケースの扉を開け、必要であれば鳥を取り出して空気の循環が良い場所に移動させましょう。ただし、急激な温度変化はさらなるストレスになるため、直射日光や冷気の当たる場所は避けてください。

症状が軽度で、新鮮な空気を供給した後すぐに回復の兆候が見られる場合は、アクリルケースの換気方法を見直し、適切な対策を講じることで再発を防げる可能性があります。通気孔の増設や扉の隙間調整など、換気を改善する方法を検討しましょう。

一方、症状が重度である場合や、新鮮な空気を供給しても回復の兆候が見られない場合は、すぐに獣医師に連絡してください。この際、症状の詳細、発症時間、アクリルケースの使用状況など、できるだけ具体的な情報を伝えることが適切な対応につながります。

緊急事態に備えて、鳥に対応できる獣医師の連絡先を常に確認しておくことも大切です。

酸欠症状は他の病気の症状と似ている場合もあるため、判断が難しいことがあります。しかし、アクリルケース内で発生した症状である場合、まずは換気不足を疑い、新鮮な空気を供給することに害はありません。その上で獣医師の診断を受けることが最善の対応です。

アクリルケースで酸欠が起こる原因と対策

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

アクリルケースで酸欠が起こる原因を理解し、適切な対策を講じることが重要です。

換気不足の主な原因

通気孔の数が少ない、または小さすぎる
通気孔の位置が不適切(空気の流れができない)
扉や隙間を完全に密閉している
カバーで通気孔を塞いでいる

換気不足の原因と改善策
原因 問題点 改善策
通気孔不足 空気の入れ替わりが少ない 適切な数と大きさの通気孔を確保
通気孔の位置が不適切 空気の流れができない 対角線上など空気が流れる配置に
過度な密閉 空気が完全に閉じ込められる 適度な隙間を残す

アクリルケースでの換気不足は主に設計上の問題と使用方法に起因します。多くの市販ケースには標準で通気孔が設けられていますが、防音効果を重視するあまり数や大きさが不十分な場合があります。

特に注意すべきは通気孔の配置です。単に穴があるだけでは効率的な空気の入れ替えは期待できません。理想的には対角線上に通気孔を設け、空気の流れを作ることが重要です。例えば、右上と左下に通気孔があると、温度差による自然な対流が生まれやすくなります。

防寒対策としてケースにカバーをかける際に、通気孔を塞いでしまうケースも見られます。カバーは必要な保温効果をもたらしますが、完全に通気孔を塞ぐと換気が著しく悪化します。

改善策としては、既存のケースであれば追加で通気孔を開けたり、サイズを大きくしたりする方法があります。また、カバーを使用する場合は通気孔の位置を確認し、塞がないよう注意することが大切です。

鳥の大きさや数と必要な換気量の関係

鳥のサイズや飼育数によって必要な換気量は異なります。

大型の鳥ほど酸素消費量が多い
複数飼育の場合は換気量をさらに増やす必要がある
活発な鳥種は酸素消費量が増加する
若鳥は成鳥より代謝が活発で酸素消費量が多い

実際には、これらの要素を総合的に判断して適切な換気量を決める必要があります。市販のアクリルケースでは標準的な換気設計がされていることが多いですが、大型の鳥や複数飼育の場合は、標準よりも多くの通気孔が必要かもしれません。自作や改造を検討する場合は、鳥の特性に合わせた換気設計を心がけましょう。

酸素を消費する機器の使用に関する注意点

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

アクリルケース内や周辺で使用する機器にも注意が必要です。

カイロは酸素を消費して熱を発生させる
高温のヒーターはケース内の酸素量に影響する
密閉空間でのカイロ使用は酸欠の原因になりうる
適切な温度管理機器の選択と設置が重要

保温機器と酸欠リスク
機器 酸素消費 使用上の注意
カイロ 高い 密閉空間での使用は避ける
電気ヒーター なし(直接消費しない) 過度の高温は酸素濃度に影響する可能性
ペットヒーター なし(直接消費しない) 適切な温度設定と通気の確保

保温は鳥の飼育において重要な要素ですが、使用する機器によっては酸欠リスクを高める可能性があります。特に注意が必要なのは化学反応で熱を発生させるカイロです。

カイロは酸素と反応して熱を発生させる仕組みのため、密閉された空間で使用すると周囲の酸素を消費します。実際に、動物病院への移動時にカバンの中でカイロを使用した結果、鳥が酸欠で死亡したという事例が報告されています。

電気式のヒーターは直接酸素を消費することはありませんが、過度の高温は空気の膨張により相対的な酸素濃度を低下させる可能性があります。また、高温によって鳥の代謝が上がると、酸素消費量も増加します。

ペットヒーターを使用する場合は、適切な温度設定と十分な通気を確保することが重要です。理想的には、サーモスタットを使用して温度を管理し、30℃以下の適温を維持することが推奨されています。

また、保温目的でケースにカバーをかける場合も、通気孔を塞がないよう注意が必要です。完全に密閉すると、短時間で酸欠状態になるリスクが高まります。

適切な換気方法

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

アクリルケースを安全に使用するためには、適切な換気が不可欠です。効果的な換気方法を理解しましょう。

換気孔の数、大きさ、配置の最適化

換気効率を高めるためには、換気孔の適切な設計が重要です。

対角線上に換気孔を配置して空気の流れを作る
上部と下部に換気孔を設けて対流を促進
直径3cm程度の換気孔が標準的
鳥のサイズや数に応じて換気孔の数を調整

効率的な換気のためには、換気孔の数だけでなく、配置も重要です。理想的な配置は、熱の上昇による自然対流を活用するもので、下部に冷たい空気を取り込む孔、上部に温かい空気を排出する孔を設けるパターンです。

自作や改造を検討する場合は、プロが設計したものを参考にするとよいでしょう。アクリル加工は専門的な技術が必要なため、安全性を考慮して信頼できる業者に依頼することをお勧めします。

定期的な換気のタイミングと方法

アクリルケースの換気孔だけでなく、定期的な空気の入れ替えも重要です。

朝晩の世話のタイミングで換気する
鳥が活発に活動する時間帯は特に注意
長時間留守にする場合は扉を少し開けておく
二酸化炭素濃度計があれば定期的に測定

換気のタイミングと方法
タイミング 換気方法 注意点
朝の世話時 扉全開で10〜15分 急な温度変化に注意
日中(在宅時) 定期的に扉を開ける 鳥の活動量が多い時は特に重要
夜間/留守時 換気孔で対応 長時間の場合は扉を少し開けておく

通気孔があっても、長時間同じ空気の中で生活すると、徐々に二酸化炭素濃度が上昇します。特に鳥が活発に活動する時間帯は酸素消費量が増加するため、定期的な換気が重要です。

朝と夕方の餌の交換や水の取り替えなど、日常的なケアのタイミングで扉を開け、新鮮な空気を取り入れる習慣をつけるとよいでしょう。この際、10〜15分程度扉を全開にすることで、ケース内の空気を効率的に入れ替えることができます。

特に注意が必要なのは、長時間家を留守にする場合です。通気孔だけでは不十分な場合もあるため、扉を少し開けておくか、換気が確保される別の方法を検討するとよいでしょう。ただし、完全に開けると保温効果が失われるため、わずかな隙間を作る程度がおすすめです。

季節や温度に応じた換気の調整

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

冬は保温と換気のバランスに特に注意
夏は過度な温度上昇を防ぐため換気を増やす
季節の変わり目は温度変化に合わせて調整
サーモスタットを使用して適温を維持

季節別の換気調整
季節 課題 調整方法
冬(寒冷期) 保温と換気のバランス 通気孔を部分的に調整、定期的に短時間換気
夏(高温期) 過熱と湿度上昇 通気孔を最大限活用、扉を頻繁に開放
春/秋(中間期) 温度変化への対応 気温に応じて柔軟に通気調整

季節や室温に応じた換気方法の調整は、鳥の健康管理において重要なポイントです。特に冬場は、保温を優先するあまり換気が不十分になりがちなため注意が必要です。

冬季は、寒さから鳥を守るために保温が重要ですが、完全に密閉すると酸欠リスクが高まります。定期的に短時間だけ扉を開けて換気する方法も効果的です。

夏季は過熱のリスクがあるため、十分な換気が特に重要です。通気孔を最大限活用し、可能であれば扉を頻繁に開けて空気の流れを作りましょう。高温多湿の環境は呼吸器系の問題を引き起こす可能性があるため、温度と湿度の両方に注意が必要です。

季節の変わり目は特に注意が必要で、昼夜の温度差が大きい時期は、朝晩と日中で換気方法を変えるなど、きめ細かな対応が求められます。

サーモスタットを使用することで、ケース内の温度を適切に管理できます。一般的に健康な成鳥の場合、室温が20℃以上あれば常時保温の必要はありませんが、温度が下がる夜間や病気の時は保温が必要です。その際も換気を忘れないようにしましょう。

よくある質問と回答

鳥のアクリルケースで酸欠

アクリルケースの使用に関してよく寄せられる疑問にお答えします。

夜間や留守中の換気はどうすれば良いですか?

夜間や留守中も適切な換気を確保することは重要です。

基本的には通気孔による自然換気に頼ることになりますが、長時間の場合は追加の対策が必要かもしれません。通気孔の数が十分でない場合や、特に大型の鳥や複数の鳥を飼育している場合は、扉に少しだけ隙間を作っておくことも一つの方法です。

また、サーモスタットを使用して温度を管理している場合は、高温になりすぎないよう設定を確認しておきましょう。一般的に30℃以下が安全とされています。

アクリルケースの大きさと鳥のサイズの関係は?

アクリルケースのサイズは、中に入れる鳥かごと鳥のサイズに合わせて選ぶことが重要です。

基本的には、鳥かごの周囲に5〜10cm程度の余裕があると理想的です。この空間があることで、空気の循環が促進され、酸欠のリスクが低減します。また、ヒーターを外付けで使用する場合にも、適切な距離を確保できます。

アクリルケースが大きすぎる場合、部屋のスペースを取るだけでなく、保温効率も下がる可能性があります。逆に小さすぎると、空気の循環が悪くなり酸欠リスクが高まります。鳥の種類や数、使用目的に合わせた適切なサイズ選びが重要です。

防音性と換気のバランスはどう取るべき?

アクリルケースの重要な役割の一つに防音効果がありますが、換気とのバランスを取ることが課題です。

防音性と換気のバランスを取るためのポイントは

通気孔の位置を工夫する:対角線上に配置することで、音を吸収しつつ空気の流れを作れます
通気孔のサイズを調整する:多数の小さな穴は、少数の大きな穴より音を通しにくい傾向があります
扉の密閉度に注意:防音のために完全密閉すると換気が不足するため、適度な隙間を確保しましょう

防音効果と換気の両立は、鳥の種類や生活環境によって最適解が異なります。特に集合住宅で防音を重視する場合は、通気孔の数を減らすよりも、位置や形状を工夫したり、ケース内に吸音材を取り付けるなどの対策が効果的です。完全な防音と適切な換気の両立は難しいため、優先順位を考慮し、鳥の健康を第一に考えた選択をすることが大切です。

鳥のアクリルケースと酸欠への対策【総括】

鳥のアクリルケースで酸欠が起こる

鳥のアクリルケースを使用する際に知っておくべき酸欠対策のポイントをまとめました。適切な換気さえ確保すれば、アクリルケースは鳥の飼育において多くのメリットをもたらす優れたアイテムです。

鳥の大きさや数に応じて必要な換気量を調整する
開口呼吸などの酸欠症状に注意し、早期発見・対応を心がける
定期的な換気を習慣化し、特に鳥が活発な時間帯は注意する

カイロなど酸素を消費する機器の使用には特に注意する
季節や温度に応じて換気方法を調整し、保温と換気のバランスを取る

防音効果と換気のバランスには工夫が必要
自作は様々な面からリスキー。信頼できるメーカーの製品を選び、安全性を優先する

アクリルケースは保温、防音、飛散防止などの点で優れた飼育ツールですが、その利点を最大限に活かすには適切な換気管理が不可欠です。完全密閉の環境は避け、鳥の種類やサイズ、数に応じた十分な通気を確保しましょう。

実際の使用経験からは、標準的な通気孔があるケースでも定期的な換気が必要であることがわかっています。特に活動的な時間帯や、複数の鳥を飼育している場合は、より頻繁な換気が推奨されます。

また、鳥の行動をよく観察し、開口呼吸などの酸欠症状に注意を払うことも大切です。少しでも異変を感じたら、すぐに換気を行い、必要に応じて獣医師に相談しましょう。

適切な使用方法を守れば、アクリルケースは鳥と飼い主の双方にとって、快適で安全な飼育環境をもたらしてくれます。愛鳥の健康を第一に考え、適切な換気と定期的なケアを心がけましょう。

参考資料
日本獣医師会「エキゾチックアニマルの飼育ガイドライン」
環境省「動物の飼養及び保管に関する基準」
全国小鳥・小動物協会「適正な小鳥の飼育方法」
アクリル工房楽天市場店

インコの住環境
鳥かご用アクリルケース【防音・防塵・保温】

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アクリル工房の鳥かごアクリルケース:扉タイプ別の特徴比較
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開閉方式 両開き(蝶番式) 上に引き抜く 観音開き(マグネット固定) 片側開き(マグネット固定)
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保温効果 ★★★★☆ ★★★★★ ★★★☆☆ ★★★☆☆
操作性 ★★★★☆ ★★☆☆☆ ★★★★★ ★★★★☆
清掃容易性 ★★★★☆
(4.2点)
★★★☆☆
(3.9点)
★★★★★
(4.8点)
★★★★☆
(4.5点)
耐久性 ★★★★★ ★★★★☆ ★★★☆☆ ★★★☆☆
緊急時救出 20秒 18秒 15秒 12秒
設置スペース 前面に十分なスペースが必要 上方向に十分なスペースが必要 両側に開くスペース必要 片側に十分なスペースが必要
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