インコの日光浴ライトは健康維持に欠かせない紫外線を室内で安全に浴びせることができる便利なアイテムです。しかし「どれくらいの時間当てればいいの?」「設置方法や使う時間帯は?」など疑問を持つ飼い主さんも多いでしょう。
適切な日光浴はインコが体内でビタミンD3を生成するために必要不可欠で、このビタミンD3はカルシウムの吸収を助け、骨の健康維持に重要な役割を果たします。カルシウム不足はインコの骨粗しょう症やクル病、メスインコの場合は産卵障害のリスクも高めてしまいます。
理想的なのは自然の日光浴ですが、悪天候や気温が厳しい季節、日当たりの悪い住環境では難しいこともあります。そんな時に役立つのが日光浴ライト(UVライト)です。このライトを使えば天候や季節に関係なく、室内で安全に必要な紫外線を供給できます。
この記事では、インコの日光浴ライトの適切な使用時間や設置方法、選び方など、愛鳥の健康をサポートするための正しい知識をわかりやすく解説します。
インコの日光浴ライトの適切な照射時間と時間帯
インコの種類別に最適な日光浴ライトの使い方
日光浴ライトの正しい設置方法と注意点
自然の日光浴と日光浴ライトの使い分け方
日光浴ライトを選ぶときのポイント
日光浴ライトの正しい使い方を知ることで、インコの健康維持をより効果的にサポートできます。特に室内飼いのインコには大切な日光浴を補助するための知識として、ぜひ参考にしてください。
インコの日光浴ライトを使うシーンは?どんな時に使うの?
日光浴ライトをどんな時に使うのかは、住んでいる地域や環境、インコの状態によってさまざまです。
真夏や真冬など外気温が過酷な季節・悪天候・日当たりが悪い住環境
外気温があまりにも高い真夏や、真冬で気温が低すぎる時に屋外で日光浴をさせると、暑さや寒さからインコが体調を崩してしまう危険性があります。
そのような時に日光浴ライトを使用すると、外気温や天候を気にせず室内でゆっくりと日光浴ができます。
体調に影響するかどうかは鳥さんの状態次第だと思います。気温の変化に弱い仔は体調を崩すかもしれません。心配なようでしたら冬は紫外線ライトで代用しても良いと思います。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) December 22, 2020
インコが日光浴を嫌がる時・外敵に襲われる心配がある場合
インコの中には、屋外での日光浴を嫌がる個体もいます。屋外に出した時に暴れたり呼び鳴きが酷い時は嫌がっている証拠です。
そういった行動が見られた時は、ストレス軽減のためにも無理に外で日光浴をさせない方がいいです。
寒暖差に弱いインコを飼育している…特に雛と老鳥
雛鳥や老鳥、初めて冬を迎える若鳥は寒暖差に弱いので、室内で日光浴ライトで日光浴をさせる方が安心です。
ただしフンがいつもより緩かったり、羽を膨らませている時など体調が優れないサインが現れている場合は
日光浴は見送ってください。
紫外線を浴びることは体力を消耗するので、日光浴をするのは健康でコンディションが良い鳥に限ります。
インコの日光浴代わりのライト~日中不在がちで日光浴させるタイミングがない場合
飼い主さんが日中不在の家庭では日光浴ライトが活躍します。飼い主さんの都合に合わせてインコに日光浴をさせることができます。
鳥用日光浴ライトの選び方
インコの健康を維持するには、日光浴は欠かせません。
インコは太陽の光に含まれる紫外線を浴びることで、体内でビタミンD3を生成しますが、これはカルシウムを吸収するのに必要な栄養素。
主に骨の形成を補助する働きがあり、カルシウムが不足すると骨粗しょう症やクル病、メスは卵詰まりのリスクが高まります。
またビタミンD3不足はストレスがたまる原因ともされていて、精神面でも不安定になり、噛み癖や自咬、毛引きを起こす場合があります。
日光浴はインコにとって健康維持に必要不可欠であり、体内時計を整えて精神を安定させる大事な役割を持っているのですが…屋内の飼育下ではどうしても日光浴不足になりがちです。
そんな時には日光浴ライトを使ってインコに疑似日光浴させるのが効果的です。
インコの日光浴は毎日行うことが理想ですが、真冬で外気温が低い時、真夏の炎天下時、悪天候、留守がちな共働き家庭では思うように日光浴が出来ません。
窓際にケージやキャリーを置いても窓ガラス越しでの日光浴は紫外線が大幅カットされて日光浴の効果はありません。自宅の環境によっては日当たりの関係から日光浴が難しいことも。そんな時に便利なのが、インコの日光浴ライトです。
インコの日光浴ライトは室内で手軽に日光浴をさせることができ、気温や天候に左右されません。
ライトはフルスペクトラムライトを選ぶべし
太陽光に含まれる紫外線は、波長の長さによって「UVA」「UVB」「UVC」に分けられます。日光浴で得られる紫外線はUVAとUVBです。
フルスペクトラムライトとは自然の太陽光に近い紫外線を出すライトで、インコに照射することにより日光浴を行っているのと近い状態を再現できます。
日光浴ライトに保温効果はない
日光浴ライトの電球自体は熱をほとんど持たないため、保温目的には適しません。
鳥類用の日光浴ライトを選ぶべし
爬虫類用の紫外線ライトは種類が多く手に入りやすいですが、砂漠など太陽光の強い地域に住む種に合わせて、照射する紫外線を強く設定している商品が多いです。
鳥には弱い紫外線でよいので、強い紫外線と光は病気を引き起こしたり、鳥の目に障害が残るおそれがあります。必ず鳥専用日光浴ライトを選んでください。
え?!一緒じゃないんですか?!
知らなかったです(>_<)💦
今、「鳥用 UVライト」で検索しましたが、殆どが爬虫類、鳥用になっていたのですが…_(:3 」∠)_
おすすめのメーカーってありますか?
うちで今使っている物を調べたら爬虫類・鳥類用でした…_(:3 」∠)_— 🕊️鳥飼さろめ️🕊️ (@Salome4938) December 22, 2020
設置方法と取り扱いの注意点
インコの日光浴には、以下の点に注意して日光浴ライトを選びましょう
鳥用かどうか。鳥専用日光浴ライトを選ぶこと
照射できる紫外線の波長は?
ケージなどへの取り付け方の注意点は?
インコの日光浴ライトは真上から照射すること【鉄則】
鳥用の日光浴ライトは、必ず上からインコに照射するように設置してください。
横や下から照射してしまうとインコの目に直接紫外線が入り、白内障や角膜の炎症を引き起こすおそれがあります。
特に赤目(ブドウ目)のインコは紫外線から目を保護するメラニンという色素がなく、直接日光浴ライトを見てしまったときのダメージが大きいと言われていますので注意しましょう。
赤目は弱いと言われる理由はメラニンがないためです。メラニンは目も紫外線から保護しています。老齢性白内障の原因は紫外線である事が分かっています。目にメラニンがないと直接紫外線が入るため目の老化を早める可能性があります。赤目に限らず紫外線ライトは上から浴びるようにしましょう。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 14, 2021
ライトの適正距離を守ること
インコと日光浴ライトの適正距離は、商品によって差がありますが、概ね30~60cmが有効照射距離に設定されています。
商品の取扱説明書に従って正しく設置して使用してください。
日光浴ライトがぐらつかないように設置すること
日光浴ライトがぐらつかないよう、しっかりとクリップで固定します。スタンド型は、スタンドが倒れる危険がないように安定した場所に設置しましょう。
クリップで日光浴ライトを取り付ける場合は、クリップにインコの羽や足がはさまらないように注意します。
放鳥して使用するときは、インコがライトに近づきすぎたり倒したりしないよう、目を離さないでください。
ガラス越し・アクリル越しでは日光浴にならない
ガラスやアクリルは紫外線を通さないので、鳥用アクリルケースに入れた状態で日光浴ライトを照射しても意味がありません。
日光浴ライトをケージに設置する場合はケージの天井が網状になっていて紫外線が直接インコに届くように設置します。
ケージ内全体に照射されるのではなく陰になるよう仕切りやシェルターを置き、インコが自分で移動して紫外線を好きに浴びられるように工夫してください。
照射時間と時間帯は?
uvライトの照射時間はどれくらいがいいのか?
そして商品や使用する鳥の種類、個体差、部屋の環境によって変わります。
大手メーカーは6~8時間を推奨していますが、短時間から始めて、飼っているインコの体調や羽毛の様子などを見ながら適切な時間を探っていくとよいでしょう。
購入した日光浴ライトの取り扱い説明書にしっかり目を通して正しく使用してください。
紫外線の効果を調べた研究では、12時間点けていました。そのくらい点けておくことをお勧めしてます。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) January 15, 2021
以下は、フルスペクトラムライトの使用時間量に関する記述で、雑誌「コンパニオンバード№02」からの引用です。
以下の使用時間量は2003年9月にタミー・ジェンキンズ博士と会話を交わした時点での現在値です。
ほとんどの小型鳥(オカメインコ、パラキート、ラブバード、カナリア、フィンチなど):1日最大1~2時間
ほとんどのアフリカ原産のインコ・オウム類(ヨウム、ハネナガインコ属、そしてまず間違いなくバーサパロットも) オオハナインコ、カカトゥー:1日最大4~6時間
その他のすべての鳥(南米原産の鳥を含む):最大2~4時間
via:コンパニオンバード№02
ありがとうございます!
それでは時間が短かったんですね
12時間を目安につけるようにします!— Soranano (@Sora40962764) March 7, 2021
日中に照射する
日光浴ライトは、自然と同じように日中に照射しましょう。
夜間に照射してしまうと生活リズムが崩れてインコの体調不良の原因になります。
また、日中でも照射時間が長すぎると生活リズムに影響し、発情を招くおそれもあります。
日中に家におらず帰りも遅いという方は、休みで家にいる間だけ照射するか、時間を設定してON/OFFできるタイマーを併用しましょう。
【時間帯】1日のうちで通常、最も明るい時間帯にライトがつくようにタイマーを設定することもとても重要です。そうすることによって、鳥が感知する光周期の合計時間がオーバーしないようにします。
たとえば、ライトを1日6時間つける場合は、午前9時から午後3時の間が適した時間帯です。この時間帯だと鳥の光周期が長引きません。私たちが住んでいるミネソタ州のように、冬季の間、戸外の日照時間がかなり短い地域に住んでいるのであれば、夕方5時以降にライトをつけていると光周期の時間帯を超えてしまうかもしれません。
via:コンパニオンバード№02
日光浴ライト使用中(初回や慣れていない時)はインコをよく観察すること
日光浴ライトを初めて使用するときやインコが日光浴ライトに慣れていないうちは、できる限りインコを見守り、体調や様子の変化に気を配ります。
インコにとって日光浴ライトは見慣れないもので、個体によっては日光浴ライトの存在がストレスで体調を崩しかねません。
インコが嫌がっているときは無理に日光浴ライトを使用せずすぐに取り外し、様子を見ながら利用するようにしてください。
そもそも日光浴ライトは日光浴不足の補助に使うのが正しい利用法です。
できる限りナチュラルな日光浴をこまめにさせつつ、不足を補助する意味で日光浴ライトを利用することをおすすめします。
よくある質問
日光浴ライトについて飼い主さんから多く寄せられる質問にお答えします。
日光浴ライトはどの時間帯に使うべきですか?
日光浴ライトは自然の日光と同じように日中に使用するのが最適です。午前9時から午後3時頃までの間に使用するとインコの自然な生活リズムを維持できます。
朝から昼間の時間帯に照射する
夕方以降や夜間の照射は避ける
インコの睡眠時間を確保するため就寝前数時間は照射しない
夜間に照射すると生活リズムが乱れ、インコのストレスや体調不良の原因になります。
日光浴ライトとケージの適切な距離はどれくらいですか?
日光浴ライトとインコの間の適切な距離は、製品によって異なりますが、一般的には30~60cm程度が推奨されています。
商品の取扱説明書に記載されている距離を守る
近すぎると紫外線が強すぎてインコの目や皮膚にダメージを与える可能性がある
遠すぎると効果が薄れる
商品の説明書を必ず確認し、適切な距離を保つようにしましょう。
鳥に日光浴ライトを使うときの注意点はありますか?
日光浴ライトを使用する際は、以下の点に注意しましょう。
かならず「鳥類用」の日光浴ライトを選ぶ
ライトは必ず上から照射する(横や下からの照射は避ける)
アクリルケースやガラス越しの照射は効果がない
ライトがぐらつかないようにしっかり固定する
赤目(ブドウ目)のインコは特に紫外線の影響を受けやすいので注意が必要
特に赤目のインコは紫外線から目を保護するメラニン色素が少ないため、より慎重に使用する必要があります。
自然の日光浴と日光浴ライトはどちらが良いですか?
基本的には自然の日光浴の方が理想的ですが、天候や季節、住環境によって常に自然の日光浴ができるとは限りません。
自然の日光浴が最も理想的
日光浴ライトは自然日光浴の補助として活用する
悪天候や気温が厳しい季節には日光浴ライトが安全
可能な限り自然の日光浴を取り入れつつ、不足分を日光浴ライトで補うという考え方が最適です。
インコの日光浴ライトの適切な使用時間と設置方法【総括】
鳥専用の日光浴ライト(フルスペクトラムライト)を選ぶことが重要
爬虫類用ライトは紫外線が強すぎるため使用しない
日光浴ライトはインコから30~60cm離して設置する
ライトは必ず上から照射し、横や下からの照射は目に悪影響
ガラスやアクリル越しの照射では紫外線が遮断され効果がない
赤目(ブドウ目)のインコは紫外線に特に注意が必要
初めて使用する際は短時間から始め、インコの様子を観察する
具体的な照射時間等は小鳥の病院で血液検査をして決めるのが理想的
日光浴ライトは日光浴の補助としての使用が理想的
ビタミンD3生成のため定期的な日光浴はインコの健康維持に重要
愛鳥の健康を考えて、できるだけ自然の日光浴を取り入れつつ、不足分は適切な日光浴ライトで補っていきましょう。正しい使い方でインコの健康をサポートすれば、元気で長生きするパートナーとして一緒に過ごす時間をより豊かにできます。