前回の記事 の続きです。今回は、セキセイインコのメガバクテリアと疥癬症の併行治療と食餌指導について紹介します。
メガバクテリア症と疥癬症を同時に発症してしまったセキセイインコのレモンちゃん。この2つの病気の併発は珍しいことではありません。
この記事では、45日間にわたるメガバクテリア治療の実際と、同時に行われた疥癬症の治療、そして治療の成功に欠かせない食餌管理について、実体験を基に詳しく解説していきます。
メガバクテリアと疥癬症の併行治療の実際の流れ
シードからペレットへの切り替え成功の秘訣
ハリソンペレットの効果的な活用法
治療にかかる具体的な費用(約4万円の内訳)
病気の早期発見のポイントと予防策
メガバクテリアの投薬治療と食餌指導
動物病院の食餌指導を受けてペレット切り替えを決行
セキセイインコの飼い主の寄稿
メガバクテリア症と疥癬症を同時に発症したレモンは、メガバクテリア症の治療を優先することになり、45日間の投薬が始まりました。そして私はレモンの食生活を本格的に見直すことにしました。
食生活の見直しを強く決意したのは、この動物病院を最初に受診した際に、獣医から食餌指導を受けたことがきっかけでした。獣医からはレモンの餌をシードではなく、ペレットに切り替えることをすすめられたのです。
これはレモンが病気になる以前から私自身がずっと気にしていたことです。これまで何度か挑戦するも、レモンが頑としてペレットを食べてくれないので、半ば諦めていたのでした。
しかしシード中心の食生活では栄養が偏ってしまうから良くないとの指摘を受けたのです。
カトルボーンの食べ過ぎは消化に負担がかかると指摘され…
ペレット切り替えのほかにもう1点、獣医から指摘されたのがカトルボーンでした。
私はレモンのケージの中に、カトルボーンを常に入れていましたが、獣医はカトルボーンを撤去するように言いました。
この食事指導の時に、病院からインコのペレットのサンプル品をいただいて帰りました。
ペレットをまったく受け付けなかったセキセイインコがハリソンペレットを完食!?
ペレットへの切り替えは、レモンが病気になる前から何度か試みていたことで、その難しさには頭を悩ませていました。
ペレットのみを与えてレモンと飼い主の我慢比べをしたこともありますが、ほかに食べるものがなくてもレモンは頑なにペレットを食べようとしませんでした。
そんな時、ペレットへの切り替えについてネットで検索をしていたら「まずはペレットの味に慣れてもらうことから始めると良い」という情報を見ました。
それはペレットを砕いて粉末状にしてシードに混ぜるやり方で、粉末状にすることにより、シードを食べた時に自然と口の中にペレットの粉が入り、だんだんとペレットの味に慣れてくるというものでした。
なるほどな…と思った私は、早速それを実行に移そうと思いました。そこで病院からもらってきたペレットのサンプルを確認していると、その中にすでに粉末状になったペレットがあることに気付きました。
『ハリソン ハイポテンシーマッシュ』
どのような商品かを調べてみると「ハイポテンシーマッシュは高栄養価の粉末状のペレットで、換羽期や病気からの回復時などに適している」とのこと。このときのレモンにまさにピッタリなものでした。
私はいつものシードの中にハリソン ハイポテンシーマッシュを少量混ぜて、おそるおそるレモンに与えてみると、レモンは何の抵抗もなく食べ始めるではありませんか!
「これはイケる!」と確信した私は、翌日にはシードを前日よりも少なくして、その分ペレットを多めに入れてみましたが、これまた意外にも普通に食べています。
私はこの状態を3日ほど続けました。そして最終的にハイポテンシーマッシュだけを与えてみたところ、レモンは問題なく完食したのです。
今まで別の数種類のペレットを与えても頑として口にしなかったレモンでしたが、ハリソンハイポテンシーマッシュの味は彼女の好みに合ったのでしょう。100%のペレット切り替えにあっさりと成功したのです。
食生活がペレットに切り替えられたことにより、私の気持ちが軽く楽になりました。ハリソンは保存料、添加物、着色料など一切不使用。完全有機原料のみを使った高品質な100%オーガニックペレットなので、安心して与えることができました。
大家族の我が家では病鳥さんや低体重の子の必需品です。普段は月にひとつ使う位ですが先月はオカメインコが病院帰りにパニックを起こしごはんを食べなくなったのでしばらく給餌して置き餌で、ハリソンマッシュをシードの上にたっぷりかけて食べて無事元気になりました。毎日、給餌の必要な両足の不自由な文鳥さん、給餌後に口周りなど拭くので少し薄毛だったのが置き餌でシードの上にたっぷりかけて与えたらホワホワになりました。
引用元:飼鳥用品専門店BIRDMORE楽天市場店
鳥専門病院で、弱っている時にお勧めと聞いていました。セキセイインコが胃腸炎になり体重が減ってしまったので購入。お陰様で少しずつ体重と元気が戻ってきました。単独での食いつきはあまり良くないですが、マッシュタイプなので他のペレットにまぶして食べてもらっています。お値段高めですが、愛鳥の命を救ってくれたので有難いです。
引用元:バードモア(Yahoo!ショッピング)
餌をシードからペレットに切り替える時にもスムーズに移行できると評判が高いのもハリソン社のペレットの特徴です。鳥たちの嗜好性も考え併せて作られている商品だからこそなせるわざでしょう。
ハイポテンシーマッシュだけでなく他のラインナップの口コミを見ても、ペレットに対する鳥のし好性の高さにおいて、ハリソンは定評があるようです。
鳥は正直ですからマズければ食べません。ペレット切り替えにはいろいろな方法がありますが、その成否はやはり「鳥の好みの味かどうか」で決まることに合点がいきました。


メガバクテリアと疥癬症のダブル治療がスタート
その後、メガバクテリア治療の通院は2週間に1度になり、その都度フンの検査をして真菌のチェックが続きました。フン検査では真菌は完全に消滅していてメガバクテリアの治療は順調そのものでした。
疥癬症の治療がスタート
レモンの体調も良かったことから、いよいよ疥癬症の治療を、メガバクテリア治療と併行することになりました。
疥癬症の治療は一定間隔で合計3回。獣医が直接投薬を行うもので、私自身が何かすることはありません。治療を行っている時には私は待合室で待機するよう言われ、診察室から聞こえるレモンの「キー!キー!」という叫び声にハラハラしながら待つのみでした。
疥癬症の治療の効果はすぐに発揮され、インコの足バタバタが次第になくなっていきました。昼夜に繰り返されていたあの足踏みがまるで嘘だったかのように、レモンは従来の落ち着きを取り戻したのです。
メガバクテリア症と疥癬症の併行治療は順調に進み、最後の通院日、
長かった通院生活にいったんピリオドが打たれ、私は病院を後にしました。
インコの足バタバタに最初に気が付いたのは夏でしたが、全ての治療が終わる頃には、季節は秋へと移り変わっていました。
ここまでの治療費は40,000円(誤診も入れたら53,000円)
セカンドオピニオンで訪れた現在の動物病院でメガバクテリア症と疥癬症の同時治療にかかった費用は、全部で約4万円ほど。大きな出費となりました。
いつもの診察や糞検査、薬の処方、皮膚検査が加わった日の会計は特に高くなり、1回の支払いが1万円を超えることもありました。
最初に通った病院では通院すること3回、誤診された上に治療の進展はゼロでしたが、それでも合計で13,000円もの治療費がかかりましたから、ここまでで53,000円もの病院代を捻出したことになります。
ペットとしては格安でお迎えできるセキセイインコですが、病気になると治療費はバカになりません。ただ「かわいいから飼いたい」など甘い考えでは飼育できない…と改めて感じました。
メガバクテリアと疥癬症のダブル治療を終え、平和な日常が戻ってきたとホッとしたのはほんの2ヶ月…メガバクテリアとの闘いはこれで終わったわけではありませんでした。
【この回の体験談はここまで】 この記事には続編があります(後日掲載)
併行治療における注意点と食事管理の重要性
メガバクテリア症と疥癬症の併行治療では、薬物相互作用や体力維持など、特別な配慮が必要となります。
併行治療で注意すべきポイント
複数の疾患を同時に治療する際は、以下の点に特に注意が必要です。
薬物の相互作用の確認
投薬間隔の適切な管理
肝機能への負担の考慮
体重と体力の維持
ストレス管理
管理項目 | 具体的な対策 | 頻度 |
---|---|---|
体重測定 | 毎日同じ時間に計測 | 毎日 |
食事量チェック | 摂取量の記録 | 毎食 |
便の観察 | 色、形状、内容物の確認 | 毎日 |
行動観察 | 活動性、羽づくろいの頻度 | 常時 |
特に消化器系に影響を与えるメガバクテリア症の治療中は、栄養管理が極めて重要となります。
ペレット切り替えの具体的方法とメリット
シードからペレットへの切り替えは、病気の治療においても重要な役割を果たします。成功のポイントは以下の通りです。
段階的な移行(混合比率の調整)
嗜好性の高いペレットの選択
粉末状ペレットの活用
食事時間の管理
根気強い取り組み
日数 | シード:ペレット比率 | 観察ポイント |
---|---|---|
1-3日目 | 90:10 | ペレットを認識するか |
4-7日目 | 70:30 | ペレットを食べ始めるか |
8-14日目 | 50:50 | 体重の変化 |
15日目以降 | 30:70〜0:100 | 完全移行の可否 |
ペレット食のメリットは、栄養バランスの改善、肝機能への負担軽減、そして治療効果の向上につながることです。
よくある質問と回答
セキセイインコのメガバクテリア症は完治しますか?
メガバクテリア症は適切な治療により完治可能な疾患です。ただし、指定された投薬期間を守ることが重要で、途中で治療を中断すると再発のリスクが高まります。治療後も定期的な検査により再発の有無を確認することが推奨されます。
疥癬症の治療中に注意すべきことは何ですか?
疥癬症の治療中は、感染拡大の防止が最重要です。多頭飼育の場合は感染個体の隔離、ケージや止まり木の定期的な消毒が必要です。また、初期段階なら治療は通常3回の投薬で完了しますが、獣医師の指示に従って最後まで治療を続けることが大切です。
ペレットへの切り替えがうまくいかない場合はどうすればよいですか?
ペレットへの切り替えは個体差が大きく、すぐに成功しないことも多いです。まずは嗜好性の高いペレット(ハリソンなど)を選び、粉末状のものをシードに混ぜることから始めましょう。
治療中のセキセイインコのストレス管理はどうすればよいですか?
治療中のストレス管理は回復に大きく影響します。静かで落ち着いた環境を提供し、急激な温度変化を避け、十分な休息時間を確保することが大切です。また、投薬のストレスを最小限にするため、できるだけ手早く処置を行い、その後は好物のおやつを与えるなどの工夫も効果的です。
セキセイインコのメガバクテリアと疥癬症の併行治療と食餌指導【総括】
メガバクテリア症と疥癬症の同時発症は珍しくないが適切な治療で完治可能
シードからペレットへの食餌切り替えが治療効果を高める
ハリソンハイポテンシーマッシュは嗜好性が高く切り替えに最適
カトルボーンの常時設置は消化器官に負担がかかる
併行治療の費用は約4万円程度、誤診を含めると5万円超
早期発見・早期治療が予後を大きく左右する
定期的な体重測定と便の観察が病気の早期発見につながる
治療中のストレス管理が回復に大きく影響
専門性の高い動物病院選びが治療成功の鍵
ペレット食は栄養バランスに優れ飼い主の負担も軽減
治療後も定期的な検査で再発予防が重要
セキセイインコの健康管理は飼い主の観察力と適切な判断にかかっています。今回の体験談からも分かるように、適切な治療と食事管理により、複数の疾患を同時に抱えていても回復は可能です。ペットとしての可愛さだけでなく、病気になった時の責任も含めて飼育を考えることが大切です。愛鳥の健康を守るために、日頃からの観察と早めの対応を心がけましょう。
この記事には続編があります(後日掲載)