コザクラインコの鳴き声は本当にうるさい?【飼い主の体験談】

コザクラインコの飼い主の寄稿
コザクラインコは声が大きく、よく鳴くため「うるさい」とネガティブなイメージを持たれてしまうことがあります。たとえペット可の物件でも、集合住宅では飼いづらいかも…と不安になるかもしれませんが、本当のところはどうなのでしょうか?
実際にコザクラインコを飼育している私が、本当にコザクラインコはうるさいのかどうか、マンション住まいのわが家でどのような対策を取っているのかを紹介します。
コザクラインコの鳴き声は大きい?わが家の環境
結論から言うと、コザクラインコの鳴き声は確かに大きいです。体が大きい分、セキセイインコよりもうるさく感じます。マンションなどの集合住宅や住宅密集地に住んでいる場合、何らかの防音対策が必要になります。
わが家の住まいは比較的壁がしっかりした分譲マンションで、未就学児がいるお隣さんの声も聞こえてきたことがありません。とはいえ、幼児の声より鳥の声の方がよく響いてうるさいだろうと思うので、油断は禁物です。
わが家の対策まとめ
- 保温目的でアクリルケースを使用(結果的に防音にもなった)
- ケージを壁から離して配置
- 窓を開け放つ季節やベランダ日光浴時は特に注意
- 鳴く理由を理解して、会話で呼び鳴きを減らす工夫
しかし、鳥が鳴くのは自然のことなので、鳴くな!と言うわけにもいきません。人間の都合でここにいるのですから、お迎えした人間の責任でなんとか工夫するしかありません。
最低限の防音対策は必要だが、愛情で乗り越えられる
壁の薄い集合住宅だと心配になることもあるでしょう。アクリルケースの活用やケージの配置の工夫など、最低限の対策は必要です。
物理的な防音対策に頼れない場合は、「鳥の幸福度を上げるためにさらに何ができるのか?」と考え、「なぜ鳴くのか」その理由や根本原因を考える必要が出てきます。これについては後ほど詳しく解説します。
コザクラインコの鳴き声の種類と意味

コザクラインコの鳴き声には様々な意味があります。鳴き声を理解することで、ストレスの軽減や対策にもつながります。それぞれの鳴き声の特徴と意味について解説します。
「ピィピィ」「ピュルルル」甘える・呼ぶ声
コザクラインコが飼い主に甘えている時や、呼びかけている時に出す声です。柔らかく高めの「ピィピィ」や、トリルのような「ピュルルル」という音が特徴です。
この鳴き声が聞こえる場面
- 飼い主の顔を見た時、撫でてほしい時
- ケージから出してほしい時
- 一緒に遊びたい時
- 「ちょっとかまって欲しい」という軽い要求
この鳴き声は、コザクラインコが飼い主を信頼している証拠です。優しく応えてあげることで、さらに絆が深まります。
「ピピピピ」「ピロピロ」「クルクル」楽しい・ご機嫌な声
放鳥時に飛び回る時や、おもちゃで遊んでいる時など、テンションが上がっている時に出す声です。早口で連続した「ピピピピ」という音や、音階が上下する「ピロピロ」、リラックスした「クルクル」「ゴニョゴニョ」という囀りが聞こえます。
コザクラインコが楽しんでいる証拠なので、危険がなければそのまま見守りましょう。ご機嫌で遊んでいて楽しそうに鳴くのは、飼い主にとっても嬉しい瞬間です。
「ギャーギャー」「ギャッ!」怒り・警戒の声
コザクラインコが怒っている時や、何かに警戒している時に出す声です。「ギャーギャー」という大きく鋭い声や、「ギャッ!」という短く強い一声が特徴です。
この鳴き声が聞こえる場面
- 触られたくない時に触られた
- 縄張りに侵入された(他のペットなど)
- 見慣れない物や音、突然の大きな音に驚いた
- 窓の外に鳥や猫が見えた時
突然の物音や見慣れない人・物に対して、コザクラインコは警戒鳴きをします。この鳴き方は短く鋭い特徴があり、仲間に危険を知らせる役割があります。自然界では捕食者から身を守るために発達した行動なので、飼育下にあっても本能的に現れます。
この声を無視して無理に触ると、噛まれる可能性があります。コザクラインコが落ち着くまで距離を取り、原因を取り除いてあげましょう。
「ピーーー」呼び鳴き(最も大きい声)
朝や夕方に特に大きな声で鳴くのが、この呼び鳴きです。「ピーーー」と長く伸ばした声で、仲間を呼ぶサインです。飼い主が姿を見せなくなったり、別の部屋に行ったりすると、不安になって呼び鳴きをすることも多いです。
コザクラインコは群れで生活する鳥なので、仲間との繋がりを確認するために鳴きます。これは「どこにいるの?」という気持ちの表れであり、近隣トラブルの原因になりやすい鳴き声でもあります。
コザクラインコの鳴き声の大きさと騒音レベル【数値で理解する】

コザクラインコの可愛らしい鳴き声の裏には、実は驚くべき騒音レベルが隠れています。コザクラインコの鳴き声は85~95dBに達することがあり、これは救急車のサイレンや地下鉄の車内に匹敵する音量です。
コザクラインコの鳴き声は「高周波」が特徴
コザクラインコの鳴き声で特に注意すべきなのが、高周波(高い音)の成分が多いという点です。一般的に、体格が大きいインコほど声も大きいのですが、コザクラインコはセキセイインコよりも約1.5~2倍ほど大きく感じられることが多く、特に興奮したときの鳴き声は貫通力があります。
高い音は以下の特性があります:
- 壁やガラスを突き抜けやすい
- カーテンや布では防ぎにくい
- 隙間から漏れやすい
- 遠くまで届きやすい(隣の部屋や廊下まで響く)
つまり、セキセイインコやオカメインコよりも、防音対策が難しいのがコザクラインコの特徴です。特にマンションやアパートで飼育する場合、隣室や上下階への音漏れには十分な注意が必要です。
鳴き声のタイミングと頻度
コザクラインコは時間帯によって鳴き方が変わります。特に朝日が昇るころと夕方の時間帯に活発になる傾向があります。これは野生下での生活リズムが関係しています。
朝は「起きた!」という元気な鳴き声、夕方は「ねぐらに帰るよ」という呼びかけの鳴き声が特徴的です。昼間は比較的静かな時間が多く、夜間はほとんど鳴かないことが一般的です。
特に早朝と夜間の鳴き声は、近隣トラブルの原因になりやすいため、物理的な防音対策が必須と考えてください。
コザクラインコが鳴く理由を深く理解する

コザクラインコの鳴き声対策を考える前に、まず「なぜ鳴くのか」を理解することが重要です。特に呼び鳴きは、命の危機に匹敵する「不安」からくるものだと知ることで、飼い主の対応も変わってきます。
呼び鳴きは命の危機に匹敵する「不安」からくるもの
自然界において非捕食者であるコザクラインコのような小鳥たちは、身を守り生き延びるため、常に食べ物のありかや天敵の位置情報などを仲間同士で教え合います。その際、より多くの仲間へ情報を伝えるため、遠くまでよく響く声が役に立ちます。
本来、生きるために重要な役割を果たしている鳥の声が、人間との生活の中で「騒音」となってしまうのは悲しいことですが、鳥の声を単なる「騒音」とするか、家族の大切な「声」と捉えるかは、人間の裁量次第なので致し方ありません。
呼び鳴きが起こる心理
人間には仕事もあるし、買い物に出かけたり家事をしたりと、ケージの中で暮らす鳥の視界から見えなくなってしまう時間が、どうしても発生してしまいます。そのとき、愛鳥が「行かないで!」「どこにいるの?」と激しく鳴くことがあります。これが「呼び鳴き」です。
群れで生活するコザクラインコにとって「ひとりぼっち」になることは、命の危機にも匹敵する極めて不安な心理状況にあるのです。
人間が社会生活を営む上で、愛鳥の視界からたびたび消えてしまうことは仕方がありません。鳥の全ての要求に完璧に応えることは現実的に不可能ですが、そのたびに愛鳥が痛切な思いを抱え、必死で鳴き叫ぶことは、決して仕方のないことではありません。
呼び鳴き以外の理由も理解する
呼び鳴き以外にも、コザクラインコが鳴く理由はいくつかあります:
- かまって欲しい、遊んで欲しい
- 退屈している
- お腹が空いている、水が欲しい
- 寂しい、不安を感じている
- 単純に楽しくて興奮している
鳥が鳴くことを、完全に防ぐことはできませんし、彼らは寂しいとき、悲しいときにだけ鳴くわけでもありません。楽しいとき、気持ちがいいとき、嬉しいときにも鳴いてくれます。
愛鳥の声を受け止め「なぜ鳴いているのか」「何を伝えようとしているのか」を考える努力を惜しまなければ、飼い主が無駄な呼び鳴きに悩むこともなくなるのではないでしょうか。
呼び鳴きを減らすための3つの施策【体験談】

コザクラインコの飼い主の寄稿
呼び鳴きを減らすことは、わが家にとっても重要な課題のひとつでした。ご近所への騒音問題の他、呼び鳴き自体を愛鳥のストレスのあらわれと考えたとき、無視も放置もできませんでした。
そこで以下の3つの方法を提案します。完全に鳴かせないことは不可能ですが、呼び鳴きの頻度を減らすことは可能です。
【方法1】コザクラインコと「会話」する
わが家では、とにかく鳥と「会話する」これを重視しました。鳥は知能の高い生き物です。毎日話しかけていると、かなり多くの言葉を理解していることが分かります。
わが家の成功体験
たとえば「1時間くらいで戻ります」などと伝えてから出かけると、だんだんと時間の感覚がつかめるようになるのか、納得してくれるようになりました。
ただし「1時間くらいで戻ります」と言って出かけたにもかかわらず、3時間後くらいに帰宅してしまうと、ちょっと怒られます。そんなときはしっかり謝罪し、おやつを進呈するか一緒に遊ぶかして、誠心誠意 許しを請います。
そんなことを繰り返しているうちに、呼び鳴きは次第に軽減されるようになりました。
「1時間で戻る」と伝えて本当に守ることで、コザクラインコとの信頼関係が築かれます。約束を破ったら謝る。これは人間関係と同じです。
【方法2】「ちょっとかまってほしい」願望を満たす
またコザクラインコは「ちょっとかまって欲しい」ときに鳴くことがあります。そんなときは名前を呼んだり「どうしたの?」「今日も可愛いね」など、顔を見て(見せて)声をかけたりすると、落ち着くことが多いようです。
鳥が静かにしているときにも「いいお天気だね」「ご飯食べた?」など、日常的に「雑談」のような会話を楽しんでいます。
私たちは共に暮らす同じ群れの仲間なのだと、人間の側からコザクラインコへ向けてこまめに確認したり、メッセージを送ることも大切です。これらを繰り返すことで鳥が安心感を得られるようになり、結果として呼び鳴きの低減につながります。
【方法3】退屈を紛らわせる工夫をする
一羽飼いのコザクラインコは、特に寂しがりやです。以下の方法で退屈を紛らわせましょう:
- フォージングトイ(餌探しおもちゃ)を導入
- 鏡やベルなど、遊べるアイテムを増やす
- おもちゃを定期的に入れ替えて新鮮さを保つ
- 留守番中はラジオやテレビをつけておく
- 十分な遊び時間や刺激を与えてエネルギーを発散させる
定期的におもちゃを交換したり、複数のインコを飼うことで寂しさからくる鳴き声を減らせることもあります。ただし、十分な放鳥時間を確保して疲れてもらうことも有効です。
ある程度は諦めて覚悟することも必要
コザクラインコの個性もあるので、どんなに工夫しても鳴き声が大きい子もいます。完璧を求めすぎず、「鳴かせない」ではなく「鳴き声を外に漏らさない」という発想の転換が、飼い主にも鳥にもストレスのない解決策です。
呼び鳴きを減らす具体的な方法については、以下の記事でも詳しく解説しています:
コザクラインコの防音対策【高周波対応が必須】

コザクラインコの高周波の鳴き声を防ぐには、通常の防音グッズでは不十分です。ここでは、実際に効果のあった防音対策と、それぞれの遮音効果について解説します。
まずは「0円でできる配置テクニック」から
いきなり防音グッズを買う前に、まずはケージの配置を見直すだけで、音の伝わり方は大きく変わります。
効果的な配置のポイント
- 隣室との壁から最低1m以上離す(音は距離の2乗で減衰)
- 窓から離す(窓は音が最も漏れやすい)
- 部屋の角ではなく中央寄りに置く
- 床置きではなく、台の上に置く(高さ50cm以上)
防音の目的で家の中でなるべく壁から遠い位置にコザクラインコのケージを置いたり、壁に簡易的な防音材を貼ったりすることも十分に効果があります。これだけで体感的に「少し静かになった」と感じるはずです。
鳥かご用アクリルケースが最も効果的【体験談】
コザクラインコの飼い主の寄稿
コザクラインコの鳴き声は思いのほか大きく、特に集合住宅では近隣トラブルの原因になりかねません。そこで効果的なのがアクリルケースの活用です。防音と保温の両方に役立つこの方法を実際の体験をもとに解説します。
保温する季節はアクリルケースを利用(結果的に防音にも)
わが家では、保温の目的でコザクラインコのケージをアクリルケースで覆っています。結果的にこれが防音の役目も果たしてくれることになり、騒音が少し軽減されたように思います。
アクリル製のケースは透明度が高いので、部屋の雰囲気を崩さずインテリアの邪魔になりません。ケージをただ室内に置くだけよりも格段に見栄えが良いので人気があります。
中にいるインコも外がクリアに見えるため、視覚的にはストレスを感じづらく、飼い主とのコミュニケーションを取りやすいことがメリットです。
なぜアクリルケースが高周波に効果的なのか
アクリルケースが高周波に強い理由は以下の通りです:
- 密閉性が高く、隙間からの音漏れを防ぐ
- アクリル板自体が音を反射・吸収する
- 厚手(5mm以上)なら高周波もしっかり遮断(-20~-30dB)
- 保温効果も兼ねられる(冬場に便利)
アクリルケースの選び方のポイント
コザクラインコには5mm以上の厚手タイプを選ぶことが重要です。3mm以下の薄手タイプでは、高周波を完全には防げません。また、扉の開閉がスムーズで、換気口がしっかり確保されているものを選びましょう。
生まれた国や暮らしていた地域によってインコの気温への耐性は異なりますが、季節の変わりめや寒暖の差が大きすぎる時には保温が必要になる場合もあります。老鳥になると調整能力が落ちますので、雛鳥ほどではないにしても保温による温度調整が必要です。
アクリルケース使用時の注意点
インコアクリルケースはアクリル板で覆われているため、保温対策に適しています。インコが日常を過ごしているケージを丸ごとアクリルケースに収納できるので、インコに保温や隔離が必要になった時、プラケースや水槽に移動させられるよりもだいぶ鳥のストレスが軽減されます。
- 換気口を必ず確保する(酸欠防止)
- ヒーターを使う場合は、内部の気温に見合ったワット数を選ぶ。サーモスタットも必須
- アクリルは意外と耐熱性が弱いので、大きめサイズやワット数調整が必要
- 夏場は温度が上がりすぎないよう注意
- 定期的に掃除してクリアな視界を保つ
アクリルケースの中にペットヒーター(保温電球)とサーモスタットを設置することで、ケース内の温度を一定にキープできるため安全・安心です。
アクリルケースについて詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください:
防音カーテン・布カバーの効果は限定的
最も手軽な対策が、厚手の防音カーテンやケージカバーです。しかし、布製品は高周波を通しやすく、コザクラインコの鳴き声には効果が限定的(-10dB程度)です。
カーテンやカバーは、「何もしないよりはマシ」程度と考えてください。特にマンション・アパートでは、これだけで十分な防音効果は得られません。完全に鳴かせないことは不可能だが、ケージにカバーをかけると静かになることが多いです。ただし、完全に暗くしすぎるとストレスになるので注意が必要です。
窓の防音対策も忘れずに
どんなに良いアクリルケースを使っても、窓から音が漏れてしまっては意味がありません。特にマンション・アパートでは、窓対策が必須です。
ただし、エアコンを使わずに窓を開け放って生活する季節や、ベランダで日光浴をするときは、大音量のコザクラボイスが響き渡ってしまうので、周囲に気を遣います。
窓の防音対策
- 窓用吸音ボードを設置
- 隙間テープで窓のサッシを埋める
- 二重窓にする(可能な場合)
- カーテンは厚手の防音タイプにする(補助として)
窓対策について詳しくは、以下の記事をご覧ください:
防音グッズの比較や数値データについては、以下の記事で詳しく解説しています:
よくある質問|コザクラインコの鳴き声と防音対策

コザクラインコの鳴き声や防音対策に関して、よく寄せられる質問をまとめました。
コザクラインコの鳴き声を理解して、快適な共生を実現しよう【総括】

この記事では、コザクラインコの鳴き声の特徴や防音対策について体験談を交えて紹介しました。コザクラインコの鳴き声は確かに大きいですが、適切な対策と理解を持って接することで、快適な共生が可能です。
この記事の重要ポイント
- コザクラインコの鳴き声は85~95dB(救急車レベル)に達する
- 高周波の特性があり、壁やガラスを突き抜けやすい
- セキセイインコよりも約1.5~2倍大きく感じる
- 朝と夕方は特に鳴き声が大きくなる傾向がある
呼び鳴きを減らす3つの方法
- 「1時間で戻ります」など具体的に会話する
- 「ちょっとかまって欲しい」願望をこまめに満たす
- おもちゃや刺激を与えて退屈を紛らわせる
- 呼び鳴きは「命の危機に匹敵する不安」から来ることを理解する
効果的な防音対策
- 0円配置テクニック:壁から1m以上離す、窓から離す
- 鳥かご用アクリルケース(5mm以上)が最も効果的(-20~-30dB)
- 防音カーテンは補助的(-10dB程度)
- 窓対策(吸音ボード、隙間テープ)も必須
- 保温と防音を兼ねられるアクリルケースが特におすすめ
インコの鳴き声は彼らのコミュニケーション手段であり、完全になくすことはできません。しかし、この記事で紹介した方法を実践することで、ご近所トラブルを避けながら、コザクラインコとの楽しい時間を過ごすことができるでしょう。
鳴き声の意味を理解し、適切な環境づくりを心がけることで、あなたとコザクラインコ、そして周囲の人々も快適に過ごせる関係を築いていきましょう。飼い主の愛情と工夫でトラブルを最小限に抑えられますし、インコの鳴き声は個性の一部として受け入れる心の余裕も大切です。

