オカメインコの呼び鳴きのしつけ実践記!防音対策なしでも成功した事例

オカメインコの呼び鳴きのしつけ
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オカメインコの呼び鳴きのしつけに悩んでいませんか?手乗りの一羽飼いのオカメインコが、飼い主の姿を見るたびに「出せ!出せ!」と激しく鳴いて困っている方は少なくありません。

この問題は「鳴けば出してもらえる」と学習したオカメインコが、飼い主を自分の思い通りに操ろうとしている(飼い主がインコにしつけられた)状態かもしれません。

この記事では、オカメインコの呼び鳴きのしつけに効果的な方法を、オカメインコの飼い主さんの実体験をもとに詳しく解説します。フィードバックのタイミングの重要性や、家族全員での一致団結の必要性、フォージングの導入方法など、試行錯誤の末に見つけた解決策はとても参考になります。

この記事でわかること
オカメインコが呼び鳴きする心理的な理由
防音対策ではなく行動を変えるしつけの方法
一貫したルールの作り方とフィードバックのコツ
家族で協力して取り組むためのポイント
呼び鳴き以外でもインコが楽しく過ごせる環境づくり

これらのポイントを押さえることで、あなたのオカメインコもうるさい呼び鳴きが減り、お互いにストレスの少ない生活が送れるようになるでしょう。

呼び鳴きのしつけは一朝一夕では成功しませんが、確かな効果が期待できる方法ですので、ぜひ参考にしてみてください。

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このサイトの監修者は30羽以上のオカメインコと暮らす愛鳥家。フィンチや家禽の飼育・ブリーディング・野鳥の一時保護など、これまでたくさんの小鳥たちと関わってきました。ここではインコ・オウムの仲間の飼育のコツを、教科書的な飼育論だけでなく、飼い主の実体験をもとにした知識や情報を加味して発信していきます。

オカメインコの呼び鳴きで飼い主が鳥にしつけられていたことに気づく

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

オカメインコの飼い主の寄稿

私のオカメインコ(オス)ルナは、手乗りインコで一羽飼いです。3歳ごろから呼び鳴きがひどくなり、私がそばを通るたびに「出せ!出せ!」とばかりにうるさく鳴くようになって、ほとほと困っていた時期があります。

ルナがあまりにうるさく鳴くのでその都度出すようにしていたら、呼び鳴きがどんどんエスカレートしていき、遠くから私の姿が見えただけでも呼び鳴きするようになっていきました。ある日ふと、

これは・・・鳥が自分の望みどおりに飼い主をしつけしたようなもの?私はオカメインコに躾けられたってことか(汗)

…と気づいたものの、時すでに遅し。

いつもオカメインコの要望に応えてやれるわけでもなく、しかし「呼び鳴きすれば出してもらえる」をすっかり覚え込んだルナ自身も、要望が通らないことにストレスを感じているようだったので「これは何とかしなければ」と本気で思い始めていました。

そこでまず最初にビニール製のケージカバーを買いました。

カバーをつければ鳴き声が少しは小さくなるかもしれない

…と考えました。季節は秋だったので、保温対策や羽毛の飛散防止にもなるだろうと思ったのです。

ケージカバーは全面が覆われていて、前の部分だけ開閉できるようになっているタイプのもので、色は透明。ですが結論からいうと、私が期待した効果は全くありませんでした。

オカメインコの鳴き声のしつけ

ルナは相変わらずうるさく「出せ!出せ!」と鳴いていました。しかも、私が口笛でルナに教えた「笑点のテーマ」を延々と繰り返しながら「出せ!出せ!」と鳴き叫ぶのです。

すべては自分がまいた種とはいえ、ほんとうにうるさくてだんだん嫌になってきました。

呼び鳴きのしつけにヘタな小細工(防音対策)はムダと気づく

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

オカメインコの鳴き声を防音対策で抑えようとするのは、根本的な解決にはなりません。むしろ、インコ自身の行動を変えるアプローチが効果的です。このセクションでは、防音対策からしつけへと考え方を転換した経緯を紹介します。

それからしばらくはなんの解決策も見いだせないまま、日常生活を送っていたのですが、ある日ふと思いついたのが

防音対策をとるのではなく、オカメインコ自身に「鳴いても無駄だよ」を伝えて、きちんとわからせるようにしたほうが良いのではないか。

そこで私は一定のルールを決めて、それをルナに理解させるようにしようと考えました。私が決めたルールは

ケージカバーの前の部分が閉まっているときは外に出さない!

それからはルナがいくら呼び鳴きしても、ケージカバーの前の部分が閉まっているときは、こちらがそれに対応せずにガン無視を貫きます。

それまではルナがしつこく鳴くとこちらが根負けして出してやることが多かったのですが、ケージカバー前面が閉まっている時は、ルナがどんなに鳴いていても絶対に出さないと決めました。

インコのしつけはフィードバックのタイミングがキモだった

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

オカメインコのしつけでは、適切なタイミングでフィードバックを与えることが重要です。このセクションでは、呼び鳴きを抑制するためのフィードバックのポイントや実際の苦労について解説します。

オカメインコに「呼び鳴きはダメだよ」とわからせるために考えたルールでしたが、正直、これはかなり根気がいる仕事でした。リアクションとフィードバックを結びつけるタイミングを計るのが、なかなか難しかったからです。

ルナが諦めて鳴くのをやめたら、ケージカバーの前面を開けてケージから出してやる…そんなルールにしていました。

しかし、何時間も疲れ知らずで笑点のテーマを延々と繰り返すので、出すタイミングを見計らうのがひと苦労だったこともあり、放鳥するタイミングを逃してしまうことも、たびたびありました。

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

しつけやトレーニングでは、望ましい行動があった直後にご褒美をもらいますが、ご褒美をもらうことで「自分がどう振舞えばいいのかがわかる」 これがフィードバック機能です。

しかしリアクション(鳴くのをやめた)とご褒美(放鳥)までの間にだいぶタイムラグができたこともありました。

つまり、同じ条件の提示を何度も何度も繰り返さなければ、オカメインコがご褒美をリアクションに結び付けるのが難しくなります。それでは、せっかくのしつけの効果(フィードバック)が激減します。

しかし、私もルナに負けないくらいしつこい性格なので(笑)決めた1点を根気よく、諦めずに続けました。当時の私は一人暮らしでしたから

もう、かわいそうだから出してやりなよ…。

…などと口を挟んで、ルナと私のトレーニングを邪魔するような家族が同居していなかったことも幸いして、何とかこのしつけを続けてこれたのでした。

フォージングの導入が成功の早道

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

呼び鳴きのしつけと同時に、オカメインコが自分で楽しめる環境作りも大切です。フォージングトイ(採餌行動を促すおもちゃ)の導入や、気を紛らわせる工夫も必要です。

オカメインコの呼び鳴きのしつけと同時進行で、ルナが一人遊びできるようなインコ用のおもちゃをケージの中に入れました。また、時々大好きな粟穂をを入れたり、好物を仕込んだフォージングトイを入れたりして、少しでもルナの気がまぎれるように配慮しました。

インコ用パズルトイの設置
粟穂などのご褒美の隠し配置
かじって遊べる自然素材のおもちゃ

これらのおもちゃや工夫により、オカメインコは退屈せずに過ごせるようになります。特に採餌行動(フォージング)を促すようなおもちゃは、野生の本能を満たすことができるので効果的です。ケージ内での時間が充実すれば、呼び鳴きも自然と減っていくでしょう。

そうしていくうちに、少しずつではありますが 

どんなに呼び鳴きを続けたところで、ケージから出してもらえるとは限らないんだな。

…をルナ自身が理解できるようになっていったのです。

そんなこんなで、おおむね1年ほどかかって、オカメインコの呼び鳴きのしつけは何とか成功したのでした。

家族全員が一致団結しないとトレーニングの効果なし

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

今、ルナは20歳です。だいぶおじいちゃんなのでさえずることも少なくなってきました。それはそれで静かで物足りないような、なんとなく寂しいような気持ちになる今日この頃です。

以前に、私のインコ友達でコザクラインコを飼っている友人が、同じようにインコの呼び鳴きのうるささで悩んでいたので、私のやり方を教えたことがありました。

早速それを試してみたそうですが、同居していた母親が根負けしてしまい、呼び鳴きのしつけは失敗したそうです。

家族全員でルールを共有する
誰一人例外なく一貫した対応を心がける
長期戦になることを覚悟して取り組む

インコのしつけは、家族が一人でも「かわいそう」と思って例外的な対応をすると、すべての努力が水の泡になってしまいます。家族全員が同じルールを守り、一貫した態度で接することが成功の鍵です。短期間で効果が出ることは少ないので、根気強く続けることが大切です。

しつけやトレーニングは一貫した行動と態度が絶対に必要ですし、インコが相手ですから、確実に長期戦になります。同居の家族がいるなら、徹底したルールを決めて、完全協力してもらえるように頼んでおく必要があると思います。

よくある質問と回答

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

オカメインコの呼び鳴きに関する疑問や悩みにお答えします。

オカメインコはなぜこんなにうるさく鳴くのですか?

オカメインコが頻繁に鳴く理由はいくつかあります。

飼い主への愛着表現
寂しさや退屈からの注目要求
テリトリー内での自己主張

オカメインコは群れで生活する鳥なので、一羽飼いの場合は飼い主を家族と認識します。そのため、飼い主が見えているのに一緒にいられないと、呼び鳴きで注目を引こうとするのです。

また、野生では仲間とコミュニケーションを取るために鳴くことが自然な行動であるため、完全に鳴かなくすることは不可能です。適度な発声は健康な証拠ですので、過度な静けさを求めすぎないようにしましょう。

放鳥の時間はどのくらいが適切ですか?

オカメインコの適切な放鳥時間は、以下の要素によって変わります。

毎日最低1時間程度の放鳥が理想的
朝と夕方の2回に分けるとより効果的
飼い主の生活リズムに合わせた定時放鳥が望ましい

重要なのは放鳥の時間帯や長さを一定にすることです。オカメインコは日課や習慣を覚える能力があるため、毎日決まった時間に放鳥することで、その時間までは静かに待つことを学習できます。

しかし、不規則な放鳥スケジュールだと、いつ出してもらえるか予測できずに呼び鳴きが増えてしまいます。

ケージカバーは夜だけかけるべきですか?

ケージカバーの使用方法について正しい理解が必要です。

夜間の安心感と良質な睡眠のためにカバーは効果的
しつけ目的なら記事のようにカバーの開閉をサインにする方法も有効
通気性のある素材を選び、完全に密閉しないよう注意

ケージカバーは本来、夜間の安眠のためのものですが、この記事のように「カバーが閉まっている=放鳥できない時間」というサインとして利用することもできます。ただし、日中も長時間完全に覆ったままにするのは避け、明るさや外の様子が適度に感じられるようにしましょう。

呼び鳴きのしつけはどれくらいの期間続ければ効果が出ますか?

しつけの効果が表れるまでの期間は個体差があります。

個体や年齢によって差があるが、数ヶ月〜数年程度かかることも
若いオカメインコほど学習が早い傾向がある
一貫性と根気強さが成功の鍵

記事の例では約1年かかっていますが、これはあくまで一例です。若いオカメインコであれば数週間〜数ヶ月で効果が出ることもありますが、長年の習慣になっている場合はより時間がかかります。

大切なのは途中で諦めずに一貫した対応を続けることです。「たまに例外を作る」が最も効果を損なう ので注意しましょう。

呼び鳴きが激しすぎて近所迷惑になっています。すぐに効く対策はありますか?

近隣トラブルを避けるための緊急対策を紹介します。

鳥用アクリルケースの利用
防音カーテンなどで部屋の音漏れを軽減する
鳴き声が激しい時間帯に注意をそらすおやつを与える

短期的には、ケージの位置を窓から離したり、防音対策をしたりすることで外への音漏れを減らせます。また、定期的に放鳥する時間を決め、その時間以外はインコの好きなおやつやおもちゃでケージ内での時間を楽しく過ごせるよう工夫しましょう。

ただし、根本的な解決には記事で紹介したような一貫したしつけが必要になります。急な効果を期待するのではなく、長期的な計画 を立てて取り組むことが大切です。

オカメインコの呼び鳴きのしつけは一貫性と根気が成功の鍵【総括】

オカメインコの呼び鳴きのしつけ

オカメインコの呼び鳴きは飼い主に注目してもらいたいという愛情表現
鳴くたびに対応すると「鳴けば出してもらえる」と学習してエスカレート

防音対策よりも、オカメインコ自身の行動を変えるしつけが効果的
ケージカバーを使って「今は出せない時間」を視覚的に伝えるのが有効

静かにしている時にケージから出すという一貫したルールが大切
フィードバックのタイミングを適切に取ることがしつけの成功につながる

飼い主の根気強さが必要で、効果が出るまで数ヶ月〜1年程度かかることも
家族全員が同じルールを守ることが成功の絶対条件

フォージング(採餌行動)を促すおもちゃでケージ内での時間を充実させる
規則正しい放鳥時間を設定し、オカメインコに予測可能な生活リズムを作る

若いオカメインコほど新しい習慣が身につきやすい傾向がある
完全に鳴かなくすることは不可能だが、適切なタイミングでの発声は問題ない

オカメインコの呼び鳴きのしつけは決して簡単ではありませんが、飼い主さんの一貫した態度と根気強さがあれば必ず成功します。

大切なのは、ただ鳴き声を抑えるのではなく、オカメインコにとっても飼い主にとっても快適な生活リズムを作ることです。愛情を持って根気強く取り組めば、あなたとオカメインコの絆はさらに深まることでしょう。

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