セキセイインコのペレット切り替えについて、多くの飼い主さんが悩まれているのではないでしょうか。この記事では、あるセキセイインコの飼い主さんのペレット切り替え体験談をご紹介します。
最初はペレットを全く食べずに体重減少まで起こしてしまったものの、「ペレットをふやかしてシードと混ぜる」方法で、最終的に完全切り替えに成功した貴重な事例です。「うちの子もペレットを全く食べてくれない…」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてみてください。
切り替えの鍵は、「ペレットを単なる固い粒ではなく、食べ物として認識させること」ふやかしたペレットにシードを混ぜることで、少しずつペレットの味に慣れさせる方法は、専門家も推奨している効果的なアプローチです。
この体験談では、ペレット切り替えの具体的な成功方法や、気をつけるべきポイント、体調改善の効果まで詳しくご紹介します。
ペレット切り替えに効果的な「ふやかしてシードと混ぜる」方法
ペレットへの切り替えタイムライン(約1ヶ月の工程)
切り替え中の体重管理と注意点
ペレット切り替えによる体調改善の可能性
専門家も推奨するペレット移行のステップ
ペレットへの切り替えは一朝一夕にはいきませんが、正しい方法で根気強く取り組めば、愛鳥の食生活を健康的に変えることができます。この記事が、悩める飼い主さんの一助となれば幸いです。
セキセイインコのペレット切り替え~1カ月で完全移行したやり方
セキセイインコの食事をシードからペレットに切り替えるのは多くの飼い主にとって大きな課題です。この記事では、体調不良をきっかけにペレット切り替えを決意し、試行錯誤の末に成功した体験談をご紹介します。失敗から学び、最終的に効果的だった「ペレットをふやかしてシードと混ぜる」方法を中心に解説しています。
体調不良から食餌の見直しを決意
セキセイインコの飼い主の寄稿
これは私のセキセイインコ(オス・1歳)の春先の体調不良をきっかけに、食餌をペレットに変更することを決意し、その切り替えに悪戦苦闘したときのエピソードです。
我が家のセキセイインコが1歳になる少し前の4月ごろから、フンが水っぽくなり、くしゃみをたくさんするようになりました。春先で寒かったことや、まだ1歳を迎えていない若鳥だったことから、ケージ内の気温は25℃を下回らないようにペットヒーターとサーモスタットを使用して、一定の温度管理を行なっていましたが、なかなか体調が回復しません。
念のため鳥専門の動物病院を受診しましたが特に異常は見つからず、しばらく安静にして様子を見ることになりました。そんないきさつから
…と考えた私は、セキセイインコの食餌をシードからペレットへ切り替えることを決めました。
ペレット切り替えの困難 – インコがまったく食べてくれない
ペレット切り替えを決めてからすぐに今まで食べていたシードをぴたりと止めてペレットのみを与えてみましたが、初日は一切口をつけませんでした。
最初に購入したのはズプリーム・イースター・黒瀬NEOの3種類です。これらを日替わりで与えてみたものの、やはりどの餌にも全く興味を示そうとしませんでした。
まさかのハンガーストライキでペレット切り替えを断念
私はそう漠然と考えていたのですが、その後もインコは一切餌に口をつけることはなく、元々35gあった体重が29gまで減少してしまいました。いよいよ絶食便となり、ケージでじっとしていることが多くなってきて
…といったインコの強い意思を感じる一方で、愛鳥の生命の危機を感じるようになった私は、一時的にペレットの切り替えを断念。
そしてペレットへの切り替え方法を一から工夫することとやり方の見直しを考え始めました。
「ペレットをふやかしてシードと混ぜる」方法との出会い
ペレットへの切り替えのリスタートにあたり、私は様々なブログや書籍を読みあさりましたが、いずれの媒体も「切り替えには時間と根気が必要!」と主張されていました。
私の場合はセキセイインコにハンガーストライキされている現状があったため、まずは餌をしっかりと食べさせるところから始めなければなりませんでした。
食べ物として認識していないことに気づく転機
ペレットを直接手から与えてみたり、一緒に飼っているオカメインコがペレットを食べているところを見せるなど、様々な方法を試してみましたが、私のセキセイインコはペレットに全く興味を示しませんでした。
そんなある日、とあるブログで「ペレットをふやかしてシードを混ぜる」方法を見つけました。
シードを食べる時にペレットの味を覚えてもらい、徐々にペレットの抵抗感を無くす…との方法の一環で「ペレットをふやかす」やり方ですが、これを見て私はハッとしました。
そう思い当たった私は、そのやり方に倣って、ペレットを水につけてふやかしてから、シードを混ぜて与えてみました。
徐々に効果が現れる切り替え過程
私のセキセイインコは最初はシードしか食べませんでした。しかしシードがなくなってしまうとペースト状になったペレットの中からシードを探すようになり、その行程の中でわずかにペレットを口に含むようになりました。
朝と夜にエサ箱の重さをはかり、食べた量を計測してみると、シードの重さ以上に量が減っていることがわかり、確かにペレットを食べていることが確認できました。
この方法に手ごたえを感じた私はそれ以降は徐々に混ぜるシードの量を減らしていき、同時に減らした分をふやかしたペレットに置き換えつつ、少しずつペレットをふやかす量を減らしていきました。
シードとの混合からスタート
シードの量を徐々に減らす
ペレットのふやかし具合を徐々に減らす
最終的に乾燥ペレット100%へ移行
段階 | シードの割合 | ペレットの状態 | 期間の目安 |
---|---|---|---|
導入期 | 80% | 完全にふやかしたペースト状 | 1週間 |
移行期前半 | 50% | やや水分を減らした状態 | 1週間 |
移行期後半 | 20% | 少し湿らせた程度 | 1週間 |
完全移行期 | 0% | 乾燥ペレット | 1週間〜 |
個体差があるため、各段階の期間は調整が必要です |
この段階的なアプローチが重要です。急激な変化ではなく、少しずつ鳥の食習慣と味覚を変えていくことで、ストレスを最小限に抑えながらペレットへの切り替えが可能になります。
1か月後の完全移行達成と体調改善
ペレット切り替えのリスタートから1ヶ月後、いよいよ乾燥したそのままのペレット100%で与えてみることにしました。
この時に与えたのは黒瀬NEOを4g どうなることかと固唾をのんで見守っていると、インコはエサ箱の元に自ら向かっていき、勢いよくペレットを食べ始めたのです。
ひと月かかりましたが、ようやくここでセキセイインコのペレット完全移行に成功し、それに伴って減少していた体重は元の35gまで回復しました。
ペレットを水でふやかしていた頃は食事の水分量が多かったため、フンが緩めの状態が続いていましたが、徐々に水分量を減らしていくことで、丸まったフンが出るようになりました。
また、1日に何度もしていたくしゃみの回数も徐々に減り、ペレット切り替えに成功したと確信した日には、全くくしゃみをしないところまで体調が回復していました。
それ以降は大きな体重の変化もなく体調不良も見られなくなり、6月の健康診断にも「全く異常なしで健康」とのことでした。
さらに半年が経過した現在も病気などなく、いたって健康体です。
今は、黒瀬NEO超小粒とズプリームナチュラルの2種類をブレンドして与えていますが、いずれも夜には完食しています。換羽期にはハリソンのハイポテンシースーパーファインを与え、その都度栄養バランスを考えながらの給餌をしています。
シード類は放鳥時のおやつとして与えており、コミュニケーションツールの一つとして活用しています。
ベタファーム社の推奨するペレット切り替え方法
ベタファーム社がペレット移行に推奨しているのは、ペレットをペースト状にして、そこにシードを混ぜて与える方法で、この体験談の飼い主の方法とほぼ同様です。
切り替え当初はインコはペーストの中からシードをほじくり出して食べていますが、少しずつペーストが口に入ることで自然にペレットの味を覚えていきます。これを継続していき、数週間かけてシードの割合を減らしていきます。
後半戦にはシードをゼロにしてペーストのみを与え、次にペーストの水分を減らしていき、最後はペレットをそのまま食べられるように、時間をかけて飼い主がインコを誘導していきます。
- STEP1ペレットをペースト状にしてシードを混ぜるシードとペレットを7:3の割合で混ぜ、インコが食べやすい状態にします。
- STEP2シードの割合を徐々に減らす1週間かけて徐々にシードの割合を減らし、ペレットに慣れさせます。
- STEP3ペーストのみの給餌シードをゼロにして、ペースト状のペレットのみの給餌に移行します。
- STEP4ペーストの水分量を減らすペレットのペーストの水分量を徐々に減らしていきます。
- STEP5乾燥ペレットへの完全移行最終的に乾燥したペレットをそのまま食べられるようにします。
ふやかしたペレットは傷みやすいので、置きっぱなしにすることはNG 早めに取り下げるなどの注意が必要なやり方ですが、時間はかかっても着実に鳥の味覚をペレットに慣れさせる方法です。
長期戦になる方法かもしれませんが、ペレット切り替えの効果は高いと思います。もちろん個体差がありますので、2週間程度でペレット切り替えが完了する子もいるでしょう。
ペレット移行にどんなやり方が合うのかはやってみなければわかりません。本気でペレット切り替えを考えている方は、いろいろなやり方を試してみてください。
よくある質問と回答
セキセイインコのペレット切り替えについて、多くの飼い主さんが抱える疑問に回答します。
ペレットに切り替える必要性はどこにあるのでしょうか?
シードは脂肪分が多く、栄養素が偏りがちです。ペレットはシードと比較して栄養バランスが整っており、鳥の健康維持に適しています。
特に長期的な健康を考えると、ペレットベースの食事は肝臓疾患や肥満など多くの健康問題の予防に効果が期待できます。また、この体験談でも見られるように、くしゃみや消化器系の問題などの体調不良が改善する可能性があります。
ペレットをふやかす際の注意点はありますか?
ふやかしたペレットは傷みやすいため、いくつか注意点があります。まず、一度に大量に作らず、1回分ずつ作るようにしましょう。常温で2時間以上置いておくと雑菌が繁殖する恐れがあるため、早めに取り下げることが重要です。
また、水の代わりにインコ用のハーブティーを使うとより食いつきが良くなるという声もあります。清潔な器具を使い、毎回新鮮なものを提供するようにしてください。
ペレット切り替え中の体重減少はどこまで許容できますか?
ペレット切り替え中の体重減少は多少あっても問題ありませんが、10%以上の減少が見られた場合は注意が必要です。
この体験談では35gから29gへと約17%の体重減少がありましたが、これは危険なレベルに達しています。セキセイインコの場合、体重が3日以上連続して減少し続ける場合や、元の体重の15%以上減った場合は、一時的に元の食餌に戻し、ペレット切り替えの方法を見直すべきです。
また、元気がなくなった場合はすぐに獣医師に相談しましょう。
ペレットの種類によって食いつきに違いはありますか?
ペレットの種類によって形状、香り、味、硬さなどが異なるため、インコの好みも分かれます。この体験談では黒瀬NEOが最終的に受け入れられましたが、中にはズプリームや他のブランドを好む個体もいます。できれば複数の種類を試してみることをおすすめします。
カラフルなペレットは色素が含まれているため避けたほうが良いという一部の意見もありますが、まずは食べてくれることを優先し、慣れてきたら徐々に無着色のものに移行するという方法も有効です。
ペレット切り替え後もシードを与えても良いのでしょうか?
ペレットへの完全移行後も、少量のシードをおやつやトレーニング用に与えることは問題ありません。この体験談でも「シードは放鳥時のおやつとして与えており、コミュニケーションツールの一つとして活用しています」と述べられています。
大切なのは主食をペレットにし、シードは補助的な扱いにすることです。
セキセイインコのペレット切り替えに「ふやかして混ぜる」方法はおすすめ【総括】
セキセイインコの食事をシードからペレットに切り替える際は、根気強く時間をかけて行うことが重要です。
ペレットをいきなり与えても食べないインコが多い
「ふやかしてシードと混ぜる」方法が効果的
切り替えには約1ヶ月の時間がかかる場合がある
シードの割合を徐々に減らし、ペレットの割合を増やす
ペレットのふやかし具合も徐々に減らしていく
体重減少が大きい場合は一時中断し方法を見直す
ペレット切り替えにより体調不良が改善する可能性がある
複数のペレットを混ぜて与えると栄養バランスが良くなる
ふやかしたペレットは傷みやすいので早めに取り替える
完全移行後もおやつやトレーニング用にシードを活用できる
個体差があるため複数の方法を試す価値がある
換羽期など状態に合わせてペレットの種類を変えると良い
愛鳥の健康を考えて始めるペレット切り替えは、思った以上に時間と忍耐が必要かもしれません。でも、諦めずに工夫を重ねることで、きっと成功への道が開けるでしょう。愛鳥との信頼関係を大切にしながら、少しずつ前進していってください。
参考資料
ベタファーム「Converting your Bird to Pellets」
Harrison’s Bird Foods「Switching to Harrison’s」