オカメインコに最適なケージサイズの基準|35角では狭すぎる理由

オカメインコを迎える際、ペットショップで「これでも大丈夫ですよ」と勧められることがある「35角サイズ(幅35cm前後)」のケージ。しかし、実際に飼育してみると、オカメインコにとって35角は明らかに手狭であることが分かります。
なぜなら、オカメインコは「中型インコ」に分類されますが、長い尾羽を含めると体長は30cmを超え、翼を広げれば40cm近くにもなるからです。
「幅46.5cm × 奥行き46.5cm」が最低ライン
結論から言うと、オカメインコを単独飼育する場合でも、最低でも幅46.5cm以上のケージが必要です。これは、翼を広げた時に金網にぶつからないギリギリのサイズ感です。
上記の表を見てわかる通り、35角はセキセイインコには適していますが、オカメインコには明らかに不向きです。「雛の時は小さいから」と35角を買ってしまうと、生後半年で買い替えが必要になります。
尾羽の長さと翼の広がりを考慮する
オカメインコの最大の特徴である、優雅に伸びる長い尾羽。狭いケージだと、この尾羽が常に金網に接触し、ボロボロになったり曲がったりしてしまいます。
- 奥行きが足りないと、止まり木で振り返るたびに尾羽が擦れる
- 幅が足りないと、羽ばたきの練習(ストレッチ)ができない
- おもちゃを入れるスペースがなく、退屈な環境になる
美しい姿を保ち、ストレスなく過ごしてもらうためには、「体に対して少し大きすぎるかな?」と感じるくらいのサイズがちょうど良いのです。
「大きすぎ」はない!HOEI465オカメが推奨される決定的な証拠
多くのオカメインコ飼育者やブリーダーが口を揃えて「最初のケージはHOEI465オカメにするべき」と言うのには、明確な理由があります。それは、オカメインコの習性と安全性を考え抜かれた設計だからです。
幅46.5cmのゆとりが生む「安全性」
HOEI465オカメ(および465オカメステンレス)のサイズは、幅46.5cm × 奥行き46.5cm × 高さ58cmです。このサイズが生み出すメリットは、単なる「広さ」だけではありません。
HOEI465サイズのメリット
- 翼を広げて「ワキワキ」しても金網にぶつからない
- 止まり木から止まり木へ、軽いジャンプ移動ができる
- 尾羽を傷めずに方向転換ができる
- 保温電球や大きなおもちゃを入れても居住スペースを圧迫しない
特に重要なのが「保温器具の設置スペース」です。冬場、ケージ内に保温電球(ヒーター)を設置すると、想像以上に場所を取ります。35角ケージにヒーターを入れると、インコがヒーターに近くなりすぎて火傷をする危険性がありますが、465サイズなら十分な距離を確保できます。※本来は、ケージ外にヒーターを設置するのが理想的です。
迷ったらコレ!一生使えるスタンダード
「とりあえず安いケージで様子を見よう」というのは、安物買いの銭失いになりがちです。HOEI465シリーズは、一度買えば何年も(ステンレスなら一生!)使える耐久性があります。
初期投資は少しかかりますが、買い替えのコストや、愛鳥の快適性を考えれば、最初から465サイズを選ぶのが最もコスパの良い選択です。
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※サビに強く、金属中毒のリスクも低い最高級モデル。長い目で見れば一番お得です。
ステンレスとメッキの違いについては、メッキvsステンレス記事でも詳しく比較しています。
狭いケージの悲劇|尾羽曲がりとオカメパニックの危険性

「部屋が狭いから」「置く場所がないから」という理由で小さなケージを選ぶことは、オカメインコにとって命に関わるリスクを含んでいます。特に恐ろしいのが「オカメパニック」時の事故です。
オカメパニック時の生存率を上げる広さ
オカメインコは非常に臆病で、地震や大きな音、夜中の光などに驚いてケージ内で暴れまわる「オカメパニック」を起こすことがあります。
この時、ケージが狭いとどうなるでしょうか?
- 翼を激しく金網に打ち付け、骨折や出血をする
- 逃げ場がなく、パニック状態が長く続く
- 止まり木やオモチャに激突する確率が上がる
広いケージであれば、暴れても翼が当たる回数を減らせたり、一時的に避難できる空間が生まれたりします。ケージの広さは、パニック時の怪我の重症度を左右するのです。
横アミ仕様の重要性
サイズだけでなく「網の向き」も重要です。HOEI465オカメは、側面が「横アミ」になっています。
オカメインコはケージの網を伝って移動(クリッピング移動)するのが大好きです。縦アミだと滑り落ちやすく、移動のストレスになりますが、横アミならハシゴのようにスイスイ移動できます。尾羽を傷つけずに移動できるのも、横アミ+広い空間のメリットです。
置き場所がない?スペース問題を解決する設置の工夫

「465サイズが良いのは分かったけど、そんな大きなケージを置く場所がない…」とお悩みの方もいるかもしれません。しかし、工夫次第でスペースは確保できます。
専用スタンドやメタルラックの活用
床置きは衛生的にも保温的にもNGです。ケージのサイズに合わせたメタルラック(ルミナスなど)を使用すれば、ケージ上の空間を収納として有効活用できます。
HOEI465サイズにぴったり合うメタルラックは、「幅60cm × 奥行き46cm」規格のものが多く販売されています(奥行き46cmのラックに46.5cmのケージを置く場合、数ミリはみ出しますが、実用上問題ないことが多いです。※安全のため底網のサイズ等は要確認)。
アクリルケースで防音・保温・脂粉対策を一挙解決
大きなケージを置くと、オカメインコ特有の「脂粉(白い粉)」が部屋中に舞うのが気になるかもしれません。また、呼び鳴きの防音対策も必要です。
そこでおすすめなのが、HOEI465サイズごと収納できるアクリルケースです。
- 脂粉の飛散を大幅にカット
- 防音効果でご近所トラブル防止
- 冬の保温効率が劇的にアップ(電気代節約)
アクリルケースの導入を前提とすれば、置き場所の制約もクリアしやすくなります。465サイズが入るアクリルケースについては、鳥かごアクリルケースの記事で詳しく紹介しています。
よくある質問|オカメインコケージの大きさについて
最後に、オカメインコのケージサイズに関してよくある疑問にお答えします。
オカメインコの幸せはケージの広さから【総括】

オカメインコのケージサイズ選びにおいて、「大きすぎる」ということはありません。むしろ、少し大きいくらいのゆとりが、愛鳥の美しい尾羽を守り、パニック時の怪我を防ぎ、ストレスのない生活を保証します。
多くの飼い主さんが経験しているように、最初は小さいケージを買っても、結局は「狭そうだな…」と気になってHOEI465サイズに買い替えることになります。それならば、最初から正解である465サイズを選ぶのが、最も経済的で賢い選択です。
特にHOEI465オカメ(ステンレス)は、サビにくく頑丈で、一度購入すれば一生涯使い続けられる名品です。あなたの愛鳥が、広々としたケージで翼を広げ、のびのびと暮らす姿を想像してみてください。その幸せな空間をプレゼントできるのは、飼い主であるあなただけです。





