サザナミインコの餌選びで悩んでいませんか?栄養バランスの良いペレットと、鳥たちが好むシード。この選択に正解はあるのでしょうか。14年間のサザナミインコ飼育経験と、獣医師からのアドバイスをもとに、最適な餌選びについてご紹介します。
「ペレットに切り替えた方がいいのかな」「シードばかり食べてしまうけど大丈夫?」「老鳥でもペレットに移行できる?」そんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
サザナミインコは果食性の可能性があり、シードの消化が苦手な傾向があります。そのため、ペレットが推奨される一方で、シードとの混合給餌やサプリメントの活用など、様々な選択肢があることも分かってきました。
この記事では、実際の飼育経験と獣医師の専門的な見解をもとに、サザナミインコの餌選びについて詳しくお伝えしていきます。
ペレットとシードそれぞれのメリット・デメリット
サザナミインコの消化特性と適した餌の選び方
獣医師が推奨する餌の与え方のポイント
実体験に基づく効果的な餌の切り替え方
年齢や健康状態によって変化する食の好みと付き合いながら、愛鳥に合った餌選びのヒントを見つけていただければと思います。

サザナミインコの餌はペレットがいい?それともシード?
サザナミインコの飼い主の寄稿
私がお迎えした16~17年前にはサザナミインコの飼育情報が乏しかったのですが、これはそんな紆余曲折を経たサザナミインコの食事のお話です。
サザナミインコはシードの未消化便が多い
最近は「サザナミインコにはペレットを主食にするのが望ましい」と考えられています。その理由はペレットは単体でインコに必要な栄養が摂れる総合栄養食であること。
さらに、サザナミインコの食性は果食性または穀食性…と言われていますが、明確には不明であることもその理由に挙げられます。
果食性であるなら柔らかい果実が主となるので、餌に種子を与えるとうまく消化できないことがあります。そのため、シードは消化不良から未消化便(シードの粒が糞の中に入っている状態)として排泄されることも。
実際に私はぴよちゃんの糞の中にシードの粒が入っている「未消化便」を何度も見たことがありました。
サザナミインコに見られた粒便です。サザナミインコは筋胃のすり潰しが弱い傾向があり、シードを主食にするとこのような粒便をするようになります。野生では、フルーツ、乾燥または発芽した種子、虫の幼虫などを食べています。食事は、ペレットを主食にしてフルーツを副食に与えるようにしましょう。 pic.twitter.com/2RskaSwxG6
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) June 9, 2020
サザナミはグリットが少ないか、持っていないことが多いです。おやつのシードは、消化が出来ていれば大丈夫です。
— 海老沢和荘 (@kazuebisawa) September 22, 2020
当時のサザナミインコの飼育で参考にされていたのは、飼育数も情報量も多いセキセイインコでした。
そんな状況下でのぴよちゃんの最初のごはんは、お迎えしたペットショップで食べていたオリジナルのペレット(多分ズプリームフルーツブレンド)とミックスシードのブレンドでした。
【結論】ペレットとシードのミックス食でぴよちゃんは14年の天寿を全うした
ぴよちゃんはシード→ペレットの順…つまり好きなもの順で食べていましたが、ペレットも一応は食べていました。
そのブレンドフードを食べ終わり、次にどうしようかと考えたときに、ショップから同じ物を取り寄せることも検討しましたが、私はカラフルなペレットには少し抵抗がありました。
そこで調べて選んだのは、ハリソンのアダルトライフタイムスーパーファイン(ペレット)です。
ハリソンペレットにミックスシードを5対5で混合して、主食として与えることにしました。
その後にペレットを何度か見直す機会はありましたが、ぴよちゃんはハリソン以外のペレットは食べてくれませんでした。
そこでペレットはハリソンに限定し、シードは無農薬のミックスタイプ、そこに時々オーツ麦や蕎麦の実などを加えるスタイルを続けてきました。


「インコの食の楽しみを優先してもいい」主治医の言葉に心が軽くなった
ぴよちゃんの主治医からは小鳥の病気や健康だけでなく、飼育書には載っていない飼育環境や、実際に導入するとよいグッズなどを教えてもらったりしました。
サザナミインコにペレットとシード…どっち?
獣医の先生には食事についても相談しましたが、初めて診ていただいた時に「サザナミインコの患者は初めて」と言われました(※15年以上前のお話です)
他の獣医師からいろいろと情報収集を試みたそうですが、それでもサザナミインコの情報は少ない…とのこと。そんな状況を説明された後に、こう言われました。
こう言われた私は「う〜ん…」と考え込んでしまいました。
ペレット食がシード食より長生きするデータはない
健康のためには主食をペレット100%に移行した方がよいのはやまやまですが、美味しそうにシードや粟穂を食べているぴよちゃんからそれらを奪うことには抵抗がありました。
何より日中は仕事で留守にしている私は、ぴよちゃんにペレットだけを与えて出かけることに罪悪感があったのです。悩んでいる私を見て先生は
そう前置きした後で
インコのサプリメントで栄養不足を補うなら食の楽しみを優先してもいい
これらの先生のアドバイスから「幼鳥である今の時期でなくても、ペレット移行にはチャレンジできる。サプリメントを利用することで、ペレットと同等とはいかなくても、栄養バランスを整える事は出来そうだ」…と思えて、当時の私はとても心が軽くなったのでした。
老鳥にペレット切り替えが難しいとは限らない!食の好みは変わるもの
そういうわけで、ぴよちゃんのエサはずっと長いことペレットとシードの混合食でしたが、誤飲事故が原因で手術をしてからは、ぴよちゃんは自らペレットを好んで食べるようになっていきました。
その頃からペレットだけを浅い小皿に入れていましたが、次第に皿が空になることが多くなり、逆にシードは自分から残すようになりました。
つまり老鳥になってからは食べる順番がペレット→シード…と変わったのです。ペレットの方が消化器の負担が軽く済むことを経験則からわかってきたのだと思います。
「老鳥にペレット切り替えは難しい」との意見を多く見かけますが「老鳥だから無理だろう」と限らないかもしれません。その時々で鳥自身に食べたいものを選ばせて、足りない栄養素を補う工夫は飼い主さんが凝らせばいいのだと思います。


サザナミインコの餌選びは一概にペレットとは限らない【総括】
サザナミインコはシードの消化が苦手な傾向
ペレットは栄養バランスに優れた総合栄養食
シードとペレットの混合給餌も有効な選択肢
餌の量を計って与えることが重要
好みのペレットを見つけることがカギ
ミックスシード+サプリメントという選択も可能
年齢によって食の好みは変化する可能性あり
老鳥でもペレットへの移行は可能
個体によって適した餌は異なる
食の楽しみと栄養バランスの両立が理想的
定期的な健康チェックで餌の調整を検討
サザナミインコの餌選びに正解は一つではありません。ペレットとシード、それぞれの特徴を理解した上で、愛鳥の様子を見ながら最適な餌を選んでいきましょう。気になることがあれば、必ず獣医師に相談してください。