オカメインコケージ徹底解説!大きさから安全性まで知っておきたい12のポイント

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オカメインコケージ選びは、愛鳥の健康と幸せを左右する重要な決断です。サイズが小さすぎると「オカメパニック」でケガをする危険があり、素材が不適切だと健康被害を引き起こす可能性も。しかし、どんな基準で選べばよいのか迷ってしまいます。

オカメインコに最適なケージを選ぶには、大きさだけでなく素材の安全性、バーの間隔と向き、出入り口の構造、掃除のしやすさなど、12の重要なポイントを押さえる必要があります。これらを知っておくことで、愛鳥にとって快適で安全な「家」を提供できるのです。

オカメインコケージ

この記事では、オカメインコのライフステージ(ヒナから成鳥、シニア期)に合わせた適切なケージ選びのコツから、多羽飼い用のレイアウト、病鳥のためのバリアフリー環境まで、幅広く詳しく解説していきます。

この記事でわかること
オカメインコに必要な適切なケージサイズと素材
バーの間隔と向きが鳥の安全に与える影響
ライフステージ別の最適なケージ環境の作り方
オカメパニックを防ぐための環境づくり
価格帯別のケージ特徴と長期的視点での選び方

これらの知識は、初めてオカメインコを迎える方はもちろん、現在飼育中の方にとっても大切な情報です。愛鳥との20年以上の共生を支える「家」選びのポイントを、ぜひ最後までご覧ください。

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執筆・監修・運営は30羽以上の鳥と暮らす愛鳥家。このブログではセキセイインコ・オカメインコを中心に、小型~中型インコ飼育のコツ・裏ワザ・体験談を紹介していきます。

オカメインコケージ選びの基本!12のポイントで疑問を徹底解決

オカメインコケージ選びの12のポイント

オカメインコの健康と幸福を左右するケージ選び。サイズや材質、バーの向きなど12の重要ポイントを解説し、初心者から経験者まで活用できる選び方のコツを紹介します。

①適切なケージの大きさ・サイズ選び

オカメインコにとってケージは単なる箱ではなく、毎日のほとんどの時間を過ごす「家」です。だからこそ、十分な広さが必要不可欠です。

1羽の最小推奨サイズ:幅45cm×奥行42cm×高さ51cm以上
多頭飼いの場合:さらに大きいサイズが必要
羽を広げても壁に当たらない広さを確保
尾羽が床や壁に触れない高さが重要

オカメインコの状況別推奨ケージサイズ
状況 推奨最小幅 推奨最小奥行 推奨最小高さ
1羽飼育 45cm 42cm 51cm
ペア・多頭飼育 60cm以上 50cm以上 60cm以上
オカメパニックを起こしやすい子 46.5cm 46.5cm 58cm
老鳥・運動量が少ない子 40cm 40cm 50cm

オカメインコは尾羽が長く、体長約33cm前後、翼開帳が40㎝ほどあります。ケージが小さすぎると、「オカメパニック」と呼ばれる突発的なパニック行動の際に怪我をするリスクが高まります。羽を広げても安全な広さを確保しましょう。

適切なサイズのケージは、オカメインコが快適に過ごすための基本です。特に羽を広げて羽ばたいても壁や障害物にぶつからないスペースが必要です。

②安全なケージの材質とは?

ケージの材質は安全性、耐久性、そして鳥の健康に直結します。オカメインコはケージをかじる習性があるため、無害な素材選びが重要です。

ステンレススチール:最も推奨される安全な材質
三価クロムメッキ(HOEIのケージ):比較的安全なメッキ処理
アクリル(部分使用):観察しやすく餌の飛び散りも防止
避けるべき材質:塗装された金属、亜鉛メッキ
柔らかいプラスチック部品:誤飲リスクあり

ケージ材質の比較
材質 メリット デメリット 安全性評価
ステンレス 高耐久性
錆びにくい
衛生的
高価、重い ◎(非常に高い)
三価クロムメッキ 比較的安価
ある程度安全
長期使用でメッキ剥がれの可能性 ○(比較的高い)
アクリル
(部分使用)
鳥の観察がしやすい
防音効果あり
通気性の問題
傷つきやすい
○ 金網部分の材質による
塗装された金属 カラフル
比較的安価
塗装剥離
誤飲リスク
×(低い)
亜鉛メッキ
(安価)
非常に安価 亜鉛中毒のリスク ××(非常に低い)

ステンレススチール製のケージは価格が高めですが、安全性と耐久性を考えると長期的な投資として優れています。予算的に厳しい場合は、安全なメッキ処理が施された製品を選びましょう。

安価なケージに多い亜鉛メッキは、オカメインコがかじることで亜鉛中毒を引き起こす危険性があります。材質の選択は、単に見た目や価格だけでなく、愛鳥の長期的な健康を左右する重要な判断基準となります。

③重要!の間隔と向き

ケージのバー(金網)の間隔と向き(縦網か横網か)は、オカメインコの安全性と行動に大きく影響します。

推奨バーの間隔:約1.3cm~1.6cm(1/2インチから5/8インチ)
バーの向き:横網(よこあみ)が推奨
横網のメリット:登りやすい、羽が挟まりにくい
間隔が広すぎるリスク:頭が抜けなくなる、首を挟む
間隔が狭すぎるリスク:爪や足指を挟む

オカメインコには横網のケージが推奨されています。横網は、オカメインコが爪をかけて登りやすく、ケージ内を立体的に移動する際の足がかりとなります。また、オカメパニックを起こした際に、羽が縦方向の網の隙間に挟まってしまう事故の確率を低減できます。

バーの間隔が広すぎると、オカメインコが頭を突き出して抜けなくなったり、首を挟んで窒息したりする危険性があります。逆に狭すぎると、爪や足指を挟んで怪我をする可能性があります。購入前には必ずこの間隔を確認しましょう。

④出入り口の形状と施錠の安全性

ケージの出入り口は、オカメインコがケージの外へ出る際や、飼い主が世話をする際の利便性に大きく関わります。

大きな出入り口:スムーズな出入りと世話がしやすい
天井が開くタイプ:レイアウト変更や放鳥に便利
前面が大きく開くタイプ:コミュニケーションやケアが容易
安全なロック機構:鳥が自分で開けられない設計
移動時の追加対策:ナスカンなどで二重ロック

オカメインコは臆病な一面もあるため、出入り口が小さいとケージに体をぶつけることを恐れて出てこなくなることがあります。理想的には、飼い主が手を差し入れて、オカメインコを手に乗せたまま楽に出し入れできるくらいのサイズが良いでしょう。

また、オカメインコは賢く、簡単な留め具であれば自分で開けてしまうことがあります。しっかりとしたロック機構が付いているケージを選び、特に病院への移動などでケージごと持ち運ぶ際には、ナスカンなどで二重にロックするなど、脱走防止策を講じることをおすすめします。

⑤掃除しやすいケージ構造

ケージを清潔に保つことは、オカメインコの健康を守る上で非常に重要です。掃除がしやすい構造のケージは、日々のメンテナンスの負担を軽減します。

引き出し式トレイ:フンの処理が簡単
取り外し可能な底網(フンキリアミ)
シンプルな構造:汚れが溜まりにくい
部品の取り外しやすさ:丸洗い可能
床材交換のしやすさ

掃除しやすいケージの特徴
特徴 メリット 実用性
引き出し式トレイ 床材・フンの取り替えが鳥を驚かせずに可能 ◎(非常に便利)
大きく開く扉 内部のアクセサリー交換や内部清掃が容易 ○(とても便利)
食器の取り外しやすさ 外部から取り外せると鳥を驚かせずに交換可能 ○(日々の管理に便利)
シンプルな構造 汚れが溜まりにくく、拭き掃除が簡単 ○(長期的に便利)

⑥快適性を高める必須アクセサリー

ケージ内のレイアウトやアクセサリーは、オカメインコの行動を豊かにし、健康を維持するために重要です。

自然木の止まり木:複数本、異なる太さ
清潔な食器と水入れ
バードバス
安全なおもちゃ:知育、くちばしのケア用

止まり木は、オカメインコが多くの時間を過ごす場所です。足の健康を考慮し、天然木でできた、太さの異なるものを複数本用意するのが理想的です。均一な太さの丸棒だけの止まり木は、足の特定の場所に常に圧力がかかり、バンブルフット(趾瘤症)などの足の病気の原因になることがあります。

⑦オカメインコが喜ぶおもちゃ選び

オカメインコは知的好奇心が高く、適切なおもちゃはストレス解消や問題行動の予防に役立ちます。

木製のおもちゃ:安全にかじれるもの
紙製のおもちゃ:破壊して遊べるもの
くちばしのケア用おもちゃ:適度な硬さのもの

おもちゃを選ぶ際は、鳥が誤飲する可能性のある小さな部品が付いていないか、有害な塗料や接着剤が使われていないかを必ず確認しましょう。

⑧ケージの最適な置き場所

ケージをどこに置くかは、オカメインコの安心感やストレスレベルを左右します。適切な場所選びで、より健康的な生活環境を提供しましょう。

温度変化が少ない場所:20℃~25℃が快適
直射日光や隙間風を避ける
静かで安心できる場所:テレビの音や人の出入りが激しくない
家族の気配を感じられる場所:完全な孤立は避ける
安全な高さ:床からある程度離した位置
背面を壁につける:安心感が増す

理想的な置き場所は、比較的静かで落ち着ける環境でありながら、家族の気配を感じられるリビングの隅などが挙げられます。玄関は人の出入りが多く落ち着かない上に、放鳥時に脱走するリスクもあるため不向きです。

ケージは安定した台の上に置き、落下や転倒の危険がないようにします。床に直接置くと、下からの冷気やホコリの影響を受けやすくなるため、ある程度の高さが必要です。また、野生下では常に上からの捕食者を警戒していた習性から、ある程度の高さにケージを置くことで鳥が安心感を得やすいとも言われています。

キッチンなど、調理中の油煙や有毒ガス(特にフッ素樹脂加工の調理器具を過熱した際に発生するガス)が発生する可能性のある場所は避けましょう。これらはオカメインコの繊細な呼吸器系に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨雛(ひな)用ケージの注意点

お迎えしたばかりのヒナ鳥や若いオカメインコには、成鳥とは異なる配慮が必要です。

最初は保温性の高い専用ケース:25℃~30℃を維持
徐々に成鳥用ケージへ移行:1~2ヶ月を目安
低い位置の止まり木:落下防止
シンプルなレイアウト:動きやすく、怪我をしにくい
こまめな清掃:ヒナは排泄回数が多い

ヒナはまだ飛ぶのが上手でなかったり、足元がおぼつかなかったりするため、落下事故を防ぐために止まり木は低い位置に設置します。また、ケージ内のレイアウトはシンプルにし、ヒナが動きやすいように、また怪我をしにくいように配慮しましょう。

⑩老鳥に優しいケージ環境づくり

高齢になったオカメインコや、病気や怪我で身体機能が低下したオカメインコには、生活の質を維持するための「バリアフリー」なケージ環境が求められます。

低い位置への止まり木設置:足腰の負担軽減
平らなステージや幅広の止まり木:安定感のある足場
ロープパーチの活用:柔らかく握りやすい
フンキリアミを外す選択:移動の妨げをなくす
クッション性のある床材:タオルやマットの使用

足腰が弱くなった老鳥や、関節炎などを患っている鳥は、高い場所への移動が困難になったり、止まり木にうまく掴まれなくなったりします。止まり木はできるだけ低い位置に設置し、落下しても怪我をしにくいよう配慮しましょう。

フンキリアミが移動の妨げになったり、万が一落下した際に体を打ち付けたりするリスクがある場合は、取り外すことも検討します。

餌や水へのアクセスも考慮し、無理な体勢を取らなくても飲食できるよう、容器の形状や配置を工夫することが重要です。老鳥用のケージ環境は、個々の鳥の状態をよく観察し、その鳥にとって最も安全で快適な環境を作り上げることが求められます。

⑪多頭飼い用ケージのレイアウト

オカメインコを複数羽飼育する場合は、単独飼育とは異なる配慮が必要です。十分なスペースと適切なレイアウトで、鳥同士のストレスを軽減しましょう。

十分な広さの確保:1羽あたりのスペースを考慮
複数の止まり木:異なる高さや位置に配置
複数のエサ場と水飲み場:争いを減らす
逃げ場の確保:弱い立場の鳥のための避難所
相性を考慮したペアリング:段階的な導入が重要

多頭飼育用のケージは、それぞれの鳥がストレスなく過ごせる十分なスペースを確保することが最も重要です。狭いケージに多くの鳥を入れると、縄張り争いやストレスから喧嘩が起こりやすくなります。

複数のエサ入れや水飲み場を、ケージ内の異なる場所に設置することで、特定の鳥がエサ場を独占するのを防ぎ、争いを減らすことができます。また、それぞれの鳥が自分のお気に入りの場所を見つけられるよう、複数の止まり木を異なる高さや位置に設置しましょう。

新しい鳥を既存の群れに加える場合は、まずは別々のケージでお互いの存在に慣らす期間を設け、鳥同士の相性を見極めることが大切です。攻撃的な行動が見られる場合は、同居が難しい可能性もあります。

⑫価格帯と選び方のコツ

オカメインコ用ケージの価格は、材質や機能、サイズなどによって大きく異なります。予算と必要な機能のバランスを考慮して、最適なケージを選びましょう。

低価格帯(5,000円前後):基本機能のみ、メッキ処理
中価格帯(1万円~2万円):定番モデル、機能性が向上
高価格帯(2万円以上):ステンレス製、耐久性・安全性が高い
長期的視点での選択:安全性と耐久性を優先
中古品活用の注意点:安全確認と消毒が必須

価格帯別ケージ特徴比較
価格帯 一般的な特徴 向いている用途
低価格帯(~1万円) メッキ処理金属製
サイズ小~中
基本機能のみ
一時的な使用
予備ケージ
通院用
中価格帯(1万円~2万円) 安全なメッキ処理
標準サイズ
基本的な機能性
一般的な飼育用
初めてのケージ
高価格帯(2万円以上) ステンレス製
大型サイズ
高い機能性と安全性
長期的な飼育
健康重視
多頭飼い

ケージを選ぶ際には、まずオカメインコにとって必須の条件(十分な広さ、安全な材質、適切な網目の間隔など)をクリアしているかを確認します。その上で、予算と照らし合わせながら、掃除のしやすさ、デザイン、追加機能(天井開閉、大きな出入り口など)を検討していくと良いでしょう。

初期費用が高くても、ステンレス製など耐久性と安全性が高いケージは、長期的に見ればコストパフォーマンスに優れています。買い替えの必要がなく、鳥の健康リスクも低減できるため、可能であれば少し予算を上げて良質なケージを選ぶことをおすすめします。

オカメインコのライフステージ別ケージ選び

ライフステージ別オカメインコケージ選び

オカメインコの年齢や状態によって必要なケージ環境は異なります。若鳥から成鳥、老鳥、そして病気の時の特別なケア環境まで、ライフステージに合わせた最適なケージ選びを解説します。

若鳥から成鳥:活発な時期のケージ選び

若いオカメインコから成鳥期は、最も活動的で好奇心旺盛な時期です。この時期に適したケージ環境を整えることは、健康的な発育と豊かな生活につながります。

十分な広さと高さ:羽ばたきや移動のスペース確保
様々な刺激:複数の止まり木、安全性の高いおもちゃ
安全性:オカメパニック対策、安全な材質
運動促進:ケージ内を移動したくなるレイアウト
社会的交流:家族と交流できる位置に設置

若鳥から成鳥期のオカメインコは、好奇心が強く活発に動き回りたい欲求があります。ケージ内でも十分に羽を広げて羽ばたける広さと、様々な止まり木を伝い歩きできるレイアウトが理想的です。

この時期のオカメインコは、遊びや探索が大好きです。安全なおもちゃを複数用意し、定期的に入れ替えることで、飽きずに楽しめる環境を作りましょう。また、ケージ内でも充分な運動ができるよう、止まり木を異なる高さに配置したり、移動を促すレイアウトを工夫することが重要です。

放鳥時間を十分に確保することも大切ですが、ケージ内で過ごす時間も快適であるよう配慮しましょう。ケージの置き場所も、家族の様子が見えて社会的な刺激を得られる位置が望ましいです。

老鳥(シニア期):安全と快適さを重視したケージ改造

オカメインコの平均寿命は20年前後です。高齢になった老鳥には、身体機能の変化に合わせたケージ環境の調整が必要です。

バリアフリー化:移動の負担を軽減
安全な足場:滑りにくい止まり木、平らな場所
温度管理:寒さ対策、適温の維持
食事と水へのアクセスのしやすさ
低い位置での生活空間の確保

老鳥は足腰が弱くなり、高い場所への移動や止まり木への掴まりが難しくなることがあります。そのため、生活の中心となる止まり木や食事場所を低い位置に設置し、移動の負担を減らしましょう。

関節炎など足の病気がある場合は、フンキリアミ(底網)を取り外し、柔らかい床材で直接過ごせるようにすることで、痛みを軽減できることもあります。床材にはタオルなどクッション性のあるものを使用し、清潔さを保つため上にキッチンペーパーなどを敷くと良いでしょう。

病鳥・療養中:看護しやすいケージ環境とは

病気や怪我をしたオカメインコの回復を支援するためには、特別な配慮が必要です。看護しやすく、ストレスの少ないケージ環境を整えましょう。

観察しやすいシンプルな構造
保温性の確保:体温維持のサポート
落下防止:低い位置での生活環境
薬の投与や世話がしやすい構造
安静を保てる静かな環境

病鳥のケージ環境改善ステップ
  • STEP1
    獣医師に相談
    まず専門家のアドバイスを受け、病状に適したケージ環境を確認します。
  • STEP2
    ケージのサイズ調整
    回復期間中は、コンパクトで管理しやすいサイズのケージを検討します。
  • STEP3
    保温対策
    特に病鳥は体温維持が重要です。ヒーターや温度計を設置して適温を保ちましょう。
  • STEP4
    安全な床環境
    フンキリアミを外し、柔らかい床材(タオルやペットシーツ)を敷いて安静を確保します。
  • STEP5
    食事・水へのアクセス改善
    力が弱っている時でも楽に餌と水にアクセスできるよう、容器の位置や形状を工夫します。
  • STEP6
    定期的な観察と環境の調整
    回復状況に合わせて環境を柔軟に調整し、常に清潔な状態を維持します。

病状によっては、治療のためにケージ内をシンプルにし、余計なストレスを与えないことも重要です。おもちゃや複雑なレイアウトは一時的に減らし、回復に集中できる環境を整えましょう。

病鳥の看護では、食事と水分摂取のサポートが最も重要です。食器や水入れは低い位置に設置し、弱った状態でも楽にアクセスできるようにします。また、消化しやすい食事の提供と、定期的な体重モニタリングも回復のサポートとなります。

病気のオカメインコは体温維持が難しくなることがあります。ヒーターパネルや保温電球を使用して、ケージ内を適温(約25℃~28℃)に保つ配慮が必要です。ただし、直接熱が当たりすぎないよう、調整には注意しましょう。

アクリルケースを使えば、一定の温度をキープしやすいです。

オカメインコケージの置き場所と日常管理

オカメインコケージの置き場所と日常管理

オカメインコケージの適切な設置方法と日常的なケア方法を解説します。安全対策や掃除のコツ、オカメパニック防止策など、健康的な生活環境を維持するためのポイントをまとめました。

ケージ周りの安全対策と注意点

ケージ自体の安全性だけでなく、その周辺環境も愛鳥の健康と安全に大きく影響します。潜在的な危険要因を理解し、適切な対策を講じましょう。

有毒植物の撤去:観葉植物の安全性確認
化学物質の回避:調理器具の有毒ガス、芳香剤、殺虫剤
電気コードの保護:かじり防止
カーテンの錘など誤飲危険物の管理
他のペットからの隔離:犬猫などからの保護

室内には、オカメインコにとって有毒な植物が数多く存在します。観葉植物などを室内に置いている場合は、その植物が鳥にとって安全かどうかを確認し、有毒な場合は鳥が近づけない場所に移動させるか、撤去しましょう。

フッ素樹脂加工(テフロン加工など)の調理器具を過熱した際に発生する有毒ガスは、鳥にとって非常に危険で、死に至ることもあります。調理中は必ず換気を行い、鳥をキッチンから遠ざけるなどの対策が必要です。また、芳香剤、殺虫剤、ヘアスプレー、タバコの煙なども鳥の呼吸器に悪影響を与えるため、鳥のいる部屋での使用は避けるべきです。

オカメインコは好奇心旺盛で、色々なものをかじる習性があります。ケージの近くに電気コードがあると、かじって感電する危険性があります。また、カーテンの裾に入っている鉛製の錘(おもり)をかじって鉛中毒を起こす事故も報告されています。これらの危険物は、鳥が絶対に触れられないように管理する必要があります。

毎日の掃除と定期的な大掃除のコツ

清潔なケージ環境は、オカメインコの健康を守る上で非常に重要です。効率的な掃除方法を身につけ、日常的にケアを行いましょう。

毎日の掃除:床材交換、食器・水入れの洗浄
週に1回:止まり木の汚れ確認、表面クリーニング
月に1~2回:ケージ全体の丸洗い
安全な洗浄剤の使用:鳥に無害なものを選ぶ
完全乾燥の徹底:カビ防止

月に1~2回は、オカメインコを安全な別のケージやキャリーに移し、ケージ本体や止まり木、おもちゃなどを丸洗いします。洗浄には、鳥にも安全な専用の洗剤を使用するか、食器用洗剤を十分にすすいでから使用します。熱湯消毒も効果的です。洗浄後は、完全に乾燥させてからオカメインコを戻しましょう。

オカメパニックを防ぐ環境づくり

オカメインコ特有の「オカメパニック」は、突然の物音や光に驚いて激しく飛び回る行動で、怪我のリスクがあります。予防策を講じて安全な環境を整えましょう。

ケージの広さと横網:安全に動ける空間の確保
シンプルなレイアウト:障害物の最小化
静かな置き場所:突然の刺激を減らす
夜間の照明:常夜灯で急な暗闇を防ぐ
背景音楽:急な静寂や物音による驚きを和らげる

オカメパニックによる怪我のリスクを軽減するためには、十分な広さのあるケージを選び、横網タイプを使用することで羽が挟まる危険を減らしましょう。ケージ内のおもちゃや止まり木の数を最小限にし、シンプルなレイアウトにすることも、パニック時に障害物にぶつかるリスクを減らすのに役立ちます。

ケージの置き場所も重要です。窓際など、外部からの予期せぬ刺激が多い場所は避け、比較的静かで落ち着ける場所にケージを設置しましょう。夜間に真っ暗になると、わずかな物音や光にも過敏に反応しやすくなるため、常夜灯を点けたり、ケージカバーをかけたりするなどの対策も有効です。

日中留守にする際に、小音量でラジオや音楽(BGM)を流しておくことで、突然の静寂や物音による驚きを和らげる効果も期待できます。ただし、音量は小さめにし、オカメインコが落ち着ける環境を維持することが大切です。

万が一オカメパニックが発生した場合は、慌てず冷静に対応しましょう。優しく声をかけて鳥を落ち着かせ、パニックが収まったら怪我がないか確認します。頻繁にパニックが起きる場合は、環境の見直しや専門家へのアドバイス相談を検討しましょう。

よくある質問と回答

オカメインコケージによくある質問

オカメインコのケージについて飼い主からよく寄せられる疑問にお答えします。

ケージの底網(フンキリ網)は必要?

フンキリアミ(底網)は、オカメインコが自分のフンに直接触れるのを防ぐための部品です。必要かどうかは、飼育状況によって異なります。

フンキリアミのメリットは、鳥がフンや食べこぼしに直接触れる機会を減らせることで、細菌や寄生虫の感染リスクを低減できる点です。また、ケージ内を清潔に保ちやすくなります。

一方で、フンキリアミの素材や網目の形状によっては、鳥が足を痛めたり、歩きにくさを感じたりすることもあります。特に老鳥や足の不自由な鳥にとっては、フンキリアミがかえって障害となる場合もあります。

理想的なのは、フンキリアミの有無を状況に応じて選択できるケージを選ぶことです。そして定期的な掃除を徹底することで、どちらの方法でも清潔な環境を維持できます。

健康な成鳥であればフンキリアミを使用し、老鳥や病鳥の場合は取り外して柔らかい床材を敷くなど、臨機応変に対応するのが良いでしょう。

おすすめのケージメーカーは?

日本国内でオカメインコ用ケージを探す場合、評判の良いメーカーとしていくつか代表的なものをご紹介します。

HOEI(豊栄金属工業) は、国内で広く信頼されているメーカーです。特に「465オカメ」モデルはオカメインコ専用に設計されており、適切なサイズと横網仕様で多くの飼い主や専門家から推奨されています。「35手のり」シリーズも人気で、手乗り鳥とのコミュニケーションがしやすい設計になっています。堅牢さと鳥の習性を考慮した設計に定評があります。

SANKO(三晃商会) も小動物用品を幅広く扱うメーカーで、「イージーホームバード」シリーズは掃除のしやすさや機能性に優れています。引き出し式トレイや透明なサイドパネルなどの特徴があり、比較的手頃な価格の製品も揃っています。

最高の安全性を求めるなら、ステンレス製ケージも検討の価値があります。価格は高めですが、耐久性と安全性は最高レベルです。

夜間、ケージにカバーはかけるべき?

夜間のケージカバーの使用については、賛否両論ありますが、オカメインコの個体差や生活環境に応じて判断するのが良いでしょう。

カバーをかけるメリットとしては、自然界での巣穴のような暗く安全な環境を再現できる点があります。これにより、外部からの視覚的刺激を遮断し、より深い睡眠を促すことができます。また、冬場などは保温効果も期待できます。さらに、早朝の日の出による早起きを防ぎ、飼い主の生活リズムに合わせやすくなるというメリットもあります。

一方で、デメリットもあります。通気性が悪くなると、特に暑い季節には熱がこもる危険があります。また、突然のカバー開閉が逆にストレスになることもあります。何より、完全な暗闇は前述の「オカメパニック」を誘発することがあります。暗闇で何かの物音に驚くと、方向感覚を失ってケージ内を激しく飛び回り、怪我をする危険性があります。

折衷案として、部分的なカバー使用がおすすめです。ケージの一部(例えば3面)だけをカバーし、一面は開けておくことで、完全な暗闇を避けつつ、プライバシーと安心感を提供できます。または、室内に微弱な常夜灯を点けておく方法も有効です。

最終的には、あなたのオカメインコの反応を観察し、ストレスなく良質な睡眠がとれる方法を選択してください。カバーを使用する場合は、通気性の良い素材を選び、ケージから少し離して設置するなどの工夫も大切です。

ケージの買い替え時期の目安は?

ケージの買い替え時期は、以下のような状況を目安に検討するとよいでしょう。

①物理的な劣化や破損

錆びが出てきた(赤サビだけでなく白サビも)塗装が剥がれている、ドアの開閉がスムーズでなくなった、金網が変形しているなど、物理的な劣化が見られる場合は買い替えのサインです。特に安全面に関わる部分の劣化は早めの対応が必要です。

白サビ とは、鉄製品に施された亜鉛メッキが酸化することで発生する白い粉末状のサビです。亜鉛は鉄よりも先に錆びることで鉄本体の腐食を防ぐ役割がありますが、この過程で白サビが生じます。

鳥かごの金属部分に発生する点状のサビや白サビは、インコがそれを舐めたりかじったりすることで金属中毒を起こす事例が報告されています。サビを摂取した場合、必ずしも金属中毒になるとは限りませんが、ごく少量でも発症する可能性もあれば、そうでない場合もあります。しかし、鉄(スチール)製のケージでも、錆び付いてくると危険性が高まります。一般的に、ステンレス製以外の鳥かごは2~3年使用するとサビが気になるようになります。

壊れてもないケージを買い替えするなんて思ってもなかったが、病院の先生より買い替えを勧められ購入。数ヶ月経ちましたが、大満足!理由は、オカメ465使用中、ケージの柵の噛み癖で、塗装がハゲて金属を噛んでいた為、大丈夫なものか動物病院の先生に相談しステンレスを購入。もう安心!いくら噛んでも心配じゃない。ダメダメダメダメ!とストレスを与えることもない。笑顔で見ていられます。
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②オカメインコの成長

ヒナや若鳥用の小さめのケージを使用している場合、成長に合わせて適切なサイズに買い替える必要があります。オカメインコは最終的に体長約33cmになるため、それに適したケージが必要です。

③オカメインコの健康状態の変化

老鳥になったり、足の問題を抱えるようになったりした場合、バリアフリー設計のケージや環境が必要になることがあります。その場合、専用のケージへの買い替えを検討しましょう。

④飼育環境の変化

多頭飼いを始める、引っ越しをするなど、飼育環境が変わる場合も見直しのタイミングです。

⑤安全基準の変化

以前は問題ないとされていた素材や設計が、新しい研究で安全性に懸念があると判明することもあります。最新の安全基準に合わせた買い替えも検討事項です。

一般的に、良質なケージは適切なメンテナンスをすれば 5年以上使用できますが、安全性を最優先に考え、定期的にケージの状態をチェックすることをおすすめします。特に安価なケージは劣化が早い傾向があるので注意が必要です。

オカメインコケージを選ぶポイント【総括】

オカメインコケージを選ぶポイントまとめ

十分な広さと高さを確保したケージを選ぶ
安全な材質(理想はステンレス製)にこだわる

横網タイプでバーの間隔が適切なものを選ぶ
大きな出入り口と安全なロック機構を確認

掃除のしやすさは日常管理の負担軽減に直結
ライフステージに合わせた環境調整を行う

静かで安定した場所にケージを設置する
オカメパニック対策を意識した環境づくり

定期的な掃除と消毒で清潔を保つ
安全なアクセサリーと止まり木で環境を豊かに

高齢や病気の際は臨機応変にケージ環境を調整
長期的な視点で価格だけでなく安全性と品質を重視

オカメインコは賢く、人懐っこい性格で、適切な環境で飼育すれば20年以上共に暮らすことができます。その長い人生の大部分を過ごすケージ選びは、単なる「モノ選び」ではなく、愛鳥への深い愛情表現と言えるでしょう。

初期費用が多少かかっても、安全で耐久性のあるケージを選ぶことは、将来的な医療費の削減や、何よりも愛鳥が健やかで穏やかな日々を送るための最良の投資です。あなたのオカメインコにとって最高の「家」を見つけ、豊かな共生関係を築いてください。

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