ラウディブッシュペレットの選び方|肥満対策の「ローファット」や換羽期の使い分けを徹底解説

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ハリソン・ズプリームとの違い|ラウディブッシュが選ばれる3つの理由

ラウディブッシュペレットのパッケージが並んだ写真。デイリーメンテナンスとブリーダーの袋が映り、粒の大きさが比較できる。

数あるペレットの中で、なぜ多くのベテラン飼い主やブリーダーがラウディブッシュを選ぶのでしょうか?その理由は明確です。

「将来の病気」に備える保険になる

これが最大のメリットです。ラウディブッシュは動物病院で処方される「療法食(ローファットなど)」のラインナップを持っています。

健康なうちからラウディブッシュの味に慣れておけば、いざ病気になって療法食が必要になった時、スムーズに切り替えることができます。病気の時に慣れない食事を拒否されるリスクを減らす、まさに「転ばぬ先の杖」です。

続けやすい「圧倒的なコスパ」

最高品質のハリソンは素晴らしいですが、価格が高く、欠品もしがちです。ラウディブッシュは科学的根拠に基づいた高品質フードでありながら、価格が手頃で入手もしやすいのが特徴。多頭飼育の方や、長期的に安定して与えたい方に最適です。

日本の鳥に合う「サクサク食感」

海外製ペレットは硬いものが多いですが、ラウディブッシュはズプリーム等に比べて柔らかく、サクサクした食感です。顎の力が弱いセキセイインコや、硬いものが苦手な老鳥でも喜んで食べてくれます。

3大ペレットブランド比較表
項目 ラウディブッシュ ハリソン ズプリーム
価格/コスパ ◎ 優秀
続けやすい価格
△ 高価
最高品質だが高い
○ 普通
入手しやすい
食感・硬さ ◎ 柔らかい
サクサク軽い
○ 普通
しっかりめ
△ 硬め
カリカリ強い
療法食連携 ◎ あり
移行がスムーズ
○ 一部あり
マッシュ等
△ なし
一般食メイン
安全性 ◎ 獣医師開発
無着色・無香料
◎ 獣医師開発
☆ オーガニック
最高基準
○ 一般的
着色タイプもあり

ラウディブッシュペレットとは|40年の研究から生まれた信頼のブランド

ラウディブッシュペレットのブランドロゴと創業者トム・ラウディブッシュ氏の研究背景を示す画像。カリフォルニア大学デービス校の文字が見える。

ラウディブッシュは、鳥類栄養学の第一人者トム・ラウディブッシュ氏が1985年に創業したアメリカの老舗ペレットメーカーです。カリフォルニア大学デービス校で16年にわたり鳥類栄養学を研究し、その成果が凝縮されています。日本の動物病院でも療養食として処方される信頼性の高いブランドとして知られています。

科学的根拠に基づいた栄養設計

ラウディブッシュの最大の特徴は、単なる商業ベースの製品開発ではなく、科学的根拠に基づいた栄養設計が行われている点です。

世界中の鳥専門獣医師が推奨し、日本でも多くの動物病院で処方される実績があるのは、この確かな研究基盤があるからです。特に「ローファット(低脂肪)」や「フォーミュラ3(流動食)」などは、病鳥看護の現場で欠かせない存在となっています。

人工添加物不使用の徹底した安全基準

ラウディブッシュペレットは、以下の人工添加物を一切使用していません。

  • 人工着色料:不使用
  • 人工甘味料:不使用
  • エトキシキン(人工保存料):不使用

これらの添加物を使わないことで、愛鳥の健康を長期的に守ることができます。「鳥にとって本当に必要なもの」だけを配合するのがラウディブッシュの姿勢です。

アルファルファ配合と色の変化

2017年のリニューアルで、栄養豊富な牧草「アルファルファ」が追加されました。これによりペレットの一部が深緑色や黒っぽく見えることがありますが、これは牧草由来の自然な色素であり、カビや品質不良ではありません。安心してお与えください。

ラウディブッシュ製品ラインナップ全体像

ラウディブッシュの全製品ラインナップが一覧表示された画像。デイリーメンテナンス・ブリーダー・ローファット・シニアダイエットなど各種類が並ぶ。

ラウディブッシュには、鳥のライフステージや健康状態に応じた豊富なラインナップがあります。常用食から療養食まで、愛鳥の状態に合わせて選べるのが大きな魅力です。

【常用食】デイリーメンテナンス

繁殖期以外の健康な成鳥に毎日与える、最も基本となるペレットです。タンパク質11.0%、脂質6.0%と、日常生活に必要な栄養バランスが整っています。

主食の70%以上を与えていれば、サプリメントの追加は不要です。サイズ展開も豊富で、あらゆる鳥種に対応します。

【高栄養】ブリーダー

換羽期や繁殖期の成鳥、成長期の幼鳥に適した高タンパク・低脂肪設計のペレットです。タンパク質20.0%、脂質3.0%というバランスで、羽の生成や体作りをサポートします。

【療養食】ローファット(低脂肪)

肥満や発情過多の改善を目的とした低脂肪ペレットです。脂質2.0~5.0%に抑えられており、ダイエットが必要な鳥や、卵詰まりを繰り返すメスに推奨されます。

【療養食】シニアダイエット

「高齢鳥用」ではありません。カルシウム・ビタミン・ミネラルが高く設定された「特別な栄養食」です。ヨウムなどカルシウム不足が懸念される鳥や、特定の栄養補給が必要な場合に使用されます。


ラウディブッシュ粒サイズ完全ガイド

ラウディブッシュの5種類の粒サイズを比較した写真。ニブルズ・ミニ・スモール・ミディアム・ラージが1円玉と並べて撮影されている。

via:https://roudybush.myshopify.com/

ラウディブッシュは5種類の粒サイズがあります。鳥の体格やくちばしの大きさに合わせて選ぶことで、食べやすさが向上します。

ラウディブッシュ粒サイズ一覧
サイズ名 形状・大きさ 主な対象鳥種
ニブルズ フレーク状
(2mm×2mm)
文鳥、セキセイインコ、マメルリハ、カナリア
ミニ 細長い円柱
(2mm×5-10mm)
セキセイインコ、オカメインコ、コザクラインコ、ウロコインコ
スモール 中粒
(4mm×6-15mm)
オキナインコ、シロハラインコ、ヨウム、ボウシインコ
ミディアム 大粒
(7mm×6-10mm)
ヨウム、大型コンゴウインコ、モモイロインコ
ラージ 特大
(13mm×9-20mm)
大型コンゴウインコ、オオバタン、キバタン

選び方のコツ:丸飲みしてしまう場合は1つ大きいサイズを、食べづらそうなら1つ小さいサイズを選びましょう。セキセイやオカメには、ニブルズとミニを混ぜて与えるのもおすすめです。

鳥種別ラウディブッシュの選び方

セキセイインコ・オカメインコ・コザクラインコの3羽が並んだイラスト。それぞれに適したラウディブッシュのサイズが示されている。

人気の高い3大鳥種について、最適なラウディブッシュ製品をご紹介します。

  • セキセイインコ
    食べるのが苦手な子は「ニブルズ」一択。発情しやすいメスには「ローファット」が人気。
  • オカメインコ
    基本は「ミニ」。かじりごたえが欲しい子は「スモール」もアリ。
  • コザクラ・ボタン
    基本は「ミニ」。発情トラブルが多い鳥種なので、「ローファット」でのコントロールを検討してください。


ラウディブッシュ デイリーメンテナンス(ミニ) 227g
Generic


ライフステージ別ラウディブッシュの使い分け

オカメインコのライフステージを示した図。幼鳥期・成鳥期・換羽期・老鳥期それぞれに適したラウディブッシュの種類が記載されている。

鳥の成長や季節に合わせてフードを切り替えることで、健康寿命を延ばすことができます。

幼鳥期(生後~6ヶ月)

成長のための高い栄養が必要です。

  • 挿し餌期:フォーミュラ3
  • 一人餌練習~6ヶ月:ブリーダー(高タンパクで体を作る)

成鳥期(通常時)

健康維持のため、栄養バランスの取れたデイリーメンテナンスを与えます。肥満を防ぎ、適正体重をキープします。

換羽期(羽の生え変わり)

羽の材料となるタンパク質が大量に必要です。デイリーメンテナンスからブリーダーへ切り替え、換羽が終わったら元に戻します。

ダイエット期

体重オーバーや発情過多の場合は、ローファットを使用します。急激な減量は避け、獣医師と相談しながら進めましょう。

デイリーメンテナンス詳細解説

ラウディブッシュ・デイリーメンテナンスのパッケージと粒の拡大写真。ニブルズ・ミニ・スモールの3サイズが並んでいる。

最もベーシックな「デイリーメンテナンス」は、健康な成鳥の主食として最適です。高品質ながら他社プレミアムペレットに比べてコストパフォーマンスが良く、多頭飼育にもおすすめです。

デイリーメンテナンス栄養成分
成分 含有量 特徴
タンパク質 11.0% 日常の活動に十分な量
脂質 6.0% 適度なエネルギー源
繊維 3.5% 消化を助ける
水分 12.0% 品質保持の基準

匂いと硬さの特徴

ラウディブッシュは、フルーツフレーバーのような甘い香りはなく、独特の「大豆」や「穀物」のような香ばしい匂いがします。また、ズプリーム(フルーツ)などに比べて粒が柔らかめです。

このバランスは、カロリー過多を防ぎつつ必要な栄養を摂取できる黄金比率です。無着色でフンの状態も確認しやすく、多くの飼い主に選ばれています。


ブリーダー&ハイエネルギーブリーダーの使い分け

ラウディブッシュ・ブリーダーとハイエネルギーブリーダーのパッケージ比較画像。2つの製品の栄養成分表が並んで表示されている。

「ブリーダー」と「ハイエネルギーブリーダー」は、どちらも高栄養タイプですが、用途が異なります。

高栄養ペレット比較
製品名 タンパク質 脂質 推奨シーン
ブリーダー 20.0% 3.0% 換羽期、繁殖期、幼鳥の育成
ハイエネルギー
ブリーダー
19.0% 6.0% 雛の急成長期、多数の雛の育児、病後の体重回復

換羽期には「ブリーダー」が最適です。タンパク質をしっかり補給しつつ、脂質は低めに抑えられているため、太りすぎを防ぎながら新しい羽を作ることができます。



カリフォルニアブレンド|果物入りで食いつき抜群

ラウディブッシュ・カリフォルニアブレンドのパッケージ写真。フリーズドライの果物や野菜が混ざった粒が確認できる。

カリフォルニアブレンドは、デイリーメンテナンスにフリーズドライの果物と野菜をミックスした製品です。

モモ、アンズ、プラム、トマト、ニンジンなどが含まれており、自然な甘みと香りで食いつきが良いのが特徴です。ペレットを食べないインコの切り替えがうまくいかない時の「きっかけ作り」としても非常に有効です。


療養食ライン|ローファット・シニアダイエット

ラウディブッシュの療養食ラインナップ。ローファットとシニアダイエットのパッケージが並び、動物病院で処方される様子が描かれている。

ラウディブッシュの療養食は、動物病院でも処方される信頼性の高いラインナップです。

ローファット(低脂肪)を選ぶべき鳥

タンパク質12.0%、脂質2.0~5.0%の低脂肪設計。以下のような鳥に強く推奨されます。

  • 肥満傾向にある鳥:(標準体重を超えている)
  • 発情過多のメス:(卵詰まり予防、発情抑制に効果的)
  • 運動不足の鳥:(放鳥時間が短い、ケージ暮らしが長い)

「通常のデイリーメンテナンスでは体重が増えてしまう」という場合に、このローファットが選ばれています。

シニアダイエット

「減量用」でも、単なる「老鳥用」でもなく、「特定の栄養強化が必要なシニア期」のための高栄養・高カルシウム食です。ヨウムや、シード食からの切り替え直後の老鳥など、特定の栄養強化が必要な場合に使用します。使用の際は獣医師に相談することをお勧めします。


フォーミュラ3|挿し餌用パウダー

ラウディブッシュ・フォーミュラ3の容器写真。粉末状のパウダーがシリンジに入れられる様子が示されている。

生後1日目から使える挿し餌用パウダーです。粒子が非常に細かく、お湯に溶けやすいため、シリンジが詰まりにくいのが特徴です。

フォーミュラ3栄養成分
成分 含有量 備考
タンパク質 21.0% 雛の成長に必須
脂質 7.0% 高エネルギー
繊維 5.5% 消化サポート
水分 12.0%

正しい作り方のポイント

  • 50~60℃のお湯で溶かす
  • 必ず40℃程度まで冷ましてから与える
  • 孵化直後の濃度目安:体積比でフォーミュラ1:お湯6〜7(約10%濃度)

雛の育成はもちろん、病気で食欲がない時の強制給餌用流動食としても非常に優秀です。いざという時のために常備しておくと安心です。


ラウディブッシュのお試し(リパック品)

ラウディブッシュには、公式パッケージの他に、日本の業者が小分けにした「リパック品」があります。

リパック品は正規品を国内で小分けにしたもので、品質に問題はありません。少量サイズが多いため、「食べてくれるかわからないから少しだけ試したい」という場合に便利です。購入時は、賞味期限が明記されている信頼できるショップを選びましょう。


開封後30~45日ルールの徹底と保存方法

ラウディブッシュの正しい保存方法を示した画像。真空容器・冷凍保存・小分けパックなど複数の保存テクニックが図解されている。

ラウディブッシュは強力な人工保存料(エトキシキン)を使用していないため、開封後の酸化が早いです。開封後は30~45日以内に使い切るのがメーカー推奨です。

賞味期限の読み方(EXPの見方)

海外製品のため、賞味期限の印字(EXP/Best Before)の見方がわかりにくいことがあります。

例:「USE BY: 010226」の場合

  • 多くの場合は 月/日/年 または 日/月/年 の順です。
  • 国内のリパック品や正規代理店シールがある場合は、日本語の賞味期限ラベルを優先して確認してください。

おすすめの保存方法

  • 密閉容器に入れ、冷暗所で保管する
  • 大容量を買った場合は、開封直後に小分けして冷凍保存する
  • 冷凍分は使用前日に冷蔵庫へ移して自然解凍する

小分け冷凍を活用すれば、大容量パックを安く購入しても最後まで新鮮なまま使い切ることができます。ペレットの保存方法については別記事で詳しく解説しています。

シードから4週間で完全移行!切り替えテクニック

焦りは禁物です。4週間かけて徐々に慣らしていくのが成功の秘訣です。

  • 第1週:シード9割・ペレット1割(まずは見ることに慣れさせる)
  • 第2週:シード7割・ペレット3割
  • 第3週:シード5割・ペレット5割(体重チェックを忘れずに)
  • 第4週:シード3割・ペレット7割(主食逆転!)

どうしても食べない場合は、カリフォルニアブレンドを試したり、お湯で少しふやかして香りを立たせたりするのも効果的です。ペレットを食べない時の対策についても参考にしてください。

ラウディブッシュよくある質問

ペレットの色や切り替えについて、よくある疑問にお答えします。

ペレットの色が深緑・黒っぽいのは品質に問題ない?

A. 全く問題ありません。

2017年のリニューアルで牧草(アルファルファ)が原料に追加されたため、その自然な色素で深緑や黒っぽく見えることがあります。カビではないので、安心して与えてください。

換羽期以外にブリーダーを与えても大丈夫?

A. 短期間ならOKですが、長期使用は避けましょう。

ブリーダーは高タンパクなので、換羽が終わった健康な成鳥に与え続けると、肥満や発情過多の原因になります。換羽が終わったら速やかにデイリーメンテナンスに戻すのが理想です。

他のペレット(ハリソンなど)と混ぜてもいい?

A. 非常に効果的です。

複数のブランドをローテーションしたり混ぜたりすることで、栄養の偏りを防ぎ、万が一どちらかが欠品しても困らないようにする「リスク分散」になります。ラウディブッシュとハリソンは併用している飼い主さんも多い組み合わせです。

ラウディブッシュペレット完全ガイド【総括】

ラウディブッシュペレット全ラインナップが並んだ集合写真。デイリーメンテナンス・ブリーダー・ローファット・フォーミュラ3など各製品が一堂に会している。

ラウディブッシュは、鳥類栄養学の権威による40年の研究成果が詰まった、信頼性の高いペレットです。人工着色料や保存料を使わない徹底した安全性と、動物病院での処方実績は、愛鳥家にとって大きな安心材料です。

通常時の「デイリーメンテナンス」を基本に、換羽期には高タンパクな「ブリーダー」、肥満や発情対策には「ローファット」と、愛鳥のコンディションに合わせて最適なフードを選べるのが最大の強みです。

粒サイズも豊富で、セキセイインコからコンゴウインコまで対応できます。日頃からラウディブッシュに慣れさせておけば、いざ病気になった時の療養食への移行もスムーズです。愛鳥の健康と長生きのために、ぜひラウディブッシュを取り入れてみてください。