インコのカルシウム不足は、多くの飼い主さんが直面する健康問題です。「なんとなく元気がない」「パッとしない」といった症状が見られるものの、原因がわからずに悩んでいませんか?実はこれらの症状は、カルシウム不足のサインかもしれません。
インコのカルシウム不足は、適切なケアで改善できる問題です。カルシウムは骨の形成だけでなく、神経や筋肉の機能にも重要な役割を果たしています。特に日光浴が足りていないインコは低カルシウム傾向になりやすく、定期的な健康診断と適切なサプリメント選びが大切です。
カルシウム不足を改善するには、液状サプリを飲み水に混ぜる方法が効果的です。カトルボーンやボレー粉は食べ残しが多いため、確実に摂取できる方法を選ぶことがポイントです。また、カルシウムの吸収にはビタミンDが必要で、腸内環境も大きく関わっています。
インコのカルシウム不足の症状と原因
インコに効果的なカルシウムサプリの選び方
カルシウム値を改善するための実践的な方法
腸内環境を整えてカルシウム吸収を促進する方法
長期的なカルシウムケアの重要性
インコの健康は日々のケアから。カルシウム不足に悩むインコの飼い主さんはぜひ参考にしてください。

サザナミインコの低カルシウム症【ぴよちゃん2歳】
サザナミインコの飼い主の寄稿 私のサザナミインコ ぴよちゃんは2歳時の健康診断でカルシウム値が低いことが分かり、カルシウムサプリを摂っていたことがあります。
ここでは当時ぴよちゃんが摂っていたサプリとそのサプリを選んだ理由。そして飲んだことによる変化を紹介します。
パッとしないサザナミインコ!?ぴよちゃんはカルシウム値が低かった
ぴよちゃんは2歳頃に元気のない時期がありました。餌もしっかり食べ、糞の状態もよく、体重も安定していましたが、何となく元気がないのです。
メガバクテリアの治療が終わって半年ほど経った頃だったのでかかりつけの病院で健康診断を受けることにしました。
ぴよちゃんのケージでの様子、少し羽が抜けている量が多いこと、一日一回以上発情行動をしていること
…など気付いたことを先生にお話しすると、先生は検査結果を見ながら、
そう説明してくれた後で、再び検査結果を見て
その言い方が何ともいえずおかしくて、心の中で大うけしながら先生の方に目をやると、先生は大真面目な顔をしています。
カトルボーンとボレー粉を与えていたがほとんど食べておらず…
次に「どうすればカルシウム値をあげることができるか」の話になりました。
ぴよちゃんにはカトルボーンとボレー粉を与えていることを話したところ
そういった流れから、小鳥の病院からカルシウムとビタミンを混合したスペシャル栄養剤を処方してもらうことになりました。
小鳥の病院処方の栄養剤を5年投与してもカルシウム血が上がることはなく…
それから5年間、ぴよちゃんは病院処方のスペシャル栄養剤を飲み水に混ぜたものを毎日飲んでいましたが、5年経ってもカルシウム値は上がりませんでした。
病気をすることもなく過ごしているぴよちゃんを見た先生から
…と言われたため、以降は市販のサプリメントに切り替えることにしました。
市販のカルシウムサプリに切り替えることに!選び方と選んだサプリメント3種
インコのサプリメント選びで私が望んだ条件は、
粉状でもよいが、飲み水に混ぜることができるもの
入手が容易であまり高額でないもの
保管、保存が難しくないもの
「粉状の餌に振りかけるサプリメントは結局下に落ちてしまって摂れていないことが多い」と先生から聞いていたから、飲み水に混ぜたい。
ペレットの入手で苦労した経験があったので、ネットでいつでも注文できるものを選ぼう。高額であれば動物病院で処方してもらった方がいいと思った。
毎日容器の開け閉めをするので、保管・保存面についてあまり扱いに注意を要する生タイプのようなものは避けたい。
カルシウムサプリ「カルビタバード」
私が選んだインコのカルシウムサプリは「カルビタバード」液状の栄養剤でした。
カルビタバードは扱いやすく、またお財布にも優しい商品でした。
スポイトボトル式の容器に入ったこの液状のサプリは容量が少ないので長期保存の心配もなく、蓋を開けて数滴飲み水に入れるだけと、手軽で衛生的なところも気に入りました。
少し難点があるとすれば、配合のニンニクエキスの匂いがすることや、液剤が黄色く、飲み水に色がついてしまうことでした。
しかし当のぴよちゃんは匂いも色も気にならなかったようで、初日から普通に飲んでくれて助かりました。
マルチビタミン剤のネクトンS
カルシウム剤以外にも、ぴよちゃんは2種類のサプリを飲んでいました。ひとつは「ネクトンS」です。
ぴよちゃんはシード多めのペレット混合食でしたが、青菜をほとんど食べなかったので、そのままの食事では栄養不足と思い、先生の勧めもあってネクトンSを選びました。
このサプリも飲み水に混ぜて飲んでいました。
ネクトンSにもカルシウムは含まれていますが、カルビタバードと併用しても、ぴよちゃんの場合は特に問題は起こりませんでした。
乳酸菌サプリ「バードベネバックパウダー」
もうひとつは「バードベネバックプラスパウダー」乳酸菌サプリです(現在は廃版)
バードベネバックプラスを飲み始めた当時、サザナミインコはシードをうまく消化できず未消化便をすることがあることや、消化器官に注意が必要なことを、私は知りませんでした。
ただ、糞は1日に1回か2回で、その糞が大きく柔らかいことから、
…と考えていたこともあり、インコ用の乳酸菌も使うことにしました。
「バードベネバックプラスパウダー」はメーカー廃版です。バードベネバックプラスの代替はこちら
市販のサプリメントに変えたらカルシウムが正常値になってびっくり!
この3つのサプリメントをぴよちゃんは7年間、ずっと飲み続けていました。
効果があったか?は実のところよくわかりません。途中でサプリをやめたことがないため、劇的な変化があったわけではないので、比較できないからわからないのです。
ただ、ひとつだけ数値で現れた変化がありました。
ぴよちゃんが14歳で亡くなる半年ほど前に、糞の状態が気になって、病院で検査した時のこと。
糞も採血も検査結果に異常がなかったと聞き、ホッとした時に先生が言ったのです。
病院処方のカルシウム剤を5年飲んでもずっと変わらなかったカルシウム値が、市販のサプリに切り替えて7年後に正常値になっていました。
これが確実に与えてきたサプリの効果かどうかはわかりませんが、私はずっとサプリを与えてきてよかったと思っています。「ぴよちゃんが14年間元気に過ごせた」このことだけでも十分意味があったと思えたからです。
カルシウムによくある質問と回答
インコのカルシウム不足に関する疑問や悩みを解消するため、よく寄せられる質問と回答をまとめました。適切な対処法と予防策を知ることで、大切なインコの健康を守りましょう。
カルシウム不足はどんな症状が出ますか?
インコのカルシウム不足では、以下のような症状が現れることがあります。
元気がない、活動量が減少する
羽の状態が悪くなる、抜け毛が増える
骨折しやすくなる
卵詰まりなどの産卵トラブルが起きる
けいれんや発作を起こすことがある
カルシウム不足の初期症状は「なんとなく元気がない」「パッとしない」といった非特異的なものが多いため、定期的な健康診断で血液検査を受けることが大切です。症状が進行すると、重篤な状態になることもあるので注意が必要です。
カルシウムを効果的に与える方法はありますか?
インコにカルシウムを効果的に与えるには、以下の方法があります。
液状のカルシウムサプリを飲み水に混ぜる
カルシウムが豊富な野菜(ブロッコリーなど)を与える
ビタミンDも一緒に摂取できるサプリを選ぶ
カルシウムは単体では吸収されにくいため、ビタミンDと一緒に摂取することが重要です。また、粉状のサプリメントは餌に振りかけても食べ残してしまうことが多いため、飲み水に混ぜられる液状タイプが効果的です。継続して与えることで徐々に体内のカルシウム値が改善されていきます。
サプリはどれを選べばいいですか?
インコのカルシウムサプリを選ぶ際のポイントは以下の通りです。
飲み水に混ぜられる液状タイプが使いやすい
カルシウムとビタミンDが配合されているもの
入手しやすく価格が手頃なもの
長期保存に適した容器タイプ
低カルシウムは予防できますか?
インコのカルシウム不足は適切なケアで予防できます。
バランスの良い食事を与える(ペレットと野菜)
定期的な健康診断を受ける
適度な日光浴でビタミンD合成を促す
必要に応じてサプリメントを活用する
シード食のみでなく、ペレットを混ぜた食事や緑の野菜を与えることで栄養バランスを整えましょう。また、定期的な健康診断を受けて血中カルシウム値をチェックすることも大切です。カルシウムの吸収を助けるビタミンDは、適度な日光浴によって体内で合成されるため、安全な範囲で日光に当てることも効果的です。
腸内環境とカルシウム吸収は関係ありますか?
インコの腸内環境とカルシウム吸収には密接な関係があります。
健康な腸内環境はカルシウムの吸収を促進する
乳酸菌サプリで腸内環境を整えられる
消化不良があるとカルシウム吸収も低下する
サザナミインコは特に消化器官に注意が必要
サザナミインコはシードをうまく消化できないことがあり、未消化便が見られることもあります。乳酸菌サプリを与えることで腸内環境を整え、栄養素の吸収を助けることができる可能性があります。腸内環境とカルシウム吸収の関係を考慮し、総合的なケアを行うことが大切です。
インコのカルシウム不足対策【総括】
低カルシウムの初期症状は「なんとなく元気がない」「パッとしない」など
カトルボーンやボレー粉は食べないことも多いため効果が限定的
液状のカルシウムサプリを飲み水に混ぜる方法が効果的
カルシウム単体より、ビタミンDと一緒に摂取することが重要
総合栄養剤「ネクトンS」も併用すると栄養バランスが向上
乳酸菌サプリで腸内環境を整えることもカルシウム吸収に有効
サザナミインコは消化器官に注意が必要な種類
定期的な健康診断で血中カルシウム値をチェックすることが大切
カルシウム値の改善には時間がかかるが、継続的なケアが効果的
バランスの良い食事とサプリメントの併用で健康を維持できる
同じ成分のサプリメントの過剰摂取には注意が必要
愛鳥のカルシウム不足に気づいたら、あわてずに継続的なケアを心がけましょう。カルシウム値の改善には時間がかかることもありますが、適切な対策を続けることで健康を取り戻すことができます。インコの様子をよく観察し、少しでも変化があれば早めに獣医師に相談してください。